奉送郭中丞兼太樸卿充隴右節度使三十韻 #3 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 190
御史中丞郭英乂が太僕卿の官を兼ねながら、隴右節度使に充てられたのを送る詩。製作時は757年至徳二載の秋八月。


奉送郭中丞兼太樸卿充隴右節度使三十韻
詔發山西將,秋屯隴右兵。淒涼餘部曲,燀赫舊家聲。
雕鶚乘時去,驊騮顧主鳴。艱難須上策,容易即前程。
斜日當軒蓋,高風卷旆旌。松悲天水冷,沙亂雪山清。#1
和虜猶懷惠,防邊詎敢驚。古來於異域,鎮靜示專徵。
燕薊奔封豕,周秦觸駭鯨。中原何慘黷,遺孽尚縱橫。
箭入昭陽殿,笳吹細柳營。內人紅袖泣,王子白衣行。#2

宸極妖星動,園陵殺氣平。
大空の中心でかがやいているべき天子の星うすれ、不吉をあらわす星の彗星が光をうごかしている、歴代天子の山陵には殺伐の気がみなぎり、高い陵を平らにするほど高く被いみなぎっているのだ。
空餘金碗出,無複穗帷輕。
陵御陵に敬いのためともに埋葬された黄金の「わん」が掘りだされてまた、死者を人間界へ出だす様なことが盗賊の叛乱軍によってなされている、魏の曹操がした様に御陵を望んで伎楽を奏するために台上に軽らかに幔幕をはってこの地の気を安らかにするということはもうないのかもしれない。
毀廟天飛雨,焚宮火徹明。
叛乱軍が王朝軍の残党を追跡し、宗廟を打ち壊した、天はこれに悲しまれ大雨と風をふかせた、そして、宮殿を焚きごがし、その火は夜明けまで燃えて夜空を染めたのだ。
罘罳朝共落,棆桷夜同傾。
御殿の縁側に張られた鳥よけの網などのすべてが朝までに焼け落ち、くずれ落ちた、棆の木でできた窓格子の木は夜の間に同様に壊れ果てた。』
三月師逾整,群凶勢就烹。
略奪をほしいままにしてきた者たちを757年6月に粛宗が即位し、足かけ3カ月経過することで王朝軍の師団は整備され臨戦態勢に入ってきた。乱暴狼籍のまの異民族の人間と、唐人の不満分子が入り混じるものたちもその勢が釜茹での刑に処せられそうな雲行きになって来たのだ。
瘡痍親接戰,勇決冠垂成。#
3
この時、あなたは下あごの矢を受けた。身に傷をうけながら敵と戦をまじえられ、まずの成功に近いものであなたの勇決は第一等と賞されるものであった

妙譽期元宰,殊恩且列卿。幾時回節鉞,戮力掃欃槍?
圭竇三千士,雲梯七十城。恥非齊說客,秖似魯諸生。
通籍微班忝,周行獨坐榮。隨肩趨漏刻,短發寄簪纓。#4
徑欲依劉表,還疑厭隬衡。漸衰那此別,忍淚獨含情。
廢邑狐狸語,空村虎豹爭。人頻墜塗炭,公豈忘精誠。
元帥調新律,前軍壓舊京。安邊仍扈從。莫作後功名。#5

#1
詔して山西の将を発し、秋 隴右(ろうう)の兵を屯せしむ。
凄涼 部曲余る、燀赫(せきかく) 家声旧りたり。
雕鶚(ちょうがく) 時に乗じて去る、驊騮(かりゅう) 主を顧みて鳴く。
艱難 上策を須(ま)つ 容易 前程に即く
斜日 軒蓋(けんがい)に当り、高風 旆旌(はいせい) を巻く。
松悲しみて 天水冷かに、沙乱れて 雪山清し。
#2
虜に和するすら猶 恵に懐(な)つく、辺を防ぐに 詎(なん)ぞ敢て驚かさんや。
古来 異域に於ける、鎮静にして 専征を示す。
燕薊(えんけい) 封豕(ほうし)奔(はし)り、周秦 駭鯨(がいけい)触る。
中原何ぞ慘黷(しんとく)なる、遺孽(いげつ) 尚 縦横たり。
箭は入る昭陽殿、節は吹かる細柳の営。
内人 紅袖(こうしゅう)に泣き、王子白衣行く。
#3
宸極(しんきょく)妖星動き、園陵(えんりょう) 殺気 平かなり。
空しく余す金碗の出ずるを、復た穗帷(けいい)の軽き無し。
毀廟(きびょう)天雨を飛ばし、焚宮(ふんきゅう)火明に徹す。
罘罳(ふし) 朝に共に落ち、棆桷(りんかく) 夜 同じく傾く。』
三月 師 逾々整い、羣胡 勢 烹(に)らるるに就く。
瘡痍(そうい) 親(みずか)ら接戦す、勇決(ゆうけつ) 垂成(すいせい)に冠たり。
#4
妙誉(みょうよ) 元宰(げんさい)を期す、殊恩(しゅおん)且つ列卿(れつけい)。
幾時か 節鉞(せつえつ)を廻らし、力を戮(あ)わせて欃槍(ざんそう)を掃わん』
圭竇(けいとう) 三千の士、雲梯(うんてい)七十城。
恥ずらくは 斉の説客に非るを、秖(ただ)魯の諸生(しょせい)に似たり。
通籍(つうせき) 徴班(びはん)を忝(かたじけな)くす、周行(しゅうこう) 独坐 栄ゆ。
肩を随えて漏刻(ろうこく)に趨(おもむ)き、短髪 簪纓(しんえい)に寄す。
#5
径(ただちに)に劉表(りゅうひょう)に依らんと欲す、還た疑う隬衡(でいこう)を厭(いと)わんかと。
漸(ようや)く衰(おとろ)う 那ぞ此に別れん,淚を忍びて獨り情を含む。』
廃邑(はいゆう) 狐狸(こり) 語り、空邨(くうそん) 虎豹(こひょう)争う。
人頻(しき)りに塗炭(とたん)に墜つ、公豈(こうあ)に精誠(せいせい)を忘れんや。
元帥(げんすい) 新律(しんりつ)を調え、前軍(ぜんぐん) 旧京を圧す。
邊を安じて仍って扈從(こじゅう)し。功名に後(おく)るること作す莫れ

gogyu10680


奉送郭中丞兼太樸卿充隴右節度使三十韻 現代語訳と訳註
(本文) #3
宸極妖星動,園陵殺氣平。空餘金碗出,無複穗帷輕。
毀廟天飛雨,焚宮火徹明。罘罳朝共落,棆桷夜同傾。
三月師逾整,群凶勢就烹。瘡痍親接戰,勇決冠垂成。


(下し文) #3
宸極(しんきょく)妖星動き、園陵(えんりょう) 殺気 平かなり。
空しく余す金碗の出づるを、復た穗帷(けいい)の軽き無し。
毀廟(きびょう)天雨を飛ばし、焚宮(ふんきゅう)火明に徹す。
罘罳(ふし) 朝に共に落ち、棆桷(りんかく) 夜 同じく傾く。』
三月 師 逾々整い、羣胡 勢 烹(に)らるるに就く。
瘡痍(そうい) 親(みずか)ら接戦す、勇決(ゆうけつ) 垂成(すいせい)に冠たり。


(現代語訳)
大空の中心でかがやいているべき天子の星うすれ、不吉をあらわす星の彗星が光をうごかしている、歴代天子の山陵には殺伐の気がみなぎり、高い陵を平らにするほど高く被いみなぎっているのだ。
陵御陵に敬いのためともに埋葬された黄金の「わん」が掘りだされてまた、死者を人間界へ出だす様なことが盗賊の叛乱軍によってなされている、魏の曹操がした様に御陵を望んで伎楽を奏するために台上に軽らかに幔幕をはってこの地の気を安らかにするということはもうないのかもしれない。
叛乱軍が王朝軍の残党を追跡し、宗廟を打ち壊した、天はこれに悲しまれ大雨と風をふかせた、そして、宮殿を焚きごがし、その火は夜明けまで燃えて夜空を染めたのだ。
御殿の縁側に張られた鳥よけの網などのすべてが朝までに焼け落ち、くずれ落ちた、棆の木でできた窓格子の木は夜の間に同様に壊れ果てた。』
略奪をほしいままにしてきた者たちを757年6月に粛宗が即位し、足かけ3カ月経過することで王朝軍の師団は整備され臨戦態勢に入ってきた。乱暴狼籍のまの異民族の人間と、唐人の不満分子が入り混じるものたちもその勢が釜茹での刑に処せられそうな雲行きになって来たのだ。
この時、あなたは下あごの矢を受けた。身に傷をうけながら敵と戦をまじえられ、まずの成功に近いものであなたの勇決は第一等と賞されるものであった。


sas0033
(訳注) #3
宸極妖星動,園陵殺氣平。
大空の中心でかがやいているべき天子の星うすれ、不吉をあらわす星の彗星が光をうごかしている、歴代天子の山陵には殺伐の気がみなぎり、高い陵を平らにするほど高く被いみなぎっているのだ。
宸極 天の中心をいう、帝星の在る所。・宸 天子のおわすところ。天子の住まいの屋根。大空。仙界、天上、皇帝というものは一体化しており、ここでは大空の中で微動だにしない中心を言う。○妖星 不吉をあらわす星。彗星、ほうき星を指す。○動 星の光がうごく。○園陵 天子の山陵をいう。陵には園があって属する。鳳翔から長安まで歴代王朝皇帝陵がある。○殺気平 殺伐の気が高い陵を平らにおおう。


空餘金碗出,無複穗帷輕。
陵御陵に敬いのためともに埋葬された黄金の「わん」が掘りだされてまた、死者を人間界へ出だす様なことが盗賊の叛乱軍によってなされている、魏の曹操がした様に御陵を望んで伎楽を奏するために台上に軽らかに幔幕をはってこの地の気を安らかにするということはもうないのかもしれない。
空余 いたずらにそんなことがのこっている。金椀は黄金のお椀、陵墓中に葬った器物。出とは掘られて人間界へでること。皇帝の権威が落ち御陵を守る物が減って盛んに盗掘がなされることを言う。叛乱軍は組織的に盗掘した。○穗帷 穗は細くして目のあらい布、穗帷とはそれをもって作った幔幕。魏の曹操が死ぬとき遺言して銅爵台上に六尺の牀を施し穗帷を張り、その前に伎楽を奏して生日の如くし西陵(操の華を望ましめたとある。謝跳の「銅爵台」の詩に「繚惟ハ井幹二執り云々」とみえる。玄宗の陵墓を望んで伎楽を奏するものもないという意。
 
毀廟天飛雨,焚宮火徹明。

叛乱軍が王朝軍の残党を追跡し、宗廟を打ち壊した、天はこれに悲しまれ大雨と風をふかせた、そして、宮殿を焚きごがし、その火は夜明けまで燃えて夜空を染めたのだ。
毀廟 叛乱軍が洛陽・長安の宗廟をこわす。・毀1 破りこわす。「毀棄・毀傷・毀損/破毀」 2 悪口を言う。そしる。「毀誉/誹毀(ひき)・謗毀(ぼうき)廟にはそこを守る護軍隊が配置されていたので、軍が集結する恐れがあったので、軍事的に支配者の側は逃げ隠れしているものを追跡したことを言う。○天飛雨 雨は天の涙、天も悲感して雨をふらせる。○焚宮 南京の宮殿をやく。○徹明 明は天明、よあけ、徹はとおる、よあけまでとおしてもえる。


罘罳朝共落,棆桷夜同傾。』
御殿の縁側に張られた鳥よけの網などのすべてが朝までに焼け落ち、くずれ落ちた、棆の木でできた窓格子の木は夜の間に同様に壊れ果てた。』
罘罳 簷際(エンガワ)に張った鳥よけの網。『大雲寺贊公房四首 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 164』 「雨瀉暮簷竹,風吹春井芹。」とある。○棆桷 棆はクスに似る木、桷は格子になっている木を言う。○同傾 ひとしくゆがむ。


三月師逾整,群凶勢就烹。
略奪をほしいままにしてきた者たちを757年6月に粛宗が即位し、足かけ3カ月経過することで王朝軍の師団は整備され臨戦態勢に入ってきた。乱暴狼籍のまの異民族の人間と、唐人の不満分子が入り混じるものたちもその勢が釜茹での刑に処せられそうな雲行きになって来たのだ。
三月 玄宗が長安より逃げだしたのは757年天宝十五載(即ち至徳元載)の六月であり、この頃の年月計算は足かけを言うので6,7,8月が三カ月であるから作時の八月と合致する。○師逾整 唐王朝軍がいよいよ整う。時に王思礼は武功に軍し、王難得は西原に軍し、郭英乂は東原に軍した。○羣胡 もろもろの胡軍隊。異民族の人間と、唐人の不満分子が入り混じる。○就烹 釜茹での刑に処せられるような勢いになってきた。


瘡痍親接戰,勇決冠垂成。
この時、あなたは下あごの矢を受けた。身に傷をうけながら敵と戦をまじえられ、まずの成功に近いものであなたの勇決は第一等と賞されるものであった。
瘡痍 箭によるきり傷。致命傷ではない。○親接戦 英乂自身に敵と戦をまじえる。この年二月に安守忠が武功に寇(急襲)し、英乂は戦って不利な戦いをした。流失に頤(おとがい:したあご)を貫かれてが戦った。○勇決 勇武果決。○冠垂成 冠は他人の首となることをいう。垂成は成るになんなんとすること、功が成就しかけておることをいう。功垂レ成の時において英乂の勇武は第一である。

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