思い起こせば、自分はかって、蓬莱宮において、三代礼の賦を奉ったことがある。あの時は一日の内に自分の名声が光り輝いたことは自分でも不思議に思えるほどであった。また、集賢殿の学士たちは人垣を作って自分が中書堂で文章を書き下ろすのを見物したものだった。』
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制作年: 765年永泰元年54歲
卷別: 卷二二○ 文體: 樂府
杜少陵集 巻十四
詩題: 莫相疑行
大明宮 (京畿道 京兆府 長安) 別名:永安宮、蓬萊宮、含元殿、蓬萊殿
集賢殿 (京畿道 京兆府 長安) 別名:集仙殿
杜甫は、厳武の留守中に幕府での仕事中に若い者たちに侮辱されたことを腹に据えかねて、詩を作っている。以下の七首である。
1.
除草
2.
莫相疑行
3.
三韻三篇,三首之一
4.
三韻三篇,三首之二
5.
三韻三篇,三首之三
6.
青絲
7. 赤霄行
莫相疑行
(厳武の幕府内の年少のものの軽薄な言動に我慢ならない旨を詠ったものは数首あり、そのひとつ)
男兒生無所成頭皓白,牙齒欲落真可惜。
男児に生れてこの方、これといって為すべきことを為さないで白髪頭だけは進み、牙歯が落ちかかっているというのはまことに惜しむべきことである。
憶獻三賦蓬萊宮,自怪一日聲輝赫。
思い起こせば、自分はかって、蓬莱宮において、三代礼の賦を奉ったことがある。あの時は一日の内に自分の名声が光り輝いたことは自分でも不思議に思えるほどであった。
集賢學士如堵牆,觀我落筆中書堂。』
また、集賢殿の学士たちは人垣を作って自分が中書堂で文章を書き下ろすのを見物したものだった。』
#2
往時文彩動人主,此日飢寒趨路旁。
晚將末契託年少,當面輸心背面笑。
寄謝悠悠世上兒,不爭好惡莫相疑。』
莫相疑行
男兒 生れて成す所無く頭皓白,牙齒落ちんと欲して真に惜む可し。
憶う 三賦を獻ず 蓬萊宮,自ら怪しむ 一日 聲 輝赫たるを。
集賢の學士 堵牆【としょう】の如し,觀る我が筆を落す中書堂。
#2
往時 文彩 人主を動かす,此の日 飢寒 路旁に趨る。
晚 末契を將って年少に託し,當面 心を輸し 背面には笑う。
寄謝す 悠悠 世上の兒,好惡を爭わず 相い疑うこと莫れ。
『莫相疑行』 現代語訳と訳註
(本文)#1
莫相疑行
男兒生無所成頭皓白,牙齒欲落真可惜。
憶獻三賦蓬萊宮,自怪一日聲輝赫。
集賢學士如堵牆,觀我落筆中書堂。
(含異文):
男兒生無所成頭皓白【男兒一生無成頭皓白】,牙齒欲落真可惜。
憶獻三賦蓬萊宮,自怪一日聲輝赫【自怪一日聲燀赫】【自怪一日聲烜赫】。
集賢學士如堵牆,觀我落筆中書堂。
(下し文)
(莫相疑行)
男兒 生れて成す所無く頭皓白,牙齒落ちんと欲して真に惜む可し。
憶う 三賦を獻ず 蓬萊宮,自ら怪しむ 一日 聲 輝赫たるを。
集賢の學士 堵牆【としょう】の如し,觀る我が筆を落す中書堂。
(現代語訳)
(厳武の幕府内の年少のものの軽薄な言動に我慢ならない旨を詠ったものは数首あり、そのひとつ)
男児に生れてこの方、これといって為すべきことを為さないで白髪頭だけは進み、牙歯が落ちかかっているというのはまことに惜しむべきことである。
思い起こせば、自分はかって、蓬莱宮において、三代礼の賦を奉ったことがある。あの時は一日の内に自分の名声が光り輝いたことは自分でも不思議に思えるほどであった。
また、集賢殿の学士たちは人垣を作って自分が中書堂で文章を書き下ろすのを見物したものだった。』
(訳注)
莫相疑行 #1
(厳武の幕府内の年少のものの軽薄な言動に我慢ならない旨を詠ったものは数首あり、そのひとつ)
男兒生無所成頭皓白,牙齒欲落真可惜。
男児に生れてこの方、これといって為すべきことを為さないで白髪頭だけは進み、牙歯が落ちかかっているというのはまことに惜しむべきことである。
憶獻三賦蓬萊宮,自怪一日聲輝赫。
思い起こせば、自分はかって、蓬莱宮において、三代礼の賦を奉ったことがある。あの時は一日の内に自分の名声が光り輝いたことは自分でも不思議に思えるほどであった。
獻三賦 天寶九載に作り、十載に行われた進三大禮賦の表のことで,獻納上表,進明主《朝獻太清宮》、《朝享太廟》、《有事於南郊》等の三賦を以っていう。
蓬萊宮 大明宮の旧名。634年(貞観8)に建設。662年(竜朔2)に重建,蓬萊宮と改称し,705年(神竜1)より旧名に復した。含元殿を正殿,丹鳳門を正門とし,含元の北に宣政殿(左右に中書,門下省)や紫宸殿などを配した。
集賢學士如堵牆,觀我落筆中書堂。
また、集賢殿の学士たちは人垣を作って自分が中書堂で文章を書き下ろすのを見物したものだった。』
集賢學士 集賢殿書院の学士。
如堵牆 土塀のように人垣を作ったこと。
落筆 文章をきちんと作り終えたことをいう。
中書堂 中書省の中にある政治堂、試験場をいう。
































