送從弟亞赴河西判官 #1 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 183いとこの杜亜が河西節度使の判官となって赴任するのを送る詩である。製作時は至徳二載の夏、鳳翔にあって作る。
至徳二載 757年 46歳


送從弟亞赴河西判官
年若いいとこの杜亞が河西の判官に赴くの歌
#1
南風作秋聲,殺氣薄炎熾。
南から吹く夏の風が秋風の音をたてだした、まだまだ炎熱さかんである所へ万物を殺伐とさせる殺気がせまって来た。
盛夏鷹隼擊,時危異人至。』
そうして真夏であるのに鷹や隼が他の獲物を攻撃するかのようなものである、このとき、この国は危急の時を迎えており、非凡な人物を待望していたところ君がやって来たのだ。』
令弟草中來,蒼然請論事。
おまえは叛乱軍の制圧下の中をうちをくぐって来た、あわただし中で論理整然として国事を論じたいと願いでた。
詔書引上殿,奮舌動天意。
その願は許されて、詔書によりひきあげられ、天子の御殿へのぼることができた、おまえは熱心に弁舌をふるって天子の御意を感動させたのだ。
兵法五十家,爾腹為篋笥。
古来兵法を説いたものが五十家もあるが、おまえの腹はその兵法をいれておく箪笥の函みたいなものである。
應對如轉丸,疏通略文字。
君が天子の問いかけに答えるさまは、まるで丸玉をころがす様にすらすらとしていた、そして文字上の事などは省略して、諸説の意を互に関連付けてよくわかる様にのべていた。
經綸皆新語,足以正神器。』#1

このようにして君の述べた軍務の大方針はすべて兵法を租借した新説であり、これならば不正義がなされている天下を正道に戻す十分なものであるといえるもののだ。』
#2
宗廟尚為灰,君臣俱下淚。崆峒地無軸,青海天軒輊。
西極最瘡痍,連山暗烽燧。』
帝曰大布衣,藉卿佐元帥。坐看清流沙,所以子奉使。
歸當再前席,適遠非歷試。須存武威郡,為畫長久利。』#2
#3
孤峰石戴驛,快馬金纏轡。黃羊飫不羶,蘆酒多還醉。
踴躍常人情,慘澹苦士誌。安邊敵何有,反正計始遂。』
吾聞駕鼓車,不合用騏驥。龍吟回其頭,夾輔待所致。』#3


従弟亜が河西判官に赴くを送る
#1
南風秋声を作す、 殺気炎の熾なるに薄る。
盛夏鷹隼撃つ、 時危くして異人至る』
令弟草中より来る、 蒼然事を論ぜんと請う
詔書引いて殿に上らしむ、 舌を奮って天意を動かす
兵法五十家、 繭が腹筐笥為り
応対転丸の如く、 疎通文字を略す
経輪皆新語、 以て神器を正しくするに足れり』

#2
宗廟尚灰と為る、 君臣倶に涙を下す
崆峒地軸無く、 青海天軒輊す
西極最も瘡痍あり 連山烽燧暗し』
帝日く大布衣、 卿に藉りて元帥に佐たらしむと
坐ろに流沙を清むるを看ん、 子が使を奉ずる所以
帰らば当に再び席を前むべし、 遠きに適くは歴試するに非ず。
須らく武威郡を存し、 為めに長久の利を画すべし。』
#3
孤峰 石 駅を戴き、 快馬 金 轡を纏う。
黄羊飫けども羶ならず 蘆酒多ければ還た酔う
踴躍するは常人の情なり、 惨澹たるは苦士の志なり。
辺を安んずる敵何か有らん、 正に反えす計始めて遂げ
ん。』
吾聞く鼓車に駕するには、 騏驥を用う合らずと。
竜吟 其の頭を廻らさん、 爽輔致す所を待つ。』


 現代語訳と訳註
(本文) #1

南風作秋聲,殺氣薄炎熾。
盛夏鷹隼擊,時危異人至。』
令弟草中來,蒼然請論事。
詔書引上殿,奮舌動天意。
兵法五十家,爾腹為篋笥。
應對如轉丸,疏通略文字。
經綸皆新語,足以正神器。』#1


(下し文) #1
南風秋声を作す、 殺気炎の熾なるに薄る。
盛夏鷹隼撃つ、 時危くして異人至る』
令弟草中より来る、 蒼然事を論ぜんと請う
詔書引いて殿に上らしむ、 舌を奮って天意を動かす
兵法五十家、 繭が腹筐笥為り
応対転丸の如く、 疎通文字を略す
経輪皆新語、 以て神器を正しくするに足れり』


(現代語訳)
年若いいとこの杜亞が河西の判官に赴くの歌
南から吹く夏の風が秋風の音をたてだした、まだまだ炎熱さかんである所へ万物を殺伐とさせる殺気がせまって来た。
そうして真夏であるのに鷹や隼が他の獲物を攻撃するかのようなものである、このとき、この国は危急の時を迎えており、非凡な人物を待望していたところ君がやって来たのだ。』
おまえは叛乱軍の制圧下の中をうちをくぐって来た、あわただし中で論理整然として国事を論じたいと願いでた。
その願は許されて、詔書によりひきあげられ、天子の御殿へのぼることができた、おまえは熱心に弁舌をふるって天子の御意を感動させたのだ。
古来兵法を説いたものが五十家もあるが、おまえの腹はその兵法をいれておく箪笥の函みたいなものである。
君が天子の問いかけに答えるさまは、まるで丸玉をころがす様にすらすらとしていた、そして文字上の事などは省略して、諸説の意を互に関連付けてよくわかる様にのべていた。
このようにして君の述べた軍務の大方針はすべて兵法を租借した新説であり、これならば不正義がなされている天下を正道に戻す十分なものであるといえるもののだ。』

hinode0200

(訳注)
送從弟亞赴河西判官
 (従弟亜が河西判官に赴くを送る)
年若いいとこの杜亞が河西の判官に赴くの歌
○従弟 年齢が下のいとこ。○亜 杜亜をいう。杜亜字は次公、自分を京兆の人という。幼くして学に渉り、善く物の理及び歴代の成敗の事を言う。粛宗が霊武に在るとき、上書して時政を論じ、校書郎に抜擢された。其の年、杜鴻漸が河西に節度となるや、杜亜を召して従事となした。しきりに評事・御史を授けられ、東都留守に終った。○河西判官 河西節度使杜鴻漸の属官。河西節度使は甘粛省涼州府武威県にあった。


南風作秋聲,殺氣薄炎熾。(南風秋声を作す、 殺気炎の熾なるに薄る。
南から吹く夏の風が秋風の音をたてだした、まだまだ炎熱さかんである所へ万物を殺伐とさせる殺気がせまって来た。
南風南方より吹く風、夏の風をいう。○秋声秋かぜのおと。○殺気殺伐の気、物の生気を奪わんとする気。○炎俄 炎熱の気のさかんなこと。


盛夏鷹隼擊,時危異人至。』(盛夏鷹隼撃つ、 時危くして異人至る』
そうして真夏であるのに鷹や隼が他の獲物を攻撃するかのようなものである、このとき、この国は危急の時を迎えており、非凡な人物を待望していたところ君がやって来たのだ。』
盛夏 まなつ。○鷹隼撃 たか、はやぶさが他の禽鳥にむかって攻撃することをいう。ここまでの三句は夏から秋への時候の変りと鷹隼を以て杜亜に比喩する。○異人 非凡な人物。○ 鳳翔へやって来たこと。


令弟草中來,蒼然請論事。(令弟草中より来る、 蒼然事を論ぜんと請う
君は叛乱軍の制圧下の中をうちをくぐって来た、あわただし中で論理整然として国事を論じたいと願いでた。
令弟 よき弟、亜をさして優しくいう。○草中來 草野の間、叛乱軍の制圧下の中をうちをくぐって来たことをいう。○蒼然 蒼卒、蒼皇の意という。蒼は倉の仮借字、あわただしい中で論理整然としたさま。○論事 事は国事。


詔書引上殿,奮舌動天意。(詔書引いて殿に上らしむ、 舌を奮って天意を動かす
その願は許されて、詔書によりひきあげられ、天子の御殿へのぼることができた、君は熱心に弁舌をふるって天子の御意を感動させたのだ。
 みちびく。○奮舌 熱心に弁舌をふるう。○天意 天子(粛宗)のこころ。


兵法五十家,爾腹為篋笥。(兵法五十家、 繭が腹筐笥為り
古来兵法を説いたものが五十家もあるが、君の腹はその兵法をいれておく箪笥の函みたいなものである。
五十家 「漢書」の芸文志に凡そ兵家の書五十三家を列する。○ 亜をさす。○篋笥 箪笥のはこ。○応対 天子の問いかけに応じ答える。
 
應對如轉丸,疏通略文字。(応対転丸の如く、 疎通文字を略す
君が天子の問いかけに答えるさまは、まるで丸玉をころがす様にすらすらとしていた、そして文字上の事などは省略して、諸説の意を互に関連付けてよくわかる様にのべていた。
転丸たまをころがす如くすらすらと滞りないこと。○疎通甲乙間の論旨をよくとおらせること。○略文字文字のことははぷいでいわぬ。


經綸皆新語,足以正神器。』(経輪皆新語、 以て神器を正しくするに足れり』#1
このようにして君の述べた軍務の大方針はすべて兵法を租借した新説であり、これならば不正義がなされている天下を正道に戻す十分なものであるといえるもののだ。』
經綸 軍務の大方針をたてること。○新語 これまで人の言わぬことば、新説をいう。故事来歴を述べるだけでなく、それを租借し、自説として述べることをいう。○正神器 神器は天下をいう。天下はいまぞく叛乱軍に奪われているがこれは不正である。正とは正当な事、唐の天子にかえすことをいう。


blogram投票ボタン

毎日それぞれ一首(長詩の場合一部分割掲載)kanbuniinkai紀 頌之の漢詩3ブログ
05rihakushi350

李白詩350首kanbuniinkai紀頌之のブログ

700Toho shi

kanbuniinkai11の頌之漢詩 杜甫詩700首


800tousouSenshu
kanbuniinkai10 頌之の漢詩 唐宋詩人選集 Ⅰ李商隠150首



burogutitl770
http://kanshi100x100.blog.fc2.com/