岑参から杜甫に『寄左省杜拾遺』 249
寄左省杜拾遺(左省の杜拾遺に寄よす)岑参
五言律詩。微・歸・飛・稀(平声微韻)。

杜甫に推薦してもらって、補闕に採用された新人であるが、朝廷の中で、仕事がなく、相手にされず疎外感をもって、自棄になっている杜甫に対して、わたしも同じように仕事はないのだと詠ったものである。


寄左省杜拾遺
門下省左省の杜甫左十遺に寄せる。
聯歩趨丹陛、分曹限紫微。
門下省の官僚が列をそろえて丹庭から、丹の階に向かう、部局の限られたものだけが紫微殿に入る。
曉隨天仗入、暮惹御香歸。
朝の参事には天子の行列を護衛する兵にしたがってはいる。夕暮れてから宮中で焚かれる香の香りと一緒に紫微殿から帰る。
白髮悲花落、青雲羨鳥飛。
この白髪頭のわたしは春花が咲き誇っているのに散り落ちていくのを見ると悲しくなる。春霞の大空に鳥は飛んでいるのをうらやましく思う。
聖朝無闕事、自覺諫書稀。
この天子の治められる朝廷においては政治上の欠陥というものが全くない。わたしは職務である天子をいさめる書をすることなど稀なことでしかないのを感じている。


(左省の杜拾遺に寄よす)
歩を聯【つらね】て丹陛【たんぺい】に趨【はし】るも、曹を分って紫微【しび】に限らる。
曉には天仗【てんじょう】に随って入り、暮には御香【ぎょこう】を惹【ひい】て帰る。
白髪 花の落るを悲しみ、青雲 鳥の飛ぶを羨やむ。
聖朝【せいちょう】 闕事【けつじ】無く、自から覚ゆ 諫書【かんしょ】の稀なるを。

唐朝 大明宮2000


現代語訳と訳註
(本文)
寄左省杜拾遺
聯歩趨丹陛、分曹限紫微。
曉隨天仗入、暮惹御香歸。
白髮悲花落、青雲羨鳥飛。
聖朝無闕事、自覺諫書稀。


(下し文) (左省の杜拾遺に寄よす)
歩を聯【つらね】て丹陛【たんぺい】に趨【はし】るも、曹を分って紫微【しび】に限らる。
曉には天仗【てんじょう】に随って入り、暮には御香【ぎょこう】を惹【ひい】て帰る。
白髪 花の落るを悲しみ、青雲 鳥の飛ぶを羨やむ。
聖朝【せいちょう】 闕事【けつじ】無く、自から覚ゆ 諫書【かんしょ】の稀なるを。


(現代語訳)
門下省左省の杜甫左十遺に寄せる。
門下省の官僚が列をそろえて丹庭から、丹の階に向かう、部局の限られたものだけが紫微殿に入る。
朝の参事には天子の行列を護衛する兵にしたがってはいる。夕暮れてから宮中で焚かれる香の香りと一緒に紫微殿から帰る。
この白髪頭のわたしは春花が咲き誇っているのに散り落ちていくのを見ると悲しくなる。春霞の大空に鳥は飛んでいるのをうらやましく思う。
この天子の治められる朝廷においては政治上の欠陥というものが全くない。わたしは職務である天子をいさめる書をすることなど稀なことでしかないのを感じている。


(訳注)
寄左省杜拾遺

門下省左省の杜甫左十遺に寄せる。
左省  門下省。○杜拾遺  杜甫。拾遺は官名。左拾位であった。天子の過失をいさめる役。


聯歩趨丹陛、分曹限紫微。
歩を聯【つらね】て丹陛【たんぺい】に趨【はし】るも、曹を分って紫微【しび】に限らる。
門下省の官僚が列をそろえて丹庭から、丹の階に向かう、部局の限られたものだけが紫微殿に入る。
丹陛  朱で塗った宮殿の階段。○  部局。○紫微  紫微宮。外朝(含元殿)、中朝(宣政殿)、内朝(紫宸殿)これらをつなぐ庭は丹く塗られていた。


曉隨天仗入、暮惹御香歸。
曉には天仗【てんじょう】に随って入り、暮には御香【ぎょこう】を惹【ひい】て帰る。

朝の参事には天子の行列を護衛する兵にしたがってはいる。夕暮れてから宮中で焚かれる香の香りと一緒に紫微殿から帰る
天仗  天子の行列を護衛する兵。○御香  宮中で焚かれる香の香り。


白髮悲花落、青雲羨鳥飛。
白髪 花の落るを悲しみ、青雲 鳥の飛ぶを羨やむ。
この白髪頭のわたしは春花が咲き誇っているのに散り落ちていくのを見ると悲しくなる。春霞の大空に鳥は飛んでいるのをうらやましく思う。


聖朝無闕事、自覺諫書稀。
聖朝【せいちょう】 闕事【けつじ】無く、自から覚ゆ 諫書【かんしょ】の稀なるを。
この天子の治められる朝廷においては政治上の欠陥というものが全くない。わたしは職務である天子をいさめる書をすることなど稀なことでしかないのを感じている。
聖朝  時の朝廷を尊んでいうことば。○闕事  政治上の欠陥。○諫書  天子をいさめる書。


この頃の岑参の詩
HP漢文委員会岑参詩しい参照
758年
2月、載を年と改む。
6月、房官、分州刺史に流さる。この年、李白、夜郎に流さる。王之渙、王翰

44歳  在長安,任右補闕。  「寄左省杜拾遺」
乾元元年   詩
127  奉和中書賈至舍人早朝大明宮(春末作
128  西掖省即事(春末)
129  寄左省杜拾遺(春末)
130  送人歸江寧(姑繫此年)
131  送揚州王司馬(同上)
132  送許拾遺恩歸江寧拜親(本年春夏間作于長安)
133  懷葉縣關操姚擴韓涉李叔齊
 hinode0200

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