奉陪鄭駙馬韋曲二首其一 杜甫 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 75

奉陪鄭駙馬韋曲二首鄭潜曜に陪従して韋曲に遊んだことを詠う。
754年天宝13載 43歳、春の詩。

其一
韋曲花無頼、家家悩殺人。
韋曲には春になると男を誘い、媚を売ろうとする女が花咲くように集まっている、そこにある家々ではわけのわからない人が増えるし、その女たちの姿を看る人を非常になやますのである。
淥樽須盡日、白髪好禁春。
清酒を盛った樽を相手として一日を暮らしたい、自分のような白髪の老人にとってこんな春にあたっていいことばかりだ。
石角鈎衣破、藤梢刺眼新。
酔っぱらって句ると石の角で衣がひっかかり破れたり、こづらにくくも藤の梢のわかい蔓が私の眼を指すかのように新芽を出している。
何時占叢竹、頭戴小烏巾。

いつになったら自分もこんな竹やぶのある家を所有して、頭に烏紗帽とか、平巾幘でもいただける身分になることができるだろうか。



韋曲には春になると男を誘い、媚を売ろうとする女が花咲くように集まっている、そこにある家々ではわけのわからない人が増えるし、その女たちの姿を看る人を非常になやますのである。
清酒を盛った樽を相手として一日を暮らしたい、自分のような白髪の老人にとってこんな春にあたっていいことばかりだ。
酔っぱらって句ると石の角で衣がひっかかり破れたり、こづらにくくも藤の梢のわかい蔓が私の眼を指すかのように新芽を出している。
いつになったら自分もこんな竹やぶのある家を所有して、頭に烏紗帽とか、平巾幘でもいただける身分になることができるだろうか。



(鄭鮒馬に韋曲に陪し奉る二首)
韋曲花無頼なり 家家人を悩殺す
緑樽須らく日を尽すべし 白髪好し春に禁る
石角衣を鈎して破る 藤柏眼を刺して新なり
何の時か叢竹を占めて 頭に戴かん小鳥巾
 



奉陪鄭駙馬韋曲二首
鄭潜曜に陪従して韋曲に遊んだことを詠う二首。
鄭鮒馬 駙馬都尉鄭潜曜、前に「鄭駙馬宅宴洞中」に見えた。




韋曲花無頼、家家悩殺人。
韋曲には春になると男を誘い、媚を売ろうとする女が花咲くように集まっている、そこにある家々ではわけのわからない人が増えるし、その女たちの姿を看る人を非常になやますのである。
韋曲 長安城南の樊川にそっている杜曲とならぶ名勝地。○無頼 あてにならぬことをいうのだが、全国から商売女が集まってきていて、男を誘い、媚を売ろうとする。○悩殺 非常になやます。愛するこの極み、なやむことをいう。

長安の近郊


淥樽須盡日、白髪好禁春。
清酒を盛った樽を相手として一日を暮らしたい、自分のような白髪の老人にとってこんな春にあたっていいことばかりだ。
淥樽 清酒を盛ったたるをいう。濁り酒と区別している。○尽日 一日のあるかぎりをあそびについやす。○白髪 老境をいう。○禁春 禁は当たるに同じ、勝うるの意。対抗するこころもちをいう。



石角鈎衣破、藤梢刺眼新。
酔っぱらって句ると石の角で衣がひっかかり破れたり、こづらにくくも藤の梢のわかい蔓が私の眼を指すかのように新芽を出している。
石角 石のかど、この二句は酒席の附近の事物を叙する。○ かぎにかけるようにひっかける。○藤梢 ふじのこずえ。これは蔓のわか芽などをいうのであろう、花にはまだ早い。○刺眼 特に眼をひくことをいう。



何時占叢竹、頭戴小烏巾。
いつになったら自分もこんな竹やぶのある家を所有して、頭に烏紗帽とか、平巾幘でもいただける身分になることができるだろうか。
 所有すること。○叢竹 竹やぶのあるお屋敷。○烏巾 烏は烏紗帽服、巾は平巾幘(さく)服。どちらも官僚が着る服であり、帽子である。杜甫憧れの服装である。
烏紗帽                  平巾幘
烏紗帽00         平巾幘(さく)帽00