送鄭十八虔貶台州司戶、傷其臨老隋賊之故閲馬面別情見於詩 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 231

粛宗は、洛陽奪還の翌日、10月19日に鳳翔を出発し、10月23日に長安に帰った。そうして、10月中旬に鳳翔に帰っていた杜甫は、粛宗と一緒に長安に帰えることができたのである。

757年 至徳二載十二月、巳に長安に在っての作。46歳


送鄭十八虔貶台州司戶、傷其臨老隋賊之故閲馬面別情見於詩
鄭虔が台州の司戸参軍に貶められてゆくのを送る詩である。鄭虔が老境になって安史軍に陥るに至った次第をきのどくに思い、自分はじかに面会して別れを告げることをしないのだ、自分の心持はこの詩のなかにあらわしているということとしてこの詩を作る。
鄭公樗散鬢成絲,酒後常稱老畫師。
鄭公は老朽無用の地のようなところに居られてその白髪の鬢毛はほつれて糸のごとく、酒をのんで後はいつも自分は老いたる「絵描き」にすぎぬといっておられたものだ。
萬裡傷心嚴譴日,百年垂死中興時。
このたび厳罰を蒙って遠き万里の地へながされるというのは実にお気のどくであり、私の心を痛めるものなのだ。危うく滅亡しかかった王朝をこの聖天子が中興せられるというめでたい時節に鄭虔公の生涯は死に近づこうとしているのである。
蒼惶已就長途往,邂逅無端出餞遲。
わたしは出かけていってお見送りするには遅かったために、自然お会いするにも理由が無くなってしまった、鄭虔公はもはや長き旅程に就いてしまわれたのだ。
便與先生成永訣,九重泉路盡交期!
このわかれでこれが先生との永久のお別れとなるのだろうと思う。先生とわたしとまたお会いして交情の約束をする場所となるのはこの現世かぎりではない九重の黄泉の国もまたその地であると思う。


迭鄭十八度定台州司戸傷其臨老隋賊之故閲馬面別情見於詩

鄭虔が台州の司戸参軍に貶められてゆくのを送る詩である。鄭虔が老境になって安史軍に陥るに至った次第をきのどくに思い、自分は じかに面会して 別れを告げることをしないのだ、自分のこころもちはこの詩のなかにあらわしているということなのだ。

(鄭十八度が台州の司戸に乾せらるるを送る 其の老に臨み賊に陥るの故を傷み 面別を為すことを開く 情詩に見ゆ)

鄭公樗散贅糸を成す、酒後常に称す老画師と。
万里心を傷ましむ厳講の日、百年死に垂とす中興の時。
蒼惶己に長途の往に就く、遼遠端無く出餞遅し。
便ち先生と応に永訣するなるぺべし、九重の泉路尽く交期。

douteikoshoko297


現代語訳と訳註
(本文)
送鄭十八虔貶台州司戶、傷其臨老隋賊之故閲馬面別情見於詩
鄭公樗散鬢成絲,酒後常稱老畫師。
萬裡傷心嚴譴日,百年垂死中興時。
蒼惶已就長途往,邂逅無端出餞遲。
便與先生成永訣,九重泉路盡交期!

(下し文)
(鄭十八度が台州の司戸に乾せらるるを送る、其の老に臨み賊に陥るの故を傷み 面別を為すことを開く 情詩に見ゆ)

鄭公樗散贅糸を成す、酒後常に称す老画師と。
万里心を傷ましむ厳講の日、百年死に垂とす中興の時。
蒼惶己に長途の往に就く、遼遠端無く出餞遅し。
便ち先生と応に永訣するなるぺべし、九重の泉路尽く交期。



(現代語訳)
鄭虔が台州の司戸参軍に貶められてゆくのを送る詩である。鄭虔が老境になって安史軍に陥るに至った次第をきのどくに思い、自分はじかに面会して別れを告げることをしないのだ、自分の心持はこの詩のなかにあらわしているということとしてこの詩を作る。

鄭公は老朽無用の地のようなところに居られてその白髪の鬢毛はほつれて糸のごとく、酒をのんで後はいつも自分は老いたる「絵描き」にすぎぬといっておられたものだ。
このたび厳罰を蒙って遠き万里の地へながされるというのは実にお気のどくであり、私の心を痛めるものなのだ。危うく滅亡しかかった王朝をこの聖天子が中興せられるというめでたい時節に鄭虔公の生涯は死に近づこうとしているのである。
わたしは出かけていってお見送りするには遅かったために、自然お会いするにも理由が無くなってしまった、鄭虔公はもはや長き旅程に就いてしまわれたのだ。
このわかれでこれが先生との永久のお別れとなるのだろうと思う。先生とわたしとまたお会いして交情の約束をする場所となるのはこの現世かぎりではない九重の黄泉の国もまたその地であると思う。


(訳注)
送鄭十八虔貶台州司戶、傷其臨老隋賊之故閲馬面別情見於詩

鄭虔が台州の司戸参軍に貶められてゆくのを送る詩である。鄭虔が老境になって安史軍に陥るに至った次第をきのどくに思い、自分はじかに面会して別れを告げることをしないのだ、自分の心持はこの詩のなかにあらわしているということとしてこの詩を作る。
 罪により官をおとされる。〇台州司戸 台州は今の浙江省台州府、司戸は司戸参軍。○臨老陥賊 老年になって賊軍の中へおちこみその偽官を受けた事。安禄山の軍が長安へ攻め入った時、じん鄭虔はおびやかされて叛乱軍より水部郎中の官を授けられた。叛乱軍から長安洛陽を奪還し、叛乱軍に結果として協力した官吏を至徳二載十二月に六等に分けてその罪をきめた。鄭虔は死刑となるはずであったのを雀円というものの救いにより貶官にされたのだ。○ 事のわけをいう。塵は賊に陥り官を授けられたが風疾(ちゅうき)にかこつけ市の役人となり潜かに賊情を朝廷へ報知した等の事がある。○面別 直接対面して別れをする。

○杜甫は、儒者である鄭虔を尊敬しており、これまで以下の詩に取り上げている。

陪鄭広文遊何将軍山林十首 其一 杜甫:kanbuniinkai紀頌之の漢詩 誠実な詩人杜甫特集 55

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陪鄭広文遊何将軍山林十首 其四 杜甫:kanbuniinkai紀頌之の漢詩 誠実な詩人杜甫特集 58

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鄭公樗散鬢成絲,酒後常稱老畫師。
鄭公は老朽無用の地のようなところに居られてその白髪の鬢毛はほつれて糸のごとく、酒をのんで後はいつも自分は老いたる「絵描き」にすぎぬといっておられたものだ。
樗散 樗は「荘子」逍遥遊篇に、散木は同書人間世篇に見える。樗は無用の大木の名、散木とは不材のためうちすててある木をいう。ここは老朽無用の地にあることをいう。○成糸 白髪のほつれたさまをいう。○酒後 酒をのんだのち、酔後をいう。○ 鄭虔が自ずからいう。○老画師 鄭虔は詩書画を善くし玄宗に三絶とはめられたほどの人。



萬裡傷心嚴譴日,百年垂死中興時。
このたび厳罰を蒙って遠き万里の地へながされるというのは実にお気のどくであり、私の心を痛めるものなのだ。危うく滅亡しかかった王朝をこの聖天子が中興せられるというめでたい時節に鄭虔公の生涯は死に近づこうとしているのである。
万里 浙江の台州までは遠く数千里、千里を超えたものは万里である。数百を超えたものは千里。○傷心 杜甫自身が心をいためること、詩題の傷其臨老隋賊の傷と同じ。○嚴譴日 厳しい御叱りを受けた時。〇百年 人の一生涯をいう。○垂死 鄭虔が年を取り、その上罪となったため、生きる意欲がなく死にちかづきつつあること。○中興時 粛宗が叛乱軍を逐いはらい、帝都をとりもどされた時節。衰退しかけた王朝を盛り返す時節ということ。


蒼惶已就長途往,邂逅無端出餞遲。
わたしは出かけていってお見送りするには遅かったために、自然お会いするにも理由が無くなってしまった、鄭虔公はもはや長き旅程に就いてしまわれたのだ。
○蒼惶 蒼惶ともにあわただしいさま。○長途往 長い旅程へとでかける。○邂逅 出会うこと。○無端 無由とおなじ、避退無端は無品二逝遽-の意、王慎中は此の句を「語を成さず」と評しているが必ずしもそうではない。○出餞遅 餞は餞別、はなむけ、みおくること。遅は時間がおそすぎたこと。此の三字は上の避遁無端の原因を説く、ただ詩句は「遅かったためあえぬ」というてあるが、事実は情に忍びずわざと見送りにゆかなかったことは題下の文に見えるとおりである。


便與先生成永訣,九重泉路盡交期!
このわかれでこれが先生との永久のお別れとなるのだろうと思う。先生とわたしとまたお会いして交情の約束をする場所となるのはこの現世かぎりではない九重の黄泉の国もまたその地であると思う。
先生 鄭虔をさす。○応永訣 応の字は推量の辞、永訣は死にわかれをいう。〇九重泉路 幾層もの泉下、冥途をいう。○交期 交情の約束をする場所であることをいう。



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