杜甫《狂歌行贈四兄》-2 今年になって、この従兄は、私が成都を旅だったことを知らせると、嘉州まで来てくれて落ち合ったのだ、というのも、嘉州は、酒が十分に芳醇で色濃く、花は楼閣の辺りには咲き誇っているからだ。
765年永泰元年54歲-61-2 《草堂逸詩拾遺。狂歌行贈四兄【短歌行贈四兄】》 杜甫index-15 杜甫<861-#2> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5045
杜甫詩1500-861-#2-1180/2500765年永泰元年54歲-61-2
草堂逸詩拾遺。狂歌行贈四兄【短歌行贈四兄】
年:765年永泰元年54歲
卷別: 卷二三四 文體: 樂府
杜少陵集 巻十四
詩題: 狂歌行贈四兄【短歌行贈四兄】【案:草堂逸詩拾遺。】
作地點: 嘉州(劍南道北部 / 嘉州 / 嘉州)
及地點:
長安 (京畿道 京兆府 長安) 別名:京、京兆、京師、京畿、西都
嘉州 (劍南道北部 嘉州 嘉州)
交遊人物:四兄
狂歌行贈四兄
與兄行年校一歲,賢者是兄愚者弟。
兄將富貴等浮雲,弟切功名好權勢。
長安秋雨十日泥,我曹鞴馬聽晨雞。
公卿朱門未開鎖,我曹已到肩相齊。
(古い時代の志が高く小事こととしないものが戯れで作ったように戯れて作った詩を従兄に贈る。)
我が四兄と、私が経過した年齢を比べてみるとたった一つ違いであるが、賢いのはというと決まって兄の方で、おろかなのは弟というものである。
そして兄は富貴を浮雲のように軽いものと考えており、弟は巧名を狙って権勢を得ることを好んでいるというものだ。
長安の秋の雨の時には十日もぬかるみが乾かない、その時、我々は朝の鶏の鳴き声を聞いてから、馬に跨って出かける用意をする。
高級官僚、公卿はその邸宅の朱門をまだ明けないうちから、中堅以下の者たちは到着して、列を作って肩を揃えているのである。
吾兄睡穩方舒膝,不襪不巾蹋曉日。
男啼女哭莫我知,身上須繒腹中實。
今年思我來嘉州,嘉州酒重花繞樓。
樓頭喫酒樓下臥,長歌短詠還相酬。
その頃従兄は、穏やかに眠っていてまさに膝が伸びたままだった、それから、足袋も履かず、頭巾もかぶらず朝日を受けて、のっそのっそと散歩する。
男の子が泣き、女の子が泣きじゃくるということについて、我々は、ほとんどそのわけを知ろうとはしないけれど、彼等の身には、服を着せてやらねばならないし、腹の中に一杯になるまで食わしてやらねばならない。
今年になって、この従兄は、私が成都を旅だったことを知らせると、嘉州まで来てくれて落ち合ったのだ、というのも、嘉州は、酒が十分に芳醇で色濃く、花は楼閣の辺りには咲き誇っているからだ。
楼閣の辺りで喫酒して、楼閣の軒下で眠る、そうして起きれば酒を呑み、自分と長歌短詠のやり取りをするのである。
四時八節還拘禮,女拜弟妻男拜弟。
幅巾鞶帶不挂身,頭脂足垢何曾洗。
吾兄吾兄巢許倫,一生喜怒長任真。
日斜枕肘寢已熟,啾啾唧唧為何人。
(狂歌行 四兄に贈る)
兄と行年 校するに一歲,賢者は是れ兄 愚者は弟。
兄は富貴を將って浮雲に等しくし,弟は功名を切にし 權勢を好む。
長安 秋雨 十日泥あり,我が曹 馬を鞴【よそお】いて晨雞を聽く。
公卿の朱門 未だ鎖を開かず,我が曹 已に到りて 肩相い齊【そろ】う。
吾が兄 睡り穩やかにして方に膝を舒ぶ,襪せず 巾せず 曉日を蹋む。
男啼き 女哭するも 我 知ること莫し,身上には 繒を須ち 腹中には實を。
今年 我を思うて嘉州に來り,嘉州は 酒 重くして 花 樓を繞る。
樓頭 酒を喫して 樓の下 臥し,長歌 短詠 還た相いに酬ゆ。
四時 八節 還た禮に拘わり,女は 弟が妻を拜し 男は弟を拜す。
幅巾 鞶帶 身に挂けず,頭には脂らつき 足には垢つくも 何ぞ曾て洗わん。
吾が兄 吾が兄 巢許の倫【ともがら】,一生 喜怒 長く真に任す。
日斜に 肘を枕にして寢るは已に熟す,啾啾 唧唧【しょくしょく】たるは何人か為さん。
『狂歌行贈四兄』 現代語訳と訳註解説
(本文)
吾兄睡穩方舒膝,不襪不巾蹋曉日。
男啼女哭莫我知,身上須繒腹中實。
今年思我來嘉州,嘉州酒重花繞樓。
樓頭喫酒樓下臥,長歌短詠還相酬。
(含異文)
吾兄睡穩方舒膝,不襪不巾蹋曉日。
男啼女哭莫我知,身上須繒腹中實。
今年思我來嘉州,嘉州酒重花繞樓【嘉州酒重花滿樓】【嘉州酒香花繞樓】【嘉州酒香花滿樓】。
樓頭喫酒樓下臥,長歌短詠還相酬【長歌短歌還相酬】。
(下し文)
吾が兄 睡り穩やかにして方に膝を舒ぶ,襪せず 巾せず 曉日を蹋む。
男啼き 女哭するも 我 知ること莫し,身上には 繒を須ち 腹中には實を。
今年 我を思うて嘉州に來り,嘉州は 酒 重くして 花 樓を繞る。
樓頭 酒を喫して 樓の下 臥し,長歌 短詠 還た相いに酬ゆ。
(現代語訳)
その頃従兄は、穏やかに眠っていてまさに膝が伸びたままだった、それから、足袋も履かず、頭巾もかぶらず朝日を受けて、のっそのっそと散歩する。
男の子が泣き、女の子が泣きじゃくるということについて、我々は、ほとんどそのわけを知ろうとはしないけれど、彼等の身には、服を着せてやらねばならないし、腹の中に一杯になるまで食わしてやらねばならない。
今年になって、この従兄は、私が成都を旅だったことを知らせると、嘉州まで来てくれて落ち合ったのだ、というのも、嘉州は、酒が十分に芳醇で色濃く、花は楼閣の辺りには咲き誇っているからだ。
楼閣の辺りで喫酒して、楼閣の軒下で眠る、そうして起きれば酒を呑み、自分と長歌短詠のやり取りをするのである。
(訳注)
狂歌行贈四兄
(古い時代の志が高く小事こととしないものが戯れで作ったように戯れて作った詩を従兄に贈る。)
狂歌行 古い時代の志が高く小事こととしないものが戯れに作った詩。
四兄 四は排行、兄はいとこ関係にある人物。
吾兄睡穩方舒膝,不襪不巾蹋曉日。
その頃従兄は、穏やかに眠っていてまさに膝が伸びたままだった、それから、足袋も履かず、頭巾もかぶらず朝日を受けて、のっそのっそと散歩する。
襪 足袋。
巾 ずきん。
蹋 朝日を受けて、のっそのっそと散歩する。
男啼女哭莫我知,身上須繒腹中實。
男の子が泣き、女の子が泣きじゃくるということについて、我々は、ほとんどそのわけを知ろうとはしないけれど、彼等の身には、服を着せてやらねばならないし、腹の中に一杯になるまで食わしてやらねばならない。
須繒 服を着せてやる必要がある。
腹中實 腹の中に一杯になるまで食わしてやらねばならない。
今年思我來嘉州,嘉州酒重花繞樓。
今年になって、この従兄は、私が成都を旅だったことを知らせると、嘉州まで来てくれて落ち合ったのだ、というのも、嘉州は、酒が十分に芳醇で色濃く、花は楼閣の辺りには咲き誇っているからだ。
今年 765年永泰元年、杜甫54歲。
嘉州 四川省嘉定府楽山縣治。劍南道北部 / 嘉州揵爲郡
酒重 醸造期間の長い酒で色が濃くなる、楽山の酒である。酒が十分に芳醇で色濃い。
樓頭喫酒樓下臥,長歌短詠還相酬。
楼閣の辺りで喫酒して、楼閣の軒下で眠る、そうして起きれば酒を呑み、自分と長歌短詠のやり取りをするのである。
喫酒 酒を啜る。酒を肴で飲む。酒を呑む。























