送從弟亞赴河西判官 #3 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 185
いとこの杜亜が河西節度使の判官となって赴任するのを送る詩である。製作時は至徳二載の夏、鳳翔にあって作る。
至徳二載 757年 46歳


送從弟亞赴河西判官
#1
南風作秋聲,殺氣薄炎熾。盛夏鷹隼擊,時危異人至。』
令弟草中來,蒼然請論事。詔書引上殿,奮舌動天意。
兵法五十家,爾腹為篋笥。應對如轉丸,疏通略文字。
經綸皆新語,足以正神器。』#1
#2
宗廟尚為灰,君臣俱下淚。崆峒地無軸,青海天軒輊。
西極最瘡痍,連山暗烽燧。』
帝曰大布衣,藉卿佐元帥。坐看清流沙,所以子奉使。
歸當再前席,適遠非歷試。須存武威郡,為畫長久利。』#2
#3
孤峰石戴驛,快馬金纏轡。
君の通過する幹道では、所によっては単独に山が聳えて、駅路が巌石のうえにのっているようなところがあるのだ、そこを速足の馬が黄金で纏い飾った手綱をくりながら駆ってゆくのである。
黃羊飫不羶,蘆酒多還醉。
途中では臭くない黄羊の肉を十分食べたらよい、そして、いくら蘆酒といっても、たくさん呑めばやっぱり酔うこともあるであろう。
踴躍常人情,慘澹苦士誌。
このたびのように一官にありついて躍り上がって喜ぶのは凡人の情である、志士のこころはかえって苦しいことにあたって惨澹たるものがあるものなのだ。
安邊敵何有,反正計始遂。』
きみが西域の辺地を安寧にすることは請け合いで敵などにはならないものだ、君の子の赴任の旅によって我が天下を正常なものへとってかえすはかりごとの初めの一歩であるから成し遂げるのである。』
吾聞駕鼓車,不合用騏驥。
わたしが聞き及んだところ、太鼓をのせる車などをひかせることであるが、それを騏驥の名馬を用いることはないだろう。
(私が知ってるくらいのことで誰もが知っていることだ、君を河西の判官ぐらいに用いておくというのは騏驥に鼓車をひかせるというものと同じだ。)

龍吟回其頭,夾輔待所致。』
#3
君は龍のように風雲をかき集め、号令一下、頭を西から東へむけかえるのだ、そうすれば鳳翔にある行在所を本来の天子の王宮のある長安王明宮へもどりくることになり、左右の支えとしてお仕えすることになるのだ。


従弟亜が河西判官に赴くを送る
#1
南風秋声を作す、 殺気炎の熾なるに薄る。
盛夏鷹隼撃つ、 時危くして異人至る』
令弟草中より来る、 蒼然事を論ぜんと請う
詔書引いて殿に上らしむ、 舌を奮って天意を動かす
兵法五十家、 繭が腹筐笥為り
応対転丸の如く、 疎通文字を略す
経輪皆新語、 以て神器を正しくするに足れり』
#2
宗廟尚灰と為る、 君臣倶に涙を下す
崆峒地軸無く、 青海天軒輊す
西極最も瘡痍あり 連山烽燧暗し』
帝日く大布衣、 卿に藉りて元帥に佐たらしむと
坐ろに流沙を清むるを看ん、 子が使を奉ずる所以
帰らば当に再び席を前むべし、 遠きに適くは歴試するに非ず。
須らく武威郡を存し、 為めに長久の利を画すべし。』
#3
孤峰 石 駅を戴き、 快馬 金 轡を纏う。
黄羊飫けども羶ならず 蘆酒多ければ還た酔う
踴躍するは常人の情なり、 惨澹たるは苦士の志なり。
辺を安んずる敵何か有らん、 正に反えす計始めて遂げ
ん。』
吾聞く鼓車に駕するには、 騏驥を用う合らずと。
竜吟 其の頭を廻らさん、 爽輔致す所を待つ。』


杜甫図陝西甘粛


送從弟亞赴河西判官 #3  現代語訳と訳註
(本文) #3

孤峰石戴驛,快馬金纏轡。
黃羊飫不羶,蘆酒多還醉。
踴躍常人情,慘澹苦士誌。
安邊敵何有,反正計始遂。』
吾聞駕鼓車,不合用騏驥。
龍吟回其頭,夾輔待所致。』#3


(下し文) #3
孤峰 石 駅を戴き、 快馬 金 轡を纏う。
黄羊飫けども羶ならず 蘆酒多ければ還た酔う
踴躍するは常人の情なり、 惨澹たるは苦士の志なり。
辺を安んずる敵何か有らん、 正に反えす計始めて遂げ
ん。』
吾聞く鼓車に駕するには、 騏驥を用う合らずと。
竜吟 其の頭を廻らさん、 爽輔致す所を待つ。』

(現代語訳)
君の通過する幹道では、所によっては単独に山が聳えて、駅路が巌石のうえにのっているようなところがあるのだ、そこを速足の馬が黄金で纏い飾った手綱をくりながら駆ってゆくのである。
途中では臭くない黄羊の肉を十分食べたらよい、そして、いくら蘆酒といっても、たくさん呑めばやっぱり酔うこともあるであろう。
このたびのように一官にありついて躍り上がって喜ぶのは凡人の情である、志士のこころはかえって苦しいことにあたって惨澹たるものがあるものなのだ。
きみが西域の辺地を安寧にすることは請け合いで敵などにはならないものだ、君の子の赴任の旅によって我が天下を正常なものへとってかえすはかりごとの初めの一歩であるから成し遂げるのである。』
わたしが聞き及んだところ、太鼓をのせる車などをひかせることであるが、それを騏驥の名馬を用いることはないだろう。
(私が知ってるくらいのことで誰もが知っていることだ、君を河西の判官ぐらいに用いておくというのは騏驥に鼓車をひかせるというものと同じだ。)
君は龍のように風雲をかき集め、号令一下、頭を西から東へむけかえるのだ、そうすれば鳳翔にある行在所を本来の天子の王宮のある長安王明宮へもどりくることになり、左右の支えとしてお仕えすることになるのだ。


(訳注)
孤峰石戴驛,快馬金纏轡。
君の通過する幹道では、所によっては単独に山が聳えて、駅路が巌石のうえにのっているようなところがあるのだ、そこを速足の馬が黄金で纏い飾った手綱をくりながら駆ってゆくのである。
孤峰 一つの峰。○石戴駅 駅路が巌石のうえについている。○快馬 あしのはやい鳥。○金纏轡 黄金でたづなの飾りをつける。
 
黃羊飫不羶,蘆酒多還醉。
途中では臭くない黄羊の肉を十分食べたらよい、そして、いくら蘆酒といっても、たくさん呑めばやっぱり酔うこともあるであろう。
黄羊 黄色毛の羊、羊の一種。○ 羶は羊の肉のこと。ヒツジの臭いという意味の字である。○蘆酒 あしのくだで吸ってのむ酒。あまり濃くないが、しかし多くのめば酔うという。蘆酒特曲という酒があるらしい。


踴躍常人情,慘澹苦士誌。
このたびのように一官にありついて躍り上がって喜ぶのは凡人の情である、志士のこころはかえって苦しいことにあたって惨澹たるものがあるものなのだ。
踴躍 このたびの大抜擢によろこんでおどりあがること、官に任ぜられた時の心もちをいう。○常人 ただびと。○惨澹 心を苦しめるさま。○苦士志 心を苦しめる人の志。さかさまに志士の苦み、士は亜をさすもの。


安邊敵何有,反正計始遂。』
きみが西域の辺地を安寧にすることは請け合いで敵などにはならないものだ、君の子の赴任の旅によって我が天下を正常なものへとってかえすはかりごとの初めの一歩であるから成し遂げるのである。』
安辺 西域の辺地、国境を安らかにする。○何有 無きが如くなることをいう。○反正 我が天下を正常なものへとってかえす。粛宗を復び長安に還御させることをさすものをいう。


吾聞駕鼓車,不合用騏驥。
わたしが聞き及んだところ、太鼓をのせる車などをひかせることであるが、それを騏驥の名馬を用いることはないだろう。
(私が知ってるくらいのことで誰もが知っていることだ、君を河西の判官ぐらいに用いておくというのは騏驥に鼓車をひかせるというものと同じだ。)
○駕鼓車 駕は馬を車のかじ棒につなぐこと、鼓車は太鼓をのせる車。鼓車に駕すとは鼓車につけてそれをひかせることをいう。儒教を重んじた後漢の光武帝の建武十三年に異国より名馬を献じたところが、光武は詔してその馬を鼓車に駕せしめたとの事がある。○ 俗語、まさに何々すべし。○麒駿 名馬駿馬。
 
龍吟回其頭,夾輔待所致。』#3
君は龍のように風雲をかき集め、号令一下、頭を西から東へむけかえるのだ、そうすれば鳳翔にある行在所を本来の天子の王宮のある長安王明宮へもどりくることになり、左右の支えとしてお仕えすることになるのだ。
竜吟 河西の地に向かう途中はりゅうでんせつのあるところで杜亜をたとえていう、吟は河西の地で兵を整えて号令をかけること。○廻其頭 河西の西地から都の東方へと頭をめぐらしてもどってくる。叛乱軍を東から攻めたてることは不可能であったのでこういう表現をしている。鳳翔にいる軍だけでは長安の叛乱軍を攻めることは難しかったのだ。○夾輔 「左伝」債公二十六年に「成王ヲ夾輔ス」の語があり、左右からはさんでだくようにしてたすけること。○待作者が亜に対して期待する。○所致 所は天子のいる場所、現在は鳳翔の行在所であるが、これはあくまで仮の朝廷であるもの、長安の王宮に戻らしめることを指すものである。

blogram投票ボタン

毎日それぞれ一首(長詩の場合一部分割掲載)kanbuniinkai紀 頌之の漢詩3ブログ
05rihakushi350

李白詩350首kanbuniinkai紀頌之のブログ

700Toho shi

kanbuniinkai11の頌之漢詩 杜甫詩700首


800tousouSenshu
kanbuniinkai10 頌之の漢詩 唐宋詩人選集 Ⅰ李商隠150首

burogutitl770
http://kanshi100x100.blog.fc2.com/