飛びぬけた風景なのでこんな老いぼれになっても驚いてしまう、すべての感情を忘れ去って、ただ平生では味わえぬほどの興味を起す。自分が座っていると歌妓が摺り寄せて座って来るのにまかせるし、音楽と云えば、主催者が命ずるものを演奏するに任せるだけだ
765年永泰元年54歲-31 《宴戎州楊使君東樓》 杜甫index-15 杜甫<831> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4890 杜甫詩1500-831-1149/2500765年永泰元年54歲-31
年: 765年永泰元年54歲
卷別: 卷二二九 文體: 五言律詩
及地點: 戎州 (劍南道北部 戎州 戎州)
東樓 (劍南道北部 戎州 戎州)
交遊人物: 楊使君 當地交遊(劍南道北部 戎州 戎州)
宴戎州楊使君東樓
(戎州の城の東の高殿で、戎州刺史の楊某君が催した宴にあづかった時に詠んだ詩である)
勝絕驚身老,情忘發興奇。
飛びぬけた風景なのでこんな老いぼれになっても驚いてしまう、すべての感情を忘れ去って、ただ平生では味わえぬほどの興味を起す。
座從歌妓密,樂任主人為。
自分が座っていると歌妓が摺り寄せて座って来るのにまかせるし、音楽と云えば、主催者が命ずるものを演奏するに任せるだけだ
重碧拈春酒,輕紅擘荔枝。
新酒で濃い緑の竹筒に入った「春酒」をつまむようにして口元に持って行って飲むと、南国の紅色の荔枝をつよく裂き破ってつまみにする。
樓高欲愁思,橫笛未休吹。
この楼の高さは怖さやら愁いやらの思いが起こって来るのに、橫笛の演奏は未だに休むことなく吹き続けている。
(戎州の楊使君が東樓に宴す)
勝 絕えて身の老ゆるに驚き,情 忘れて興の奇なるを發す。
座は 歌妓の密なるに從し,樂は 主人の為さしむるに任す。
重碧の春酒を拈【ひね】り,輕紅の荔枝を擘【やぶ】る。
樓高くして 愁思せんと欲し,橫笛 未だ吹くことを休めず。
『宴戎州楊使君東樓』 現代語訳と訳註
(本文)
宴戎州楊使君東樓
勝絕驚身老,情忘發興奇。
座從歌妓密,樂任主人為。
重碧拈春酒,輕紅擘荔枝。
樓高欲愁思,橫笛未休吹。
(含異文)
勝絕驚身老,情忘發興奇。
座從歌妓密,樂任主人為。
重碧拈春酒【重碧拈筒酒】【重碧酤春酒】【重碧酤筒酒】【重碧擎春酒】【重碧擎筒酒】【重碧拓春酒】【重碧拓筒酒】,輕紅擘荔枝。
樓高欲愁思,橫笛未休吹。
(下し文)
飛びぬけた風景なのでこんな老いぼれになっても驚いてしまう、すべての感情を忘れ去って、ただ平生では味わえぬほどの興味を起す。
自分が座っていると歌妓が摺り寄せて座って来るのにまかせるし、音楽と云えば、主催者が命ずるものを演奏するに任せるだけだ
(現代語訳)
(戎州の城の東の高殿で、戎州刺史の楊某君が催した宴にあづかった時に詠んだ詩である)
飛びぬけた風景なのでこんな老いぼれになっても驚いてしまう、すべての感情を忘れ去って、ただ平生では味わえぬほどの興味を起す。
自分が座っていると歌妓が摺り寄せて座って来るのにまかせるし、音楽と云えば、主催者が命ずるものを演奏するに任せるだけだ
新酒で濃い緑の竹筒に入った「春酒」をつまむようにして口元に持って行って飲むと、南国の紅色の荔枝をつよく裂き破ってつまみにする。
この楼の高さは怖さやら愁いやらの思いが起こって来るのに、橫笛の演奏は未だに休むことなく吹き続けている。
(訳注)
宴戎州楊使君東樓
(戎州の城の東の高殿で、戎州刺史の楊某君が催した宴にあづかった時に詠んだ詩である)
○戎州 劍南道北部 戎州宜賓縣、嘉州より下流、この地点で雲南より下ってきた長江本流に合流、渝州に向って下る。
○楊使君 戎州刺史楊某、使君は刺史の敬称。
○東樓 劍南道北部 戎州(宜賓縣)城の東樓。
勝絕驚身老,情忘發興奇。
飛びぬけた風景なのでこんな老いぼれになっても驚いてしまう、すべての感情を忘れ去って、ただ平生では味わえぬほどの興味を起す。
○勝絕 他にはない景勝地。
○情忘 苦楽の情を忘れる。
○發興奇 風流の中でも最高のものをいう。
座從歌妓密,樂任主人為。
自分が座っていると歌妓が摺り寄せて座って来るのにまかせるし、音楽と云えば、主催者が命ずるものを演奏するに任せるだけだ
○密 密着してくる。
○樂 音楽。
重碧拈春酒,輕紅擘荔枝。
新酒で濃い緑の竹筒に入った「春酒」をつまむようにして口元に持って行って飲むと、南国の紅色の荔枝をつよく裂き破ってつまみにする。
○重碧 濃い青竹に入れている酒で、春に搾りたての新酒。長安新豊の新酒は口広の甕で油紙で、黄色いひもで縛っている。高温で焼いた瓶でこい茶色。緑色の酒という解釈をしている書物もあるが、間違い。
○拈 酒を絞り出すこと、つくり出すこと。【拈る】ひねる. 物を指先などでねじる。 体の一部をねじり回す。「足を拈った」; 簡単に負かす。ここでは、盃はワイングラスのような形の銀製で作られるので右手でつまむようにして口元に持って行くと左手で隠しながら飲むので、盃をひねるようにして飲むことをいう。
○擘 勢いよく突き破る。つよく裂き破る。
樓高欲愁思,橫笛未休吹。
この楼の高さは怖さやら愁いやらの思いが起こって来るのに、橫笛の演奏は未だに休むことなく吹き続けている。
○樓高欲愁思 高所恐怖症で、こわい思いがしてくる。

































