留別賈嚴二閣老兩院補缺 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 275
(賈、嚴の二閣老、兩院の補闕に留別す,雲字を得る)

757年6月 鄜州方面へゆく人に書信を託して家族の安否を調べたが、三川県羌村からの返事はなかなか返ってこず、聞こえてくるのは鄜州方面は兵禍に遭って、鶏や子犬までが殺されてしまったという悲惨な噂だけ。杜甫の心配はつのり、家族は死に絶えてしまったのではないかと思う。

七月に鄜州の妻から返事が届き、家族全員が無事であるとわかる。
「述懷」は安禄山の叛乱軍に拘束され、そこから鳳翔の行在所に逃げ帰ったことなど、杜甫の周りの出来事、心境を述べたものであった。

「得家書」の詩は、安否問いあわせの手紙を出したのち、家族の方より返事を得て作った詩である。杜甫は鳳翔に逃げてきて3か月たっていた。製作時は至徳二載の秋七月、757年46歳である。
6月杜甫は、房琯を弁護する発言をした。それは粛宗の逆鱗に触れるものであり、臣にあるまじき行為として、処罰されるところ、郭子儀他近臣の助言により、鄜州の家族のもとに帰省する暇を与えることとなった。
この詩は、鄜州に出発を前にして、中書舎人賈至、給事中厳武、左右両院の拾遺補闕の諸公に留別の詩としたものである。厳挺之


留別賈嚴二閣老兩院補缺,得雲字
賈至・
厳挺之の二閣老に、左右院補闕の諸公に留別して詩を作る。押韻の雲を与えられたのでそれを踏んで作る。

田園須暫往,戎馬惜離群。
私は、このたび鄜州の羌村にどうしてもしばらくの間行ってこないといけない。この安史軍討伐の「兵馬の火急な折」に皆さんと別れていくのは心残りがある。
去遠留詩別,愁多任酒醺。
遠い所へ出発しようとしてこの詩を残してお別れする、思い悩むことばかり多くて、しかもそれを解決しないまま行ってしまうけれども、酒の酔いに任せてしまうことにするのだ。
一秋常苦雨,今日始無雲。
この秋はずっと降り続いた長雨にこまってしまったものだが、今日は、初めて雲もなく晴れ渡っている。
山路晴吹角,那堪處處聞!

これから私の往く 山道も晴れ渡っているが、異民族の角笛を聞くことになる。私はその笛の声を行く先々で聞いて本当に耐えることができるだろうか。

賈、嚴の二閣老、兩院の補闕に留別す,雲字を得る
田園 須【すべから】く暫【しばら】く往くべし,戎馬【じゅうば】離群【りぐん】を惜しむ。
遠きに去【ゆ】かんとして詩を留めて別る,愁 多くして酒の醺に任【まか】す。
一秋【いつしゅう】 常に雨に苦しむ,今日 始めて雲無し。
山路 晴に角を吹く,那ぞ堪【たえ】む處處に聞くに!

DCF00218

現代語訳と訳註
(本文) 留別賈嚴二閣老兩院補缺,得雲字

田園須暫往,戎馬惜離群。
去遠留詩別,愁多任酒醺。
一秋常苦雨,今日始無雲。
山路晴吹角,那堪處處聞!

(下し文) 賈、嚴の二閣老、兩院の補闕に留別す,雲字を得る
田園 須【すべから】く暫【しばら】く往くべし,戎馬【じゅうば】離群【りぐん】を惜しむ。
遠きに去【ゆ】かんとして詩を留めて別る,愁 多くして酒の醺に任【まか】す。
一秋【いつしゅう】 常に雨に苦しむ,今日 始めて雲無し。
山路 晴に角を吹く,那ぞ堪【たえ】む處處に聞くに!


(現代語訳)
賈至・厳挺之の二閣老に、左右院補闕の諸公に留別して詩を作る。押韻の雲を与えられたのでそれを踏んで作る。

私は、このたび鄜州の羌村にどうしてもしばらくの間行ってこないといけない。この安史軍討伐の「兵馬の火急な折」に皆さんと別れていくのは心残りがある。
遠い所へ出発しようとしてこの詩を残してお別れする、思い悩むことばかり多くて、しかもそれを解決しないまま行ってしまうけれども、酒の酔いに任せてしまうことにするのだ。
この秋はずっと降り続いた長雨にこまってしまったものだが、今日は、初めて雲もなく晴れ渡っている。
これから私の往く 山道も晴れ渡っているが、異民族の角笛を聞くことになる。私はその笛の声を行く先々で聞いて本当に耐えることができるだろうか。


(訳注)
留別賈嚴二閣老兩院補缺,得雲字
賈、嚴の二閣老、兩院の補闕に留別す,雲字を得る。
賈至・厳武の二閣老に、左右院補闕の諸公に留別して詩を作る。押韻の雲を与えられたのでそれを踏んで作る。
 中書舎人賈 

早朝大明宮呈両省僚友 賈至  杜甫「奉和賈至舍人早朝大明宮」   

送賈閣老出汝州 杜甫

詩人賈至、王維、岑参、裴迪、高適らとにともに唱和している。
 厳挺之 杜甫詩『奉贈巌八閣老
厳二 厳挺之。厳八は厳武、厳武の父挺之は作者の友人であり、武は後輩である。杜甫の強力な援助者である。特に成都紀行、成都浣花渓草堂期に世話になる。厳武が没して成都を離れる。 
閣老 唐人は給事中をよぶのに閣老といった。また、宰相は堂老といい、両省のものは閣老といった。閣老は両省呼びあうので、給事中をよぶのに限られるわけではない。又このとき厳武は給事中、杜甫は左拾遺であるから同じく門下省に属し同省であるが、両省で呼び合う口称しあったとおもわれる。
兩院補缺 門下省に左右の院があり、補闕はそれぞれ2名いた。
得雲字 押韻それぞれで分けてつくったもの。


田園須暫往,戎馬惜離群。
田園 須【すべから】く暫【しばら】く往くべし,戎馬【じゅうば】離群【りぐん】を惜しむ。
私は、このたび鄜州の羌村にどうしてもしばらくの間行ってこないといけない。この安史軍討伐の「兵馬の火急な折」に皆さんと別れていくのは心残りがある。
田園 鄜州羌村。○須暫往 どうしてもしばらくの間行ってこないといけない。○戎馬 兵馬。長安、洛陽の奪還の準備をしていたので杜甫は、徒歩で出発した。徒步歸行 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 200。○離群 詩題の詩人の仲間から離れることと、戎馬を自分が使用すると戦力が落ちるのでという意味と解釈できる。


去遠留詩別,愁多任酒醺。
遠きに去【ゆ】かんとして詩を留めて別る,愁 多くして酒の醺に任【まか】す。
遠い所へ出発しようとしてこの詩を残してお別れする、思い悩むことばかり多くて、しかもそれを解決しないまま行ってしまうけれども、酒の酔いに任せてしまうことにするのだ。
去遠 遠い所へ出発しようとしているさま。○留詩別 この詩を別れに際しておいて行く。○愁多任 思い悩むことばかりで、しかもそれを解決しないままで。○酒醺 酒の酔いに任せてしまうこと。


一秋常苦雨,今日始無雲。
一秋【いつしゅう】 常に雨に苦しむ,今日 始めて雲無し。
この秋はずっと降り続いた長雨にこまってしまったものだが、今日は、初めて雲もなく晴れ渡っている。
一秋常 この秋はずっと降り続いた。○苦雨 雨が降り続くことで困ってしまうさま。○始無雲 初めて雲のない御天気になること。喜晴 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 157

山路晴吹角,那堪處處聞!
山路 晴に角を吹く,那ぞ堪【たえ】む處處に聞くに!
これから私の往く 山道も晴れ渡っているが、異民族の角笛を聞くことになる。私はその笛の声を行く先々で聞いて本当に耐えることができるだろうか。
山路晴 山道も晴れ渡っている。街道沿いには安史軍でいっぱいなので歩くわけにいかない。○吹角 杜甫は、安禄山が洛陽長安を攻め落とすとき、白水奉先ルートを家族と共に避行している。その時に北方の異民族の角笛を聞いて恐怖を覚えた。彭衙行 杜甫 132 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 132 -#1
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