觀安西兵過赴關中待命二首 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 273
(安西の兵の過ぐるを観る 関中に赴きて命を待つなり二首 其の二)
觀安西兵過赴關中待命二首 其二
奇兵不在眾,萬馬救中原。
兵法は奇策を用うるのが貴いのであって、兵数がたくさんいるということが兵法ではない。この安西の兵は万馬を以て中原の地方を救おうとしているのだ。
談笑無河北,心肝奉至尊。
わらいばなしのうちにもはや河北の叛乱軍の情況を眼中に無しとするようなものである、その心はひとすじに我が天子へとささげているのだ。
孤雲隨殺氣,飛鳥避轅門。
天に一片の雲が浮かんでいて殺気はその雲に随うほどに高くのぼり、飛ぶ鳥も威風をはばかって軍門のあたりをよけてとおる。
竟日留歡樂,城池未覺喧。
軍隊では紀律も正しいから終日ここ華州にのこって歓楽しているようだけれども、ここの華州の城ではちっともやかましさをおぼえぬのである。
(安西の兵の過ぐるを観る 関中に赴きて命を待つなり二首 其の二)
奇兵【きへい】衆【しゅう】に在らず、万馬【ばんば】中原を救わんとす。
談笑 河北を無【な】みす、心肝【しんかん】至尊【しそん】に奉ず。
孤雲 殺気随い、飛鳥【ひちょう】轅門【えんもん】を避【さ】く。
竟日【きょうじつ】留まりて歓楽す、城池【じょうち】未【いま】だ喧【かまびす】しきを覚えず。
現代語訳と訳註
(本文)
觀安西兵過赴關中待命二首 其二
奇兵不在眾,萬馬救中原。
談笑無河北,心肝奉至尊。
孤雲隨殺氣,飛鳥避轅門。
竟日留歡樂,城池未覺喧。
(下し文)
(安西の兵の過ぐるを観る 関中に赴きて命を待つなり二首 其の二)
奇兵【きへい】衆【しゅう】に在らず、万馬【ばんば】中原を救わんとす。
談笑 河北を無【な】みす、心肝【しんかん】至尊【しそん】に奉ず。
孤雲 殺気随い、飛鳥【ひちょう】轅門【えんもん】を避【さ】く。
竟日【きょうじつ】留まりて歓楽す、城池【じょうち】未【いま】だ喧【かまびす】しきを覚えず。
(現代語訳)
兵法は奇策を用うるのが貴いのであって、兵数がたくさんいるということが兵法ではない。この安西の兵は万馬を以て中原の地方を救おうとしているのだ。
わらいばなしのうちにもはや河北の叛乱軍の情況を眼中に無しとするようなものである、その心はひとすじに我が天子へとささげているのだ。
天に一片の雲が浮かんでいて殺気はその雲に随うほどに高くのぼり、飛ぶ鳥も威風をはばかって軍門のあたりをよけてとおる。
軍隊では紀律も正しいから終日ここ華州にのこって歓楽しているようだけれども、ここの華州の城ではちっともやかましさをおぼえぬのである。
(訳注)
奇兵不在眾,萬馬救中原。
奇兵【きへい】衆【しゅう】に在らず、万馬【ばんば】中原を救わんとす。
兵法は奇策を用うるのが貴いのであって、兵数がたくさんいるということが兵法ではない。この安西の兵は万馬を以て中原の地方を救おうとしているのだ。
○奇兵 晋の安帝の時、沈田子がいうのに「兵は奇を用いるを貴ぶ、必しも衆に在らず。」と。首句は其の意をとる。〇万馬 多くの兵馬。○中原 黄河南北の地方。
談笑無河北,心肝奉至尊。
談笑 河北を無【な】みす、心肝【しんかん】至尊【しそん】に奉ず。
わらいばなしのうちにもはや河北の叛乱軍の情況を眼中に無しとするようなものである、その心はひとすじに我が天子へとささげているのだ。
○談笑 将士が談笑する。○無河北 無は無視すること。河北は河北道をさす、河北道は孟・懐・魂・博・相・衛・貝・壇等の二十九州を領しており、時に賊将安慶緒は相・衛に拠っていた。○心肝 こころ。○奉 ささげたてまつる。○至専 天子(粛宗)。
孤雲隨殺氣,飛鳥避轅門。
孤雲 殺気随い、飛鳥【ひちょう】轅門【えんもん】を避【さ】く。
天に一片の雲が浮かんでいて殺気はその雲に随うほどに高くのぼり、飛ぶ鳥も威風をはばかって軍門のあたりをよけてとおる。
○随殺気 殺気が雲にしたがい下よりたかくのぼる。○避境門 嬢は兵事のかじ棒、車をつんでその棒をむかいあわせに門形をつくる、輯門は軍門、遅くとはその威風をさけであたりをとおらぬこと。
竟日留歡樂,城池未覺喧。
竟日【きょうじつ】留まりて歓楽す、城池【じょうち】未【いま】だ喧【かまびす】しきを覚えず。
軍隊では紀律も正しいから終日ここ華州にのこって歓楽しているようだけれども、ここの華州の城ではちっともやかましさをおぼえぬのである。
○竟日 終日。○留 華州に逗留する。○城池 華州のしろ、ほり。
觀安西兵過赴關中待命二首 其二
奇兵不在眾,萬馬救中原。
談笑無河北,心肝奉至尊。
孤雲隨殺氣,飛鳥避轅門。
竟日留歡樂,城池未覺喧。
(安西の兵の過ぐるを観る 関中に赴きて命を待つなり二首 其の二) 奇兵【きへい】衆【しゅう】に在らず、万馬【ばんば】中原を救わんとす。 談笑 河北を無【な】みす、心肝【しんかん】至尊【しそん】に奉ず。 孤雲 殺気随い、飛鳥【ひちょう】轅門【えんもん】を避【さ】く。 竟日【きょうじつ】留まりて歓楽す、城池【じょうち】未【いま】だ喧【かまびす】しきを覚えず。 毎日それぞれ一首(長詩の場合一部分割掲載)kanbuniinkai紀 頌之の漢詩3ブログ kanbuniinkai11の頌之漢詩 杜甫詩700首
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