和賈舎人早朝大明宮之作 王維 杜甫の「奉和賈至舍人早朝大明宮」に関連した詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 234

758年春、賈至、王維、岑参、杜甫、四人の詩人が中書省と門下省に揃った。杜甫にとっては生涯で一番幸福な時期であった。王維は太子中允からすぐに中枢にもどり、中書舎人(正五品上)になっている。賈至が伝統的な七言律詩で宮廷風の詩『早朝大明宮呈両省僚友』を詠ったこれに対して、三人が唱和した・    

和賈舎人早朝大明宮之作   王維 
奉和中書賈舎人早朝大明宮  岑參
奉和賈至舍人早朝大明宮   杜甫


miyajima 693

   
和賈舎人早朝大明宮之作
絳幘雞人報暁籌、尚衣方進翠雲裘。
赤い制帽の時を知らせる役目の鶏人が 夜明けの時刻を告げると、天子は尚衣のものを召して深みどりの輝く御衣を着けられる。
九天閶闔開宮殿、万国衣冠拝冕旒。
九の天の真ん中、九重の天子の宮殿の御門が開かれる、すべての国王、諸侯は、賜った制服と冠を正している、それから冕旒の珠玉の飾の冠の天子を拝する。
日色纔臨仙掌動、香煙欲傍袞龍浮。
朝日が入ってきて部屋の中が次第にはっきり、色鮮やかになってくる天子御台が動く、御香があたりただよい、その中からおごそかに袞龍の天子は浮かび上がる。
朝罷須裁五色詔、佩声帰到鳳池頭。
朝賀の礼が終わるときまって五色の紐に飾られた詔勅の採下をいただく、官僚たちは佩玉の音を鳴らして   鳳池の金鑾殿の役務室にもどっていく。

賈舎人の「早に大明宮に朝す」の作に和す
絳幘【こうさく】の鶏人 暁籌【ぎょうちゅう】を報じ、尚衣【しょうい】方【まさ】に進む 翠雲の裘【きゅう】。
九天の閶闔(しょうこう) 宮殿を開き、万国の衣冠 冕旒【べんりゅう】を拝す
日色 纔【わず】かに仙掌【せんしょう】に臨んで動き、香煙 傍【そ】わんと欲して袞龍【こんりゅう】浮ぶ。
朝【ちょう】罷【や】んで須らく裁すべし 五色の詔、佩声【はいせい】は帰り到る 鳳池の頭【ひとり】。

長安城郭015


現代語訳と訳註
(本文)

絳幘雞人報暁籌、尚衣方進翠雲裘。
九天閶闔開宮殿、万国衣冠拝冕旒。
日色纔臨仙掌動、香煙欲傍袞龍浮。
朝罷須裁五色詔、佩声帰到鳳池頭。

(下し文)
絳幘【こうさく】の鶏人 暁籌【ぎょうちゅう】を報じ、尚衣【しょうい】方【まさ】に進む 翠雲の裘【きゅう】。
九天の閶闔(しょうこう) 宮殿を開き、万国の衣冠 冕旒【べんりゅう】を拝す
日色 纔【わず】かに仙掌【せんしょう】に臨んで動き、香煙 傍【そ】わんと欲して袞龍【こんりゅう】浮ぶ。
朝【ちょう】罷【や】んで須らく裁すべし 五色の詔、佩声【はいせい】は帰り到る 鳳池の頭【ひとり】。

(現代語訳)
赤い制帽の時を知らせる役目の鶏人が 夜明けの時刻を告げると、天子は尚衣のものを召して深みどりの輝く御衣を着けられる。
九の天の真ん中、九重の天子の宮殿の御門が開かれる、すべての国王、諸侯は、賜った制服と冠を正している、それから冕旒の珠玉の飾の冠の天子を拝する。
朝日が入ってきて部屋の中が次第にはっきり、色鮮やかになってくる天子御台が動く、御香があたりただよい、その中からおごそかに袞龍の天子は浮かび上がる。
朝賀の礼が終わるときまって五色の紐に飾られた詔勅の採下をいただく、官僚たちは佩玉の音を鳴らして   鳳池の金鑾殿の役務室にもどっていく。

唐朝 大明宮01


(訳注)
絳幘雞人報暁籌、尚衣方進翠雲裘。
赤い制帽の時を知らせる役目の鶏人が 夜明けの時刻を告げると、天子は尚衣のものを召して深みどりの輝く御衣を着けられる。
絳幘 赤い制帽。○鶏人【けいじん】 中国周代の時を知らせる役目の官名。○尚衣 皇帝の衣服を管理する部門の責任者。○翠雲裘 深みどりの輝く御衣。【裘】かわごろも. 毛皮で作った防寒用の衣。かわぎぬ。 僧衣。また、僧。 修行中の釈迦が鹿の皮をまとったという故事から. 【裘葛】きゅうかつ. 皮衣と 葛 ( くず ) 帷子 ( かたびら ) 。冬の衣服と夏の衣服。 転じて、冬から夏まで。一年。


九天閶闔開宮殿、万国衣冠拝冕旒。
九の天の真ん中、九重の天子の宮殿の御門が開かれる、すべての国王、諸侯は、賜った制服と冠を正している、それから冕旒の珠玉の飾の冠の天子を拝する。
九天 九の天の真ん中。○閶闔 仙界の門。天の門。 東藩を「左垣墻」、西藩を「右垣墻」とすることもある。また垣の南側の終点である左枢と右枢の間を「閶闔門」ということからいう。李白『梁甫吟』、『杜鵑花』、『燕臺詩四首』○衣冠 天子から賜った制服と冠。 ○冕旒 冕冠に垂らす、ひもで連ねた珠玉の飾り。
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日色纔臨仙掌動、香煙欲傍袞龍浮。
朝日が入ってきて部屋の中が次第にはっきり、色鮮やかになってくる天子御台が動く、御香があたりただよい、その中からおごそかに袞龍の天子は浮かび上がる。
日色 朝日が入ってきて部屋の中がはっきり、色鮮やかになってくるさま。○ わずかに。ついちょっと。○仙掌 「仙掌」とは河の神が華山を支える時に残した手形跡。○袞龍 天子の普段着であり、一日のスケジュールを始めて国政の仕事を務める間はもちろん、宮中パーティーの際にも装う。天子の帽子である翼善冠とともに、生涯を通して最も頻繁に着衣していた袞龍袍は、単なる衣服に止まらず、天子そのものを象徴する。


朝罷須裁五色詔、佩声帰到鳳池頭。
朝賀の礼が終わるときまって五色の紐に飾られた詔勅の採下をいただく、官僚たちは佩玉の音を鳴らして   鳳池の金鑾殿の役務室にもどっていく。
 朝礼、朝賀。○五色詔 五色の紐に飾られた詔勅。○佩声 官僚たちは佩玉の音を鳴らす。○鳳池 大明宮の大掖池。○ 金鑾殿の役務室。