重過何氏五首 其五 杜甫 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 72
(就職活動中 長安郊外 杜曲の家)

 其の五の詩で、杜甫の生活の困窮したようすが語られる。延恩匭に三度も賦と表(上書)を投じたけれども、宮中からは何の音沙汰もない。杜甫は微禄でもいいから何とか禄にありついて、故郷の鞏県か陸渾荘にもどって土に親しむ生活をするのもいいと思ったりする。何をやってもうまくいかないときは行かないものである。朝廷がまともでない状態で官僚たちの間に、不満と不安が渦巻いていた。

754年天宝13載43歳 

重過何氏五首  其五
到此應常宿、相留可判年。
此の園へ来てから自分はいっでもここに宿泊するのである、将軍から引止められれば一年でも費すことができるのだ(しかしそんなにいつまでも居られるはずもない)。
蹉跎暮容色、悵望好林泉。
今うまく志を得ないので晩年の容色についてもよくはないだろう、ここを去ろうとしてみるとうらめしくこの大好きな庭園を眺めてしまう。
何日霑微祿、歸山買薄田。
いつになったら少しばかりの官禄にありついて故郷の山へかえって痩せ田地でも買うことができるのか。
斯遊恐不遂、把酒意茫然。

このような遊びは恐らくはなしとげることができないかもしれない。だから酒杯を手にしてはいるが先のことを考えるとただぼんやりして何も考えられない。いる。


此の園へ来てから自分はいっでもここに宿泊するのである、将軍から引止められれば一年でも費すことができるのだ(しかしそんなにいつまでも居られるはずもない)。
今うまく志を得ないので晩年の容色についてもよくはないだろう、ここを去ろうとしてみるとうらめしくこの大好きな庭園を眺めてしまう。
いつになったら少しばかりの官禄にありついて故郷の山へかえって痩せ田地でも買うことができるのか。
このような遊びは恐らくはなしとげることができないかもしれない。だから酒杯を手にしてはいるが先のことを考えるとただぼんやりして何も考えられない。いる。



重ねて何氏に過る 五首 其の五
此(ここ)に到っては応(まさ)に常に宿すべく
相い留(とど)めらるれば年を判(す)つ可し
蹉跎(さた)たる暮(くれ)の容色(ようしょく)
悵望(ちょうぼう)す  好林泉(こうりんせん)
何の日か微禄(びろく)に霑(うるお)い
山に帰りて薄田(はくでん)を買わん
斯(こ)の遊び  恐らくは遂げざらん
酒を把(と)りて意(い)は茫然(ぼうぜん)たり





この欝は此の園に別れようとするこころをのべる。之によれば作者は長安を辞して河南の方へかえろうとする意が動きつつあるのを見る。其の別れの情の深いことを知ることができよう。



到此應常宿、相留可判年。
此の園へ来てから自分はいっでもここに宿泊するのである、将軍から引止められれば一年でも費すことができるのだ(しかしそんなにいつまでも居られるはずもない)。
 園をさす。○常宿 いつもとまる。○相留 こちらを引きとめること。○判年 判は拚に通じ、拚はすてること。拚年とは一年の久しきをすてさることをいう。



蹉跎暮容色、悵望好林泉。
今うまく志を得ないので晩年の容色についてもよくはないだろう、ここを去ろうとしてみるとうらめしくこの大好きな庭園を眺めてしまう。
蹉跎 つまずくさま、失意のさま。○ 暮年、老年をいう。作者は今年四十三歳である。○容色 すがた、かおつき。○恨望 うらめしそうにながめる。○好林泉 将軍のこの園をさす。



何日霑微祿、歸山買薄田。
いつになったら少しばかりの官禄にありついて故郷の山へかえって痩せ田地でも買うことができるのか。
罵微 禄官に仕えてすこしばかりの俸禄にありつく。零はその恩典にうるおうことをいう。○帰山 山は故郷の山をいう。○薄田 地味のよくない田地。



斯遊恐不遂、把酒意茫然
このような遊びは恐らくはなしとげることができないかもしれない。だから酒杯を手にしてはいるが先のことを考えるとただぼんやりして何も考えられない。
斯遊 この山林でのあそび。○不遂 なしとげることができぬ。○把酒 酒杯をとる。○茫然 ぼんやり。