杜甫 《大雨》 待ち遠しかった雨が茅葦の屋根から漏れ落ちるのだが今は雨を慶び詩に詠おうと思う。間違いなく、この雨によって五穀豊穣が期待できることなのだから喜ぶべきことだ。この三日大雨が降り続き、通りを行き交う人の姿がまったく無い。増水した成都を流れる岷江と錦江の二江の、洪水の轟音が聞こえる。
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大雨五言古詩 杜甫 成都(6部)浣花渓の草堂(6-(4))
詩 題:大雨五言古詩 杜甫 成都(6部)浣花渓の草堂(6-(4))
卷別: 卷二一九 文體: 五言古詩
作時:762年寶應元年 1月杜甫51歳
掲 載; 杜甫1000首の470-#2首目-場面6-(4)杜甫ブログ1500回予定の-685回目 40784
大雨
(大雨)
西蜀冬不雪,春農尚嗷嗷。
蜀に来て3年たつこの冬に積雪が少なかった。したがって春になっての農業にとっては多くの人が心配して騒ぐ声が多いのだ。
上天回哀眷,朱夏雲鬱陶。
昨年から天を仰いでぐるぐる見回して、悲しく振り返ってみても天気がおかしく、真夏であっても気分が重苦しいほどの厚い雲であった。
執熱乃沸鼎,纖絺成縕袍。
持てない鼎の熱を冷ますというが乃ち鼎でお湯を沸かしていることが前提だし、細い目の粗い布であっても防寒のドテラを作ることはできるものである。
風雷颯萬里,霈澤施蓬蒿。
風と雷は、万里さきからに沸き起って吹きあげてくれ、大雨は、蓬蒿をはじめとする一年草の草深い茂みを潤すものである。
#2
敢辭茅葦漏,已喜黍豆高。
待ち遠しかった雨が茅葦の屋根から漏れ落ちるのだが今は雨を慶び詩に詠おうと思う。間違いなく、この雨によって五穀豊穣が期待できることなのだから喜ぶべきことなのだ。
三日無行人,二江聲怒號。
この三日大雨が降り続き、通りを行き交う人の姿がまったく無い。増水した成都を流れる岷江と錦江の二江の、洪水の轟音が聞こえる。
流惡邑里清,矧茲遠江皋。
しかし、その流れは、ここの邑里の清を嫌うかのように避けてくれている。ここは、岷江から遠い所にある岸辺であるけれどあわてて洪水対策の準備にとりかかっている。
荒庭步鸛鶴,隱几望波濤。
大雨で荒れた庭に、雨をさけるように鸛鶴が歩いている。私は、江亭の長椅子に雨を避けて、流れ行く川波濤を眺めているのである。
#3
沈痾聚藥餌,頓忘所進勞。則知潤物功,可以貸不毛。
陰色靜隴畝,勸耕自官曹。四鄰耒耜出,何必吾家操。
西蜀の冬は雪せず、春農は尚お嗷嗷たり。
上天は回りて哀眷し、朱夏の雲は鬱陶たり。
執熱 乃ち鼎を沸かし、纖は、袍を成す。
風雷は萬里に颯(ふ)き、霈澤は、蓬蒿に施す。
敢えて辞せんや わが茅葦の漏るるを、已に黍豆の高きを喜ぶ。
三日して行人無く、二江の聲は怒號たり。
流は邑里の清を惡う、矧んや茲の遠くの江皋をや。
荒庭は鸛鶴がみ、几に隱れて波濤を望む。
沈痾にして藥餌を聚め、頓に進んで勞する所を忘る。
則ち潤物の功を知り、以って不毛を貸するべし。
色を陰いて隴畝を靜かにし、耕を勸むるに官曹よりし。
四鄰は耒耜を出すも、何ぞ必ずしも吾が家も操せん。
『大雨』 現代語訳と訳註
(本文) #2
敢辭茅葦漏,已喜黍豆高。三日無行人,二江聲怒號。
流惡邑里清,矧茲遠江皋。荒庭步鸛鶴,隱几望波濤。
(下し文) #2
敢えて辞せんや わが茅葦の漏るるを、已に黍豆の高きを喜ぶ。
三日して行人無く、二江の聲は怒號たり。
流は邑里の清を惡う、矧んや茲の遠くの江皋をや。
荒庭は鸛鶴がみ、几に隱れて波濤を望む。
(現代語訳)
待ち遠しかった雨が茅葦の屋根から漏れ落ちるのだが今は雨を慶び詩に詠おうと思う。間違いなく、この雨によって五穀豊穣が期待できることなのだから喜ぶべきことなのだ。
この三日大雨が降り続き、通りを行き交う人の姿がまったく無い。増水した成都を流れる岷江と錦江の二江の、洪水の轟音が聞こえる。
しかし、その流れは、ここの邑里の清を嫌うかのように避けてくれている。ここは、岷江から遠い所にある岸辺であるけれどあわてて洪水対策の準備にとりかかっている。
大雨で荒れた庭に、雨をさけるように鸛鶴が歩いている。私は、江亭の長椅子に雨を避けて、流れ行く川波濤を眺めているのである。
(訳注) #2
大雨
やがて雨が上がると、野良仕事に務めるようにと役人たちが勧めてまわり、それに応じて草堂の近隣から、農夫たちが農具をもって農地に出てくる。だから杜甫は自分が野良に出る必要はないというのである。農地は杜甫の個人所有ではない。しかしその農地からの収穫、収益は杜甫のものにしてよいというような形。だから穀物の黍や豆の成長を喜んで詩に詠じたときにも、杜甫家のものとも余所のものとも取れるような、どっちつかずの詠み方になっている。
敢辭茅葦漏,已喜黍豆高。
待ち遠しかった雨が茅葦の屋根から漏れ落ちるのだが今は雨を慶び詩に詠おうと思う。間違いなく、この雨によって五穀豊穣が期待できることなのだから喜ぶべきことなのだ。
・辭 言葉に替える。喜びの表現、詩に詠う。
・茅葦漏 大雨で茅屋から雨漏りすること。
・黍豆高 キビと豆、五穀豊穣。
三日無行人,二江聲怒號。
この三日大雨が降り続き、通りを行き交う人の姿がまったく無い。増水した成都を流れる岷江と錦江の二江の、洪水の轟音が聞こえる。
・二江 岷江と錦江。杜甫から見れば草堂付近を流れる濯錦江・錦江と、成都の東側を南流して合流してさらに南流し、長江に灌ぐ成都部分のことを示す。。
・聲怒號 洪水の流れるさまを云う。
流惡邑里清,矧茲遠江皋。
しかし、その流れは、ここの邑里の清を嫌うかのように避けてくれている。ここは、岷江から遠い所にある岸辺であるけれどあわてて洪水対策の準備にとりかかっている。
・邑里清 杜甫が日常生活を過ごす地域、浣花渓村をはじめとする一帯を示す。清澈、清彻 • 清晨 • 清澄な地域。
・矧 敵を見て矢を矧ぐ】てきをみてやをはぐ. 必要にせまられて慌ててその準備に取りかかるたとえ。
・江皋 さわ。きし。水辺の平らな地。 さつき。明るくかわいた陰暦の五月。
荒庭步鸛鶴,隱几望波濤。
大雨で荒れた庭に、雨をさけるように鸛鶴が歩いている。私は、江亭の長椅子に雨を避けて、流れ行く川波濤を眺めているのである。
・鸛鶴 コウノトリの別名
・隱几 江亭の長椅子に雨を避けて休むこと。杜甫の草堂に江亭を作って川の流れを眺める。この詩の一年前同じ場所で眺めている。
『水檻遣心二首其一』
去郭軒楹敞,無村眺望賒。
澄江平少岸,幽樹晚多花。
細雨魚兒出,微風燕子斜。
城中十萬戶。此地兩三家。
水檻遣心二首其一 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 12) 杜甫 <417> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2030
『江 亭』
坦腹江亭暖、長吟野望時。
水流心不競、雲在意倶遅。
寂寂春将晩、欣欣物自私。
故林帰未得、排悶強裁詩。
江亭 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 19) 杜甫 <424> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2065 杜甫詩1000-424-607/1500
『春水』
三月桃花浪,江流複舊痕。
朝來沒沙尾,碧色動柴門。
接縷垂芳餌,連筒灌小園。
已添無數鳥,爭浴故相喧。
春水 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 18) 杜甫 <423> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2060 杜甫詩1000-423-606/1500
(本文) 


入奏行贈西山檢察使竇侍禦

(本文)


臥疾荒郊遠,通行小徑難。
(王掄君は結局は酒を携えてきてくれ、高適君はまた同じようにここに立ち寄ってくれる。みんなで詠うのであるが「寒」の一字を用いて作る。)
(侍御史王掄が酒をもって草堂へくることを承諾していたのについて、此の詩をやり、高適をもついでに呼んで一緒にきてもらいたいといって作った詩。)
晚景孤村僻,行軍數騎來。






(枯柟)

蜀門多椶櫚,高者十八九。




(本文)


