白水崔少府十九翁高齋三十韻 杜甫 122 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 122-#2



#1
客從南縣來,浩蕩無與適。
旅食白日長,況當朱炎赫。』
高齋坐林杪,信宿遊衍闃。
清晨陪躋攀,傲睨俯峭壁。
崇岡相枕帶,曠野回咫尺。
始知賢主人,贈此譴岑寂。』
-#2
危階根青冥,曾冰生淅瀝。
この書斎のたかくてあぶなげなきざはしはあおぞらに根をおろしているのかと思うほどである、渓間の風音で木々のざわついているあたりには幾層かの氷が生じているほどつめたいのである。
上有無心雲,下有欲落石。
上をみあげると無心にしてくれる雲がある、下をみおろせば落ちそうになっている石がある。
泉聲聞複息,動靜隨所激。
滝の落ちる音は聞こえたりやんだり、風のぶっつかり方しだいで泉声が動いたり静かになったりしている。
鳥呼藏其身,有似懼彈射。』

また鳥はどこかに身を潜めて声をだして呼んでいるようなのだが、からだはかくして現わさないのだ、どこからか弾き弓で射とめられるのがこわいということなのだろう。』

-#3
吏隱適情性,茲焉其窟宅。
白水見舅氏,諸翁乃仙伯。
杖藜長松下,作尉窮穀僻。
為我炊雕胡,逍遙展良覿。』

#1
客南県従り来る 浩蕩として与に通する無し
旅食自日長し 況や朱炎の赫たるに当るをや』
高斎林秒に坐す 信宿潜行閲たり
清最陪して臍攣し 倣晩晴壁に傭す
崇岡相枕帯す 境野過にして爬尺なり
始めて知る賢主人 此を贈って愁寂を遥らしむるを』

-2

危階青冥に根す 曾泳淅瀝たるに生ず

上には無心の雲有り 下には落ちんと欲する石有り

泉声聞こえて復た息む 動静激する所に随う

鳥呼びて其の身を蔵す 弾射を憤るるに似たる有り』


-#3
吏隠惰性に通す 玄鳶に其れ窟宅とす
白水舅氏を見る 諸翁は乃ち仙伯なり
葬を杖く長松の下 尉と作る窮谷の僻なるに
我が為めに離胡を炊ぐ 造造艮覿を展ぶ』


白水崔少府十九翁高齋三十韻 -#2
(本文)

危階根青冥,曾冰生淅瀝。
上有無心雲,下有欲落石。
泉聲聞複息,動靜隨所激。
鳥呼藏其身,有似懼彈射。』
  
(下し文)
危階青冥に根す 曾泳漸靡たるに生ず
上には無心の雲有り 下には落ちんと欲する石有り
泉声聞こえて復た息む 動静激する所に随う
鳥呼びて其の身を蔵す 弾射を憤るるに似たる有り』
  
(現代語訳)
この書斎のたかくてあぶなげなきざはしはあおぞらに根をおろしているのかと思うほどである、渓間の風音で木々のざわついているあたりには幾層かの氷が生じているほどつめたいのである。
上をみあげると無心にしてくれる雲がある、下をみおろせば落ちそうになっている石がある。
滝の落ちる音は聞こえたりやんだり、風のぶっつかり方しだいで泉声が動いたり静かになったりしている。
また鳥はどこかに身を潜めて声をだして呼んでいるようなのだが、からだはかくして現わさないのだ、どこからか弾き弓で射とめられるのがこわいということなのだろう。』


komichi03(語訳と訳註)
危階根青冥,曾冰生淅瀝。

この書斎のたかくてあぶなげなきざはしはあおぞらに根をおろしているのかと思うほどである、渓間の風音で木々のざわついているあたりには幾層かの氷が生じているほどつめたいのである。
危階 たかくてあぶなげなきざはし。
根青実 根とは根ざし生ずることをいう。青某はあおぞらをいう、階の高いことを形容していう。
曾氷 層冰、いくえにもかさなってできているこおり。
淅瀝 これは渓谷間の風木の音をいう。


上有無心雲,下有欲落石。
上をみあげると無心にしてくれる雲がある、下をみおろせば落ちそうになっている石がある。


泉聲聞複息,動靜隨所激。
滝の落ちる音は聞こえたりやんだり、風のぶっつかり方しだいで泉声が動いたり静かになったりしている。
泉声 懸泉(たき)の声。
聞復息 きこえたりまたやんだり。
動静 泉声の動静、声が聞こえるのは動、息むのは静ということ。
随所激 激とは風の塊が水に激突することをいう、風のぶっつかり方しだいで泉声が動いたり静かになったりする。


鳥呼藏其身,有似懼彈射。』
また鳥はどこかに身を潜めて声をだして呼んでいるようなのだが、からだはかくして現わさないのだ、どこからか弾き弓で射とめられるのがこわいということなのだろう。』
蔵其身 からだをあらわさぬ。○弾射 弾き弓で射とめられること。
吏隠 官吏でありながら隠遁者の生活をする。