寄高三十五詹事  杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 268


太子少居事の官である高適に寄せた詩である。高適は至徳二載に揚州大都督府長史・准南節度使となって、永王燐を淮なんで破った功績があるにもかかわらず、、宦官の李輔国がしばしば高適を天子にあしざまにいったために太子少詹事を授けられた。詹事は東宮の三寺・十率府の政令を掌る、少詹事は詹事の副官で正四品上である。758年乾元元年の作。


寄高三十五詹事
安穩高詹事,兵戈久索居。
高適詹事君!戦の騒ぎで久しく離れ離れになっていますが、君は元気で暮らしていることでしょう。
時來知宦達,歳晩莫情疏。
君は節度使から少庶事と官位を落されましたが、自分はもし時節がくれば君がきっと栄達することを知っています、歳の暮かかる頃なのに疎遠にはしててはいけない。
天上多鴻雁,池中足鯉魚。
空には鴻雁が多く飛び、池の中には鯉魚がたくさんいる。〔手紙を寄こす手立てはいくらもありそうなものだ。) 
相看過半百,不寄一行書?
かれこれしているうちに君は五十歳以上になった、それなのに一行ぐらいの手紙さえ寄こしてはくれない。(いったいどうしたのか。)

高三十五詹事【せんじ】に寄す
安穏【あんおん】なりや高詹事【せんじ】  兵戈【へいか】に久しく索居【さくきょ】す。
時来【とききた】らば宦の達せんことを知る、 歳晩【さいばん】情疎【じょうそ】なること莫れ。
天上に鴻雁【こうがん】多く、 池中に鯉魚【りぎょ】足れり。
相看て半百【はんばく】を過ぐるに、 一行【いつこう】の書を寄せず。


現代語訳と訳註
(本文)
寄高三十五詹事
安穩高詹事,兵戈久索居。
時來知宦達,歳晩莫情疏。
天上多鴻雁,池中足鯉魚。
相看過半百,不寄一行書?


(下し文)
高三十五詹事【せんじ】に寄す
安穏【あんおん】なりや高詹事【せんじ】  兵戈【へいか】に久しく索居【さくきょ】す。
時来【とききた】らば宦の達せんことを知る、 歳晩【さいばん】情疎【じょうそ】なること莫れ。
天上に鴻雁【こうがん】多く、 池中に鯉魚【りぎょ】足れり。
相看て半百【はんばく】を過ぐるに、 一行【いつこう】の書を寄せず。


(現代語訳)
高適詹事君!戦の騒ぎで久しく離れ離れになっていますが、君は元気で暮らしていることでしょう。
君は節度使から少庶事と官位を落されましたが、自分はもし時節がくれば君がきっと栄達することを知っています、歳の暮かかる頃なのに疎遠にはしててはいけない。
空には鴻雁が多く飛び、池の中には鯉魚がたくさんいる。〔手紙を寄こす手立てはいくらもありそうなものだ。) 
かれこれしているうちに君は五十歳以上になった、それなのに一行ぐらいの手紙さえ寄こしてはくれない。(いったいどうしたのか。)


(訳注)
寄高三十五詹事
安穩高詹事,兵戈久索居

安穏なりや高詹(せん)事 兵戈(か)に久しく索居す
高適詹事君!戦の騒ぎで久しく離れ離れになっていますが、君は元気で暮らしていることでしょう。
安穏【あんおん】 おだやかに無事のさま。 ○兵戈【へいか】 戦。 ○索居【さくきょ】 散居、朋友がちりぢりになっている。 「礼記」檀弓箭を参照。


時來知宦達,歲晩莫情疏
時来らば官の達せんことを知る 歳晩情疎なること莫れ
君は節度使から少庶事と官位を落されましたが、自分はもし時節がくれば君がきっと栄達することを知っています、歳の暮かかる頃なのに疎遠にはしててはいけない。
時来:とききたらば よい時節がきたならば。 ○: 作者が予め知る。 ○宦達: 官吏として立身する。仕官の道がよくとおる、将来についていう。 李密『陳情表』「本圖宦達、不矜名節。」(本と宦達を図り、名節を矜らず。)○歳晩:さいばん 一年及び人生の晩暮をかねていう、秋より以後は歳晩という。 ○情疎:じょうそ 心が疎くなる。


天上多鴻雁,池中足鯉魚
天上に鴻雁多く 池中に鯉魚足れり
空には鴻雁が多く飛び、池の中には鯉魚がたくさんいる。〔手紙を寄こす手立てはいくらもありそうなものだ。) 
鴻雁【こうがん】秋にやって來る鳥。大きいものを鴻といい、小さいものを雁という。生活にあえぎさすらう民をいう。『詩経小雅』○鯉魚:りぎょ  表面は実物、裏面はてがみのこと、漢の蘇武が雁の足につけたてがみを天子が射て得たというはなしがある。また古人は絹に書信をかきそれを鯉魚の形状に結んだという。


相看過半百,不寄一行書
相看て半百を過ぐるに 一行の書を寄せず
かれこれしているうちに君は五十歳以上になった、それなのに一行ぐらいの手紙さえ寄こしてはくれない。(いったいどうしたのか。)
相看:あいみて たがいにみるみるうちに。 ○半百:はんばく 五十歳、これは適の年齢(57歳)についていうのであろう、作者は今年四十七歳。 〇一行書【いっこうのしょ】 一行ばかりの短い手紙。


韻:居、魚、書


寄高三十五詹事
安穩高詹事,兵戈久索居。
時來知宦達,歳晩莫情疏。
天上多鴻雁,池中足鯉魚。
相看過半百,不寄一行書?

高三十五詹事(せんじ)に寄す
安穏なりや高詹事  兵曳に久しく索居す
時来らば官の達せんことを知る
 歳晩情疎なること莫れ
天上に鴻雁多く 池中に鯉魚足れり
相看て半百を過ぐるに 一行の書を寄せず

参考
高適 (こうせき) 702年頃~765年渤海(ぼっかい)(山東省)の人。字(あざな)は達夫(たっぷ)。辺境の風物を歌った詩にすぐれた作が多い。辺塞の離情を多くよむ。50歳で初めて詩に志し、たちまち大詩人の名声を得て、1篇を吟ずるごとに好事家の伝えるところとなった。吐蕃との戦いに従事したので辺塞詩も多い。詩風は「高古豪壮」とされる。李林甫に忌まれて蜀に左遷されて汴州を通ったときに李白・杜甫と会い、悲歌慷慨したことがある。しかし、その李林甫に捧げた詩も残されており、「好んで天下の治乱を談ずれども、事において切ならず」と評された。『高常侍集』8巻がある。760年成都浣花草堂ト居の際、援助する。厳武とともに再三援助する。


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