陪鄭広文遊何将軍山林十首 其七 杜甫 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 61

753年天宝12載 42歳  五言律詩


陪鄭広文遊何将軍山林十首 其七
棘樹寒雲色,茵蔯春藕香。
からたちは冬の寒々とした雲の色をしており、よもぎは春の蓮根の香りがするものだ。
脆添生菜美,陰益食單涼。
よもぎのとけるようなうまみは他の生野菜につけ加わっている、からたちのかげは料理の涼しさをましている。
野鶴清晨出,山精白日藏。
野そだちの鶴が清らかな朝になると出あるいている、山の妖精は太陽の光に姿をかくしてしまう。
石林蟠水府,百裡獨蒼蒼。

石柱の林のように立ち、水底の都にまでその石である、その向こう百里のかなたにまであおぐろく続いている。


からたちは冬の寒々とした雲の色をしており、よもぎは春の蓮根の香りがするものだ。
よもぎのとけるようなうまみは他の生野菜につけ加わっている、からたちのかげは料理の涼しさをましている。
野そだちの鶴が清らかな朝になると出あるいている、山の妖精は太陽の光に姿をかくしてしまう。
石柱の林のように立ち、水底の都にまでその石である、その向こう百里のかなたにまであおぐろく続いている。
からたちは冬の寒々とした雲の色をしており、よもぎは春の蓮根の香りがするものだ。
よもぎのとけるようなうまみは他の生野菜につけ加わっている、からたちのかげは料理の涼しさをましている。
野そだちの鶴が清らかな朝になると出あるいている、山の妖精は太陽の光に姿をかくしてしまう。
石柱の林のように立ち、水底の都にまでその石である、その向こう百里のかなたにまであおぐろく続いている。



棘樹 寒雲の色   茵蔯 春藕のごと香し
脆は生菜の美を添え 陰は食単の涼を益す
野鶴は清晨に出で  山精は白日に蔵る
石林は水府に蟠り  百里 独り蒼蒼



山があってその上に棘が叢生している。作者はその下で朝食したときのありさまを叙したもの。



棘樹寒雲色,茵蔯春藕香。
からたちは冬の寒々とした雲の色をしており、よもぎは春の蓮根の香りがするものだ。
棘樹:(きょくじゅ) 白色のものが[木束](カラタチ)、赤色のものが[木夷](スミ)である。 ○寒雲色  冬の雲のように寒々とした色、これは樹色を見たてていうもの。 ○茵蔯:(いんちん) 蓬(ヨモギ)のことという、根をたべる。○春藕香:(しゅんぐう かんばし) 藕は蓮根、これも茵蔯をたとえていう。 
 

脆添生菜美,陰益食單涼。
よもぎのとけるようなうまみは他の生野菜につけ加わっている、からたちのかげは料理の涼しさをましている。
 とけるようなうまみ。 ○生菜 なまの野菜、即ち茵蔯をいう。 ○美 うまいこと、此の句は第二句を承ける。 ○陰 かげ。からたち(樹のかげ。) ○食単 単は布単のことという、食事のとき地にしく布のこと。 



野鶴清晨出,山精白日藏。
野そだちの鶴が清らかな朝になると出あるいている、山の妖精は太陽の光に姿をかくしてしまう。
野鶴 たず。野育ちの鶴。○清晨:(せいしん) すんだあさのあいだ。 ○ 現れでる。 ○山精 山のおばけ、人の形をして一本足を有し、身のたけは三四尺、山の蟹を食い、夜は出て昼は蔵れるものという。



石林蟠水府,百裡獨蒼蒼。
石柱の林のように立ち、水底の都にまでその石である、その向こう百里のかなたにまであおぐろく続いている。
石林 石が叢生して林の如くになっているものをいう。案ずるにこれは即ち椀(或は辣)樹の生えている地のことであろう。 ○:(わだかまる) 山の根もとが水底にまではびこることをいう。 ○水府 水底の世界、竜宮の類。 ○百里 遠方より望むことをいう。○独この石林だけ。○蒼蒼 あおあお、上に樹叢が生えているためである。



○韻  香・涼・蔵・蒼。