奉陪鄭駙馬韋曲二首其二 杜甫 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 76

754年天宝13載              43歳、春の詩。




其二
野寺垂楊裏、春畦亂水間。
野中のお寺があり、しだれ楊越しに女たちが見える。女たちは水流があっちこっち方向もきまらず春のはたけに流れてこんでいくようにきえていく。
美花多映竹、好鳥不歸山。
美しい花は竹林におおくうつりあうように見える、韋曲に町に来た春を告げる女烏たちはここへ来たら、もう山へ帰ることはないのだろう。
城郭終何事、風塵豈駐顔。
自分は城中へいったところが、なんの仕事があるではないし、ちりやほこりと同様に人間俗界の中でいつまでも若さを保てるわけでもない。
誰能興公子、薄暮欲倶還。

だれもがこの公達(鄭駙馬のこと)いつまでも飲んでいたいが、たそがれ時になってきたのでそろそろ一緒に戻りたいとおもっているのだ。




野中のお寺があり、しだれ楊越しに女たちが見える。女たちは水流があっちこっち方向もきまらず春のはたけに流れてこんでいくようにきえていく。
美しい花は竹林におおくうつりあうように見える、韋曲に町に来た春を告げる女烏たちはここへ来たら、もう山へ帰ることはないのだろう。
自分は城中へいったところが、なんの仕事があるではないし、ちりやほこりと同様に人間俗界の中でいつまでも若さを保てるわけでもない。
だれもがこの公達(鄭駙馬のこと)いつまでも飲んでいたいが、たそがれ時になってきたのでそろそろ一緒に戻りたいとおもっているのだ。


野寺垂場の裏 春畦乱水の間
美花多く竹に映ず 好鳥山に帰らず
城郭終に何をか事とせん 風塵豈に顔を駐めんや
誰か能く公子と 薄暮供に還るを欲せんや



野寺垂楊裏、春畦乱水間。
野中のお寺があり、しだれ楊越しに女たちが見える。女たちは水流があっちこっち方向もきまらず春のはたけに流れてこんでいくようにきえていく。
野寺 郊外の寺。○春畦 畦は田島のうねをいう。○乱水 縦横にながれている水。



美花多映竹、好鳥不歸山。
美しい花は竹林におおくうつりあうように見える、韋曲に町に来た春を告げる女烏たちはここへ来たら、もう山へ帰ることはないのだろう。
 花は妓女であり、鳥は娼婦であろう。  ○ 色のうつりあうこと。○好鳥 羽毛声音のうるわしい鳥。○不帰山 山からこの里へでかけて来てそれなり山へかえらぬ、というのはこの里がよいからである。(韋曲に町に来た女)



城郭終何事、風塵豈駐顔。
自分は城中へいったところがなんの仕事があるではないし、ちりやほこりと同様に人間俗界の中でいつまでも若さを保てるわけでもない。
城郭 長安の城郭をいう、郭はそとくるわ。○終何事 けっきょく何もする仕事がない。試験には落第し官には召しだされぬことをいう。○風塵 人間俗界のちりほこり。ちりは風に吹かれてどこへでも飛んでゆく。○駐顔 顔とは少壮の顔色をいう、駐とは同じ場所にひきとめて置くこと。駐顔とは年よりにならず、同じ若さでいることをいう。


誰能興公子、薄暮欲倶遠。
だれもがこの公達(鄭駙馬のこと)いつまでも飲んでいたいが、たそがれ時になってきたのでそろそろ一緒に戻りたいとおもっているのだ。
誰能 この二字は次の句までかかり反語となる。○ 或は共に。○公子 鄭附馬をさす。○薄暮 たそがれ。薄は迫の意、せまる、くれにせまる。○倶遠 いっし上に城中へもどる。


○韻  間、山、顔、遠。


 


 午前中から飲み始め、夕方近くまでの時間経過を詠ったものだが、杜甫自身、いくら飲んでも仕官できていないことが頭から離れないのだろう。
 芸妓や、娼婦たちも行楽に来ていて、その中に入り込めない誠実な杜甫である。この固さでは、この時代の朝廷の文人たちにもなかなか理解されなかったであろうと思われる。