巳上人茅粛 杜甫 紀頌之の漢詩ブログ杜甫詩 特集  8 
開元29年741年 30歳
巳上人の茅斎にて遊んだ時で作った詩。
五言律詩。

巳上人茅齋
巳上人のかやぶきの書斎にて。
巳公茅屋下,可以賦新詩。
巳上人の家内の書齋において、このようなところだといい詩をあらたにつくることができる。
枕簟入林僻,茶瓜留客遲。
巳上人は奥まった林中に客を導いて、高筵の上で寝させてくれ、そのうえ茶とか瓜とかを出され、長居をさせてくれられる。
江蓮搖白羽,天棘蔓青絲。
庭に目をやると江南の蓮の花が白い羽のように揺らいでいて、天門冬の葉と蔓が青いとのように絡まり下がっている。
空忝許詢輩,難酬支遁詞。

私ごときに許詢が拝したようにもてなされておられるが、支遁のような巳上人の詞にまだまだ、報いることはおこがましいと思っております。


巳上人のかやぶきの書斎にて。
巳上人の家内の書齋において、このようなところだといい詩をあらたにつくることができる。
巳上人は奥まった林中に客を導いて、高筵の上で寝させてくれ、そのうえ茶とか瓜とかを出され、長居をさせてくれられる。
庭に目をやると江南の蓮の花が白い羽のように揺らいでいて、天門冬の葉と蔓が青いとのように絡まり下がっている。
私ごときに許詢が拝したようにもてなされておられるが、支遁のような巳上人の詞にまだまだ、報いることはおこがましいと思っております。


巳上人茅齋  巳上人は未詳。巳は姓の一字をとったもの。悟りを開いたものを上人という。上人は聖人の次。。僧を敬っていったもの。・茅斉:かやぶきの書斎。

巳公茅屋下、可以賦新詩
巳上人の家内の書齋において、このようなところだといい詩をあらたにつくることができる。
 つくること。

枕簟入林僻、茶瓜留客遲。
巳上人は奥まった林中に客を導いて、高筵の上で寝させてくれ、そのうえ茶とか瓜とかを出され、長居をさせてくれられる。
枕簟 簟はたかむしろ。・人林僻 僻はかたよる、奥にひっこんでいる処をいう。僻の字は林の字へかかる。
遅 久しいことをいう。時間の経過。

江蓮搖白羽、天棘蔓青絲。
庭に目をやると江南の蓮の花が白い羽のように揺らいでいて、天門冬の葉と蔓が青いとのように絡まり下がっている。
江連  江南産の蓮。洛陽や山東省あたりのハスと違ったのであろう。・白羽:蓮花のしろいのをたとえていう。
天棘また麒棟という、天門冬のことであるという。 ・:はびこる、つるになってさがる。青糸葉の細く散じているのをたとえていう。

空忝許詢輩、難酬支遁詞。
私ごときに許詢が拝したようにもてなされておられるが、支遁のような巳上人の詞にまだまだ、報いることはおこがましいと思っております。
空黍 空とは徒らに、忝とは先方をけがすという敬語。○許詢、支遁 許は俗人、支は僧。共に晋の世の人で親交があり、許を自分に置き換えて、支を以て巳上人に此したもの。 ・ ただ言語をいうのではなく、必ずや上人が示した詩をさしていったものであろう


○韻 詩、遅、絲、詞。


(下し文)巳上人みしょうにんの茅斎ほうさい
巳公茅屋の下 以て新詩を賦す可し
枕簟ちんぜん林の僻なるに入り 茶 瓜 客を留むること遅し
江連 白羽 揺ぎ 天棘てんきょく 青絲 蔓る
空しく許詢きょじゅんが輩を 黍かたじけなくするも 支遁しとんが詞に酬い難し