陪諸貴公子丈八溝携妓納涼晩際遇雨二首其二 杜甫 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 74
754年天宝13載43歳



陪諸貴公子丈八溝携妓納涼晩際遇雨二首
其二
雨来霑席上、風急打船頭。
夕立がやってきて席上をぬらしてしまった、突風が吹いて船のへさきをまよわせ打ってしまった。
越女紅裙湿、燕姫翠黛愁。
越の妓女は紅のはかまをぬらして困り顔、燕姫は眉根にしわをよせて愁い顔になった。
艫侵堤柳繋、幔卷浪花浮。
船をさまよわさぬように艫綱で堤上の柳へかけてつなぎつける。狼しぶきが花のようにちるので幔幕はすっかり巻きあげた。
帰路翻蕭颯、陂塘五月秋。

夕立で一時はおおさわざをしたけど、帰りみちはかえってさっぱりした感じだ。船のすすむ池堤には五月なのに秋のようなすずしさがただよった。


夕立がやってきて席上をぬらしてしまった、突風が吹いて船のへさきをまよわせ打ってしまった。
越の妓女は紅のはかまをぬらして困り顔、燕姫は眉根にしわをよせて愁い顔になった。
船をさまよわさぬように艫綱で堤上の柳へかけてつなぎつける。狼しぶきが花のようにちるので幔幕はすっかり巻きあげた。
夕立で一時はおおさわざをしたけど、帰りみちはかえってさっぱりした感じだ。船のすすむ池堤には五月なのに秋のようなすずしさがただよった。


諸貴公子に陪して、丈八溝に妓を携えて涼を納(いるる)、晩際に 雨に遇う 二首  其の二
雨 来たって席上を霑(うるお)し、風 急にして船頭(せんとう)を打つ。
越女(えつじょ) 紅裙(こうくん)湿(うるお)い、燕姫(えんき)翠黛(すいたい)愁(うれ)う。
艫(ともずな)は堤柳(ていりゅう)を侵して繋(か)け、幔(まん)は浪花(ろうか)を卷いて浮かぶ。
帰路(きろ) 翻(かえ)って蕭颯(しょうさつ)、陂塘(ひとう)  五月 秋なり



雨来霑席上、風急打船頭。
夕立がやってきて席上をぬらしてしまった、突風が吹いて船のへさきをまよわせ打ってしまった。
船頭 へさき。



越女紅裙湿、燕姫翠黛愁。
越の妓女は紅のはかまをぬらして困り顔、燕姫は眉根にしわをよせて愁い顔になった。
越女 浙江省の女。○ はかま。○燕姫 河北省の女。越は南、燕は北、つまり諸国の美妓をそろえたということである。○翠黛 みどりのかきまゆ。
 

艫侵堤柳繋、幔卷浪花浮。
船をさまよわさぬように艫綱で堤上の柳へかけてつなぎつける。狼しぶきが花のようにちるので幔幕はすっかり巻きあげた。
○艫侵 船をただよわさぬようにするための艫綱(ともづな) ○ 船にはったまんまく。○浪花 なみの花。

帰路翻蕭颯、陂塘五月秋。
夕立で一時はおおさわざをしたけど、帰りみちはかえってさっぱりした感じだ。船のすすむ池堤には五月なのに秋のようなすずしさがただよった。
蕭颯 さっぱりしたさま。○陂塘 陂と塘どちらも、いけ、づつみを意味する語。〇五月秋 五月の時節で秋のようにすずしい気候。