重過何氏五首 其三 杜甫 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 70
(就職活動中 長安郊外 杜曲の家)


重過何氏五首 其三
落日平台上、春風啜茗時。
平らな露台の上を落日が染める、春風に吹かれ、新茶をすする至福の時である。
石欄斜点筆、桐葉坐題詩。
石の欄干においてある硯に斜めに筆を下ろし、桐の葉に坐ったまま詩を書きつける。
翡翠鳴衣桁、蜻蜓立釣糸。
かわせみが庭先に置かれた着物掛けに飛んできて鳴いており、とんぼが池に垂れた釣り糸にきてとまっている。
自今幽興熱、来往亦無期。

今からは自然の興趣にも十分慣れてきた、心ゆくままに山荘の中を散策しようとおもったのだ。


平らな露台の上を落日が染める、春風に吹かれ、新茶をすする至福の時である。
石の欄干においてある硯に斜めに筆を下ろし、桐の葉に坐ったまま詩を書きつける。
かわせみが庭先に置かれた着物掛けに飛んできて鳴いており、とんぼが池に垂れた釣り糸にきてとまっている。
今からは自然の興趣にも十分慣れてきた、心ゆくままに山荘の中を散策しようとおもったのだ。



落日 平台の上、春風 茗を啜る時。
石欄 斜めに筆を点じ、桐葉 坐して詩を題す。
翡翠は衣桁に鳴き、蜻蜓は釣糸に立つ。
今日り幽興熟さん、来往も亦た期無し。



落日平台上、春風啜茗時。
平らな露台の上を落日が染める、春風に吹かれ、新茶をすする至福の時である。
平台 庭園の中に盛り土して築かれた露台。○啜茗 新茶を茶といい、晩く採った茶を著という。茶が噂好品として用いられるようになったのは、このころからである。○ 至福の時。



石欄斜点筆、桐葉坐題詩。
石の欄干においてある硯に斜めに筆を下ろし、桐の葉に坐ったまま詩を書きつける。
石欄 石の手摺。その上に硯をおく。



翡翠鳴衣桁、蜻蜓立釣糸。
かわせみが庭先に置かれた着物掛けに飛んできて鳴いており、とんぼが池に垂れた釣り糸にきてとまっている。
翡翠 かわせみ。水辺に棲む小鳥で、全身に青黄色の美しい羽毛をもつ。○衣桁 着物などをかけて置く家具。○蜻蜓 とんぼ。



自今幽興熟、来往亦無期。
今からは自然の興趣にも十分慣れてきた、心ゆくままに山荘の中を散策しようとおもったのだ。
幽興熟  一人静かな自然の興趣に十分慣れてきた。熟はこの園になれたこと。 ○来往 自分の家とこの園とを行ったり来たりすること。  ○無期 定まった期限のないこと。 期は約束ごと。



○韻  時、詩、糸、期。