羌村三首 其三 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 222

羌村三首 其三
群鶏正乱叫、客至鶏闘争。
鶏がむらがっていままさに騒ぎ立てている、客人が来たのに驚きあって互いが戦っているようだ。
駆鶏上樹木、始聞扣柴荊。
その鶏(とり)たちを樹枝の囲いに追いやると、我家の柴といばらの戸をたたく音が聞こえてきた。
父老四五人、問我久遠行。
近所の年寄りたちが四五人である、わたしの長旅の苦労を慰問するということなのだ。
手中各有携、傾榼濁復清。
各自が手に手土産をさげておるのだ、壺からは濁り酒や清酒をかたむけてくれるのだ。
莫辞酒味薄、黍地無人耕。
酒の味が薄いというので嫌いだとこの宴会をしりぞいてはいけない、というのもきびの畑を耕す者がいないだことからなのだ。
兵革既未息、児童尽東征。
いくさはなかなか終わらない、若い者はすべてのものが東のいくさ場に出つくしているのだ。
請為父老歌、艱難愧深情。
ここでこの老人が歌うのをお許し願いたい、この艱難辛苦の世の中では心情の深さほど嬉しいことなのだ。
歌罷仰天嘆、四座涙縦横。
歌い終えると天に向かって嘆くのである、この宴座の人は  涙で頬を濡らしているのだ


其の三 
群鶏(ぐんけい)  正(まさ)に乱叫(らんきょう)し、客至るとき鶏(にわとり)闘争す。
鶏を駆(か)って樹木に上(のぼ)らしめ、始めて柴荊(さいけい)を扣(たた)くを聞く。
父老(ふろう)  四五人、我が久しく遠行(えんこう)せしを問う。
手中(しゅちゅう) 各々(おのおの)携うる有り、榼(こう)を傾くれば  濁(だく)復(ま)た清(せい)。

辞する莫(なか)れ 酒味(しゅみ)の薄きを、黍地(しょち)  人の耕(たがや)す無し。
兵革(へいかく)  既に未(いま)だ息(や)まず、児童(じどう)  尽(ことごと)く東征す。
請(こ)う  父老(ふろう)の為に歌わん、艱難(かんなん)  深情(しんじょう)に愧(は)ず」と。
歌(うた)罷(や)んで  天を仰いで嘆(たん)ずれば、四座(しざ)  涙縦横(じゅうおう)たり。


現代語訳と訳註
(本文)
群鶏正乱叫、客至鶏闘争。
駆鶏上樹木、始聞扣柴荊。
父老四五人、問我久遠行。
手中各有携、傾榼濁復清。
莫辞酒味薄、黍地無人耕。
兵革既未息、児童尽東征。
請為父老歌、艱難愧深情。
歌罷仰天嘆、四座涙縦横。


(下し文)
群鶏(ぐんけい)  正(まさ)に乱叫(らんきょう)し、客至るとき鶏(にわとり)闘争す。
鶏を駆(か)って樹木に上(のぼ)らしめ、始めて柴荊(さいけい)を扣(たた)くを聞く。
父老(ふろう)  四五人、我が久しく遠行(えんこう)せしを問う。
手中(しゅちゅう) 各々(おのおの)携うる有り、榼(こう)を傾くれば  濁(だく)復(ま)た清(せい)。

辞する莫(なか)れ 酒味(しゅみ)の薄きを、黍地(しょち)  人の耕(たがや)す無し。
兵革(へいかく)  既に未(いま)だ息(や)まず、児童(じどう)  尽(ことごと)く東征す。
請(こ)う  父老(ふろう)の為に歌わん、艱難(かんなん)  深情(しんじょう)に愧(は)ず」と。
歌(うた)罷(や)んで  天を仰いで嘆(たん)ずれば、四座(しざ)  涙縦横(じゅうおう)たり。


(現代語訳)
鶏がむらがっていままさに騒ぎ立てている、客人が来たのに驚きあって互いが戦っているようだ。
その鶏(とり)たちを樹枝の囲いに追いやると、我家の柴といばらの戸をたたく音が聞こえてきた。
近所の年寄りたちが四五人である、わたしの長旅の苦労を慰問するということなのだ。
各自が手に手土産をさげておるのだ、壺からは濁り酒や清酒をかたむけてくれるのだ。
酒の味が薄いというので嫌いだとこの宴会をしりぞいてはいけない、というのもきびの畑を耕す者がいないだことからなのだ。
いくさはなかなか終わらない、若い者はすべてのものが東のいくさ場に出つくしているのだ。
ここでこの老人が歌うのをお許し願いたい、この艱難辛苦の世の中では心情の深さほど嬉しいことなのだ。
歌い終えると天に向かって嘆くのである、この宴座の人は  涙で頬を濡らしているのだ。



(訳注) 羌村三首 其の三
群鶏正乱叫、客至鶏闘争。
鶏がむらがっていままさに騒ぎ立てている、客人が来たのに驚きあって互いが戦っているようだ。


駆鶏上樹木、始聞扣柴荊。
その鶏(とり)たちを樹枝の囲いに追いやると、我家の柴といばらの戸をたたく音が聞こえてきた。


父老四五人、問我久遠行。
近所の年寄りたちが四五人である、わたしの長旅の苦労を慰問するということなのだ。


手中各有携、傾榼濁復清。
各自が手に手土産をさげておるのだ、壺からは濁り酒や清酒をかたむけてくれるのだ。


莫辞酒味薄、黍地無人耕。
酒の味が薄いというので嫌いだとこの宴会をしりぞいてはいけない、というのもきびの畑を耕す者がいないだことからなのだ。
黍地 きびの畑。耕す人は酒をつくる人が少ないこと。


兵革既未息、児童尽東征
いくさはなかなか終わらない、若い者はすべてのものが東のいくさ場に出つくしているのだ。
兵革 「兵」は刀・槍などの武器、「革」は鎧(よろい)・兜(かぶと)の意。古くは「へいがく」とも》 1 戦争のための武器・甲冑(かっちゅう)。兵甲。 2 戦争。たたかい。


請為父老歌、艱難愧深情。
ここでこの老人が歌うのをお許し願いたい、この艱難辛苦の世の中では心情の深さほど嬉しいことなのだ。


歌罷仰天嘆、四座涙縦横。
歌い終えると天に向かって嘆くのである、この宴座の人は  涙で頬を濡らしているのだ。


解説

 鶏が騒ぐので村の長老たちも帰還の祝いにやってきたのがわかった。都朝廷の左拾遺である。村人たちにとっては天子の謁見できる高官である。村人の心深い酒を情けに涙するのである。

村の長老たちは酒の味が薄いのは、若者が戦争に出てしまって畑を耕す者がいないからだと弁解なのか、苦しみを訴えるのか、早くいくさがなくなることを心から願うのである。
 杜甫は村人のために詩を詠うのである。艱難辛苦の時代、誰もが同じ思いの宴であった。
この詩の特徴は、杜甫には珍しく平易な語句で作られている。おそらく、村人にその場で披露し他ものであろう。平易で心温まる詩である。

hinode0200

blogram投票ボタン

毎日それぞれ一首(長詩の場合一部分割掲載)kanbuniinkai紀 頌之の漢詩3ブログ
05rihakushi350

李白詩350首kanbuniinkai紀頌之のブログ

700Toho shi

kanbuniinkai11の頌之漢詩 杜甫詩700首

800tousouSenshu
kanbuniinkai10 頌之の漢詩 唐宋詩人選集 Ⅰ李商隠150首 Ⅱ韓退之(韓愈)Ⅶ孟郊
各詩人についてはブログ内の検索を利用したほうが良い場合もあります。
burogutitl770

http://kanshi100x100.blog.fc2.com/


唐宋詩 
(Ⅰ李商隠Ⅱ韓退之(韓愈))350
李白詩INDEX02
李商隠INDEX02
杜甫詩INDEX02