陪諸貴公子丈八溝携妓納涼晩際遇雨二首其一 杜甫 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 73
754年天宝13載43歳

 
杜甫はで可能な限り交際の輪を広げたいと願っていた。就職活動でもあるが、大家族を養っていくためには、貴公子たちの納涼、舟遊びの場にも出かけた。好んでいくわけではない。またよく雨に出くわすものだ。詩は出発の準備の様子である。

長安近郊図


陪諸貴公子丈八溝携妓納涼晩際遇雨二首
其一
もろもろの貴公子たちに陪伴して丈八溝で芸妓をたずさえて涼をとり、暮がたちかく雨にであったときの作二首の其の一。
落日放船好、軽風生浪遅。
日の落ちかかるころ船を繰り出すというのはなかなかよいものだ、軽やかな風が吹いてきて浪の発生もゆったりしていいものだ。
竹深留客処、荷浄納涼時。
岸辺には竹がふかく生いしげっていて夕日を遮り、賓客を留めておく的確な場所だ、荷花がきよらかにさいている、納涼には最適の時期となっている。
公子調氷水、佳人雪藕糸。
貴公子たちは冷飲料を用意している、妓女たちは蓮根を洗い流して、白くきれいにしている。
片雲頭上黒、応是雨催詩。

そのうちちぎれ雲が頭の上でまっくろに見えて来たが、これは天の神が雨を降らせるのか、早く詩を作れと催促されているのである。


もろもろの貴公子たちに陪伴して丈八溝で芸妓をたずさえて涼をとり、暮がたちかく雨にであったときの作二首の其の一。
日の落ちかかるころ船を繰り出すというのはなかなかよいものだ、軽やかな風が吹いてきて浪の発生もゆったりしていいものだ。
岸辺には竹がふかく生いしげっていて夕日を遮り、賓客を留めておく的確な場所だ、荷花がきよらかにさいている、納涼には最適の時期となっている。
貴公子たちは冷飲料を用意している、妓女たちは蓮根を洗い流して、白くきれいにしている。

そのうちちぎれ雲が頭の上でまっくろに見えて来たが、これは天の神が雨を降らせるのか、早く詩を作れと催促されているのである。



諸貴公子に陪して、丈八溝に妓を携えて涼を納(いるる)、晩際に 雨に遇う 二首  其の一
落日  船を放つに好(よろ)しく、軽風  浪(なみ)を生ずること遅かりし。
竹は深くし  客を留(とど) まる処、荷(はす)は浄(きよ)し  涼(りょう)を納(いるる)の時。
公子は氷水(ひょうすい)を調(ととの)え、佳人(かじん)は藕糸(ぐうし)を雪(ぬぐ)う。
片雲(へんうん)  頭上(ずじょう)に黒(くろし)、応(まさ)に 是(これ)  雨の詩を催(うなが)す なるべし。





陪諸貴公子丈八溝携妓納涼晩際遇雨二首其一
もろもろの貴公子たちに陪伴して丈八溝で芸妓をたずさえて涼をとり、暮がたちかく雨にであったときの作二首の其の一。
丈八溝 はりわりの名。天宝元年に韋堅の作ったもので下杜城の西にあるという、少陵より遠くない処と思われる。○晩際 くれまぢか。



落日放船好、軽風生浪遅。
日の落ちかかるころ船を繰り出すというのはなかなかよいものだ、軽やかな風が吹いてきて浪の発生もゆったりしていいものだ。
生浪遅 遅とはそろそろと浪をおこすことをいう。



竹深留客処、荷浄納涼時。
岸辺には竹がふかく生いしげっていて夕日を遮り、賓客を留めておく的確な場所だ、荷花がきよらかにさいている、納涼には最適の時期となっている。
 陸上の物。○荷浄 この荷ははすの花は、妓女たちに比較して清らかである。蓮の花は女性自身を示す言葉としてよく登場する。ここでは、貴公子たち、妓女たちに比較して浄を使う。



公子調氷水、佳人雪藕糸。
貴公子たちは冷飲料を用意している、妓女たちは蓮根を洗い流して、白くきれいにしている。
調泳水 冰水をこしらえること、冷飲料を用意する。○佳人 美人、即ち妓女。○ 拭うこと。あらいながして、白くする。○藕糸 蓮根のいとすじ、これは食物。



片雲頭上黒、応是雨催詩。
そのうちちぎれ雲が頭の上でまっくろに見えて来たが、これは天の神が雨を降らせるのか、早く詩を作れと催促されているのである。
片雲 ちぎれ雲。ここは入道雲であろう。



○韻  遅、時、糸、詩。
好き好んできた舟遊びではないといわんばかり、早く詩を作って、酒を飲もうというのか。