夏日李公見訪   kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 83(就職活動中 杜曲の家)


 長安城外に林、畑が広がる。古くから、桑畑がひろがる一体である。声をかければ聞こえる程度の広がりを持った杜曲に家を借りていた。この家から出かけて、何将軍山林で遊び、渼陂の水面に舟遊びし、丈八溝携妓納涼の晩際に雨に遇う、鄭駙馬につきそって韋曲で遊んだのも754年天宝13載 43歳の夏のことだ。
長安・杜曲韋曲

 同じ夏のある日、皇太子の家令李炎が杜曲の家を訪ねてきたのだ。公子は遠き林のなかからやって来た。


夏日李公見訪  
遠林暑気薄、公子過我遊。
ここの場所は城外遠くに位置していて木立、林は いくらか涼しさをよんでいる、李公はわが家に少しの退屈しのぎに立ち寄ってこられた。
貧居類村塢、僻近城南楼。
貧しいかりの家で、土手のかこまれたような村落であり、辺鄙な所だが 城郭の南門の楼閣に、ほど近い所ではある。
傍舎頗淳樸、所須亦易求。
辺鄙なところだけに近所の人は淳樸で,必要なものも手に入りやすい
隔屋喚西家、借問有酒不。
一軒先の西寄りの家に声をかけ、酒はあるかと  問いかける?
墻頭過濁醪、展席俯長流。
垣根越しに濁り酒が手渡され借りることができた、筵を広げて川縁に寝ころんでちょっとした宴席とした。
清風左右至、客意已驚秋。
清らかな風が酒を酌み交わすのに合わせて 左に右に吹いてくる、川辺の風に旅人気分でいてもう秋が来たかと驚いた。
巣多衆鳥闘、葉密鳴蝉稠。
そればかりでなく鳥の巣が多いのだろう、林の鳥が集まって争いをしているようだ、葉が茂っているから  蝉までがさかんに鳴きつづけている。
苦遭此物聒、孰謂吾廬幽。
その愚かなほどのやかましさに遭遇したことには困ってしまうのだが、たれが我が廬(いおり)が静かでいいといえるものではないのだ!?
水花晩色静、庶足充淹留。
蓮の花が夕暮れ色に染まって清らかに咲いている、この眺めだけで十分ここに留まるだけの値打ちはある
預恐樽中尽、更起為君謀。
それにしても気になるのはこの調子で飲み続けると樽の中の残り酒の量だ、席をたって公子のもてなしのため 一工夫めぐらし、詩でも歌うとするか。



ここの場所は城外遠くに位置していて木立、林は いくらか涼しさをよんでいる、李公はわが家に少しの退屈しのぎに立ち寄ってこられた。
貧しいかりの家で、土手のかこまれたような村落であり、辺鄙な所だが 城郭の南門の楼閣に、ほど近い所ではある。
辺鄙なところだけに近所の人は淳樸で,必要なものも手に入りやすい
一軒先の西寄りの家に声をかけ、酒はあるかと  問いかける?
垣根越しに濁り酒が手渡され借りることができた、筵を広げて川縁に寝ころんでちょっとした宴席とした。
清らかな風が酒を酌み交わすのに合わせて 左に右に吹いてくる、川辺の風に旅人気分でいてもう秋が来たかと驚いた。
そればかりでなく鳥の巣が多いのだろう、林の鳥が集まって争いをしているようだ、葉が茂っているから  蝉までがさかんに鳴きつづけている。
その愚かなほどのやかましさに遭遇したことには困ってしまうのだが、たれが我が廬(いおり)が静かでいいといえるものではないのだ!?
蓮の花が夕暮れ色に染まって清らかに咲いている、この眺めだけで十分ここに留まるだけの値打ちはある
それにしても気になるのはこの調子で飲み続けると樽の中の残り酒の量だ、席をたって公子のもてなしのため 一工夫めぐらし、詩でも歌うとするか。



夏日 李公に訪わる
遠き林に  暑気は薄れ、公子  我に過(よぎ)りて遊ぶ。貧居 は村塢(そんお)に類(に)て、僻(かたよ)りて城南の楼に近し。
傍かたえ舎(いえ)は頗(すこぶ)る淳樸(じゅんぼく)にして、須(もとむ)る所も亦た求め易(やす)し。
屋(むね)を隔てて西の家を喚(よ)び、借問(しゃもん)す  酒有りや不(いな)やと。
墻頭(しょうとう)より濁醪(だくろう)を過(すご)し、席(むしろ)を展(の)べて長流(ちょうりゅう)に俯(ふ)す。
清風  左右より至り、客の意  已(すで)に秋かと驚く。
巣の多くして衆鳥(しゅうちょう)闘い、葉の密にして鳴く蝉の稠(おお)し。
此の物の聒(かまびす)しきに遭(あ)うに苦しみ、孰(たれか)  吾が廬(いおり)幽(ゆう)なりと謂う。
水の花に晩の色は静かなり、庶(ねがわ)くは淹留(くつろぎ)て充(あ)つるに足らん。
預(あらかじ)め  樽の中の尽くるを恐(おもんばかり)、更に起(た)ちて君が為に謀(はか)る。


遠林暑氣薄,公子過我游。
ここの場所は城外遠くに位置していて木立、林は いくらか涼しさをよんでいる、李公はわが家に少しの退屈しのぎに立ち寄ってこられた。

居類村塢,僻近城南摟。
貧しいかりの家で、土手のかこまれたようなそんらくであり、辺鄙な所だが 城郭の南門の楼閣にほど近い所ではある。
○村塢 村落。堤、土手のかこまれたような場所。

傍舍多淳樸,所須亦易求。
辺鄙なところだけに近所の人は淳樸で、必要なものも手に入りやすい



隔屋喚西家,借問有酒不?
一軒先の西寄りの家に声をかけ、酒はあるかと  問いかける?

牆頭過濁醪,展席俯長流。
垣根越しに濁り酒が手渡され借りることができた、筵を広げて川縁に寝ころんでちょっとした宴席とした。

清風左右至,客意已驚秋。
清らかな風が酒を酌み交わすのに合わせて 左に右に吹いてくる、川辺の風に旅人気分でいてもう秋が来たかと驚いた。

巢多眾鳥鬥,葉密鳴蟬稠。
そればかりでなく鳥の巣が多いのだろう、林の鳥が集まって争いをしているようだ、葉が茂っているから  蝉までがさかんに鳴きつづけている。

苦遭此物聒,孰謂吾廬幽?
その愚かなほどのやかましさに遭遇したことには困ってしまうのだが、たれが我が廬(いおり)が静かでいいといえるものではないのだ!?

水花晚色淨,庶足充淹留。
蓮の花が夕暮れ色に染まって清らかに咲いている、この眺めだけで十分ここに留まるだけの値打ちはある

預恐尊中盡,更起為君謀。
それにしても気になるのはこの調子で飲み続けると樽の中の残り酒の量だ、席をたって公子のもてなしのため 一工夫めぐらし、詩でも歌うとするか。
 


 新しい杜曲の家を皇太子の家令李炎が訪ねてくる。 詩中、杜曲を「貧居 村塢に類し」と言っている。塢(お)というのは山野の窪地であり、丈八溝携妓納涼の晩際に雨に遇う、鄭駙馬につきそって韋曲で遊んだ詩にも登場してきた表現である。南に終南山があり、その裾野から長安城まで、こやまと湿地のような状態が続いていて、堤あり、河原あり、畑有ということなのだろう。

 近所の家から濁り酒を借ることができたので、川岸に筵を広げて案内したのだ。「巣多くして衆鳥闘い」、「孰か謂う 吾が廬幽なりと」などと家は子供が多くて騒がしいと言い、李公は大切な客ではあってもあばら家で腰を掛けることもできはしないのだ。 
 川辺には清らかな風が吹いていて、初秋のような涼しさ、日暮れになって「水花」(蓮の花)が静かに咲くと、逗留していただく値打ちはあると謂いながら、気になるのは樽の中の酒が残り少なくなってしまった。
 杜甫の長安での詩にはどこか先行き不安と自己へのもどかしさを覗わせるものが多い。その中でユーモアをもって客に接する誠実なものである。

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