大雲寺贊公房四首 其二 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 166
杜甫は叛乱軍の拘束中に大雲寺の僧贊公の宿坊に泊まった時に書いたものである。


其二
細軟青絲履,光明白氎巾。
この画には、細やかに繊細で優しい青紐の靴を履いていて、明るく輝いている白の木綿の頭巾をしている姿がある。
深藏供老宿,取用及吾身。
深い学識がある、年老いたものが同じ宿坊ですごしている。取り上げるとそれでもって、わが身に及んでくるのだ。
自顧轉無趣,交情何尚新。
おのずから振り返ってみて心を転じてみても趣きがないのだ、心情で親交していくとどうしてなお新しい親交が必要であろう。
道林才不世,惠遠得過人。
道林禅師はその才能は他に世にいない。恵遠法師もこれを超える人などいないのだ。
雨瀉暮簷竹,風吹春井芹。
雨が降り灌ぐ、軒のようにせり出した竹林が暮れてゆく。風が吹き付ける、井戸端の芹も春めいて芽吹いている。
天陰對圖畫,最覺潤龍鱗。

画に向かい立って見てみると大空の中、おひつじ座あたり雲で暗くなっている、そこは画の中で最も龍がウロコを潤おし生き生きさせているようである。

細軟 青絲を履き,光明 白氎の巾。
深藏 供に老いて宿し,取を用って 吾身に及び。
自ら顧みて 轉 趣き無し,交情 何んぞ尚お新し。
道林 才 不世,惠遠 過る人を得る。
雨瀉ぐ 簷竹に暮し,風吹き 春井芹。
天陰 圖畫に對し,最も覺して龍鱗に潤う。


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大雲寺贊公房四首 其二 現代語訳と訳註
(本文) 其二

細軟青絲履,光明白氎巾。
深藏供老宿,取用及吾身。
自顧轉無趣,交情何尚新。
道林才不世,惠遠得過人。
雨瀉暮簷竹,風吹春井芹。
天陰對圖畫,最覺潤龍鱗。


(下し文)
細軟 青絲を履き,光明 白氎の巾。
深藏 供に老いて宿し,取を用って 吾身に及び。
自ら顧みて 轉 趣き無し,交情 何んぞ尚お新し。
道林 才 不世,惠遠 過る人を得る。
雨瀉ぐ 簷竹に暮し,風吹き 春井芹。
天陰 圖畫に對し,最も覺して龍鱗に潤う。

(現代語訳)
この画には、細やかに繊細で優しい青紐の靴を履いていて、明るく輝いている白の木綿の頭巾をしている姿がある。
深い学識がある、年老いたものが同じ宿坊ですごしている。取り上げるとそれでもって、わが身に及んでくるのだ。
おのずから振り返ってみて心を転じてみても趣きがないのだ、心情で親交していくとどうしてなお新しい親交が必要であろう。
道林禅師はその才能は他に世にいない。恵遠法師もこれを超える人などいないのだ。
雨が降り灌ぐ、軒のようにせり出した竹林が暮れてゆく。風が吹き付ける、井戸端の芹も春めいて芽吹いている。
画に向かい立って見てみると大空の中、おひつじ座あたり雲で暗くなっている、そこは画の中で最も龍がウロコを潤おし生き生きさせているようである。


(訳注)
細軟青絲履,光明白氎巾。
この画には、細やかに繊細で優しい青紐の靴を履いていて、明るく輝いている白の木綿の頭巾をしている姿がある。
細軟 こまやかにやわらかい、やさしい。おだやかである。   ○青糸 馬の面づらの縄に用いる青色の絹いと。○青糸 杜甫高都護 杜甫34 馬の面づらの縄に用いる青色の絹いと。李白「李白 89 將進酒(李白と道教)」黒い絹糸。黒髪のこと。緑の黒髪。「青」は黒いことをも指す。“青布”“青鞋”。李白「待酒不至」 青い糸。細い柳の枝。ここでは靴に付けた紐。○白氎 はくじょう:白い毛織の布。・ 細い毛織のぬの、もめんのぬの。

深藏供老宿,取用及吾身。
深い学識がある、年老いたものが同じ宿坊ですごしている。取り上げるとそれでもって、わが身に及んでくるのだ。
深藏  ・深藏若虚 深い学識があるのに人前でひけらかさない. ○ とる。得る。採用する。娶る。治める。 ○ 以てと同じ。この二句は仏教用語。


自顧轉無趣,交情何尚新。
おのずから振り返ってみて心を転じてみても趣きがないのだ、心情で親交していくとどうしてなお新しい親交が必要であろう。
自顧轉無趣 自分の趣味趣向の浅さを謙遜している。○交情 心情で親交していくこと。○何尚新 どうしてなお新しい親交が必要であろう。

道林才不世,惠遠得過人。
道林禅師はその才能は他に世にいない。恵遠法師もこれを超える人などいないのだ。
道林  道林禅師。陸修静。○惠遠 陶淵明と陸修静と恵遠法師、その恵遠法師の数奇な出生と、八歳のときに出家になるため、廬山に赴くはなしを描いた短編に登場する人物たち。〈虎渓三笑図〉 。

雨瀉暮簷竹,風吹春井芹。
雨が降り灌ぐ、軒のようにせり出した竹林が暮れてゆく。風が吹き付ける、井戸端の芹も春めいて芽吹いている。
雨瀉 雨が降るそそぐこと。 ○暮 夕暮れになる。○簷竹 竹林の葉の重みでの木がせり出したような景色を言う。 ○ 春めき芽吹く。○ 井戸端。○ 植物のせり。


天陰對圖畫,最覺潤龍鱗。
画に向かい立って見てみると大空の中、おひつじ座あたり雲で暗くなっている、そこは画の中で最も龍がウロコを潤おし生き生きさせているようである。
天陰 大空のなか雲で暗くなっているところ。おひつじ座の位置をいう。 杜甫『兵車行  杜甫37 』「新鬼煩冤舊鬼哭,天陰雨濕聲啾啾。」新たな戦役で亡くなった霊は、わずらいもだえており、昔の戦役で亡くなった霊は、声をあげて啼いており、空が曇り、雨で湿る折には、死者の魂が悲しげに啾々と泣いている声が聞こえてくる。
龍鱗 りゅうのウロコ。龍鱗の絵は龍が空を飛んでいるものをいう。


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