至日遣興,奉寄北省舊閣老、兩院故人二首 其一 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 280

758年 乾元元年11月華州での作。

至日遣興,奉寄北省舊閣老、兩院故人二首
其一

去歲茲晨捧禦牀,五更三點入鵷行。
冬至の日にむねのおもいをやるため門下・中書両省の旧官や両省の院にいる知りあいの人々に寄せた詩。
欲知趨走傷心地,正想氤氳滿眼香。
自分は去年の冬至の早朝には朝廷へまかりでて禦牀をあおぎたてまつり、五更三点の朝はやく諸官員の行列のなかへはいりこんだ。
無路從容陪語笑,有時顛倒著衣裳。
諸君に知ってもらいたくおもうのはわたしがことしは華州にいて、こんな田舎の悲しいところで上官の前で奔走して心を痛めていることを。
何人卻憶窮愁日,日日愁隨一線長。
そして、ちょうどいまは長安の宮殿で諸員の眼中、香煙がもやもや立ちのぼっているのだなと想像している。
自分は上官からよばれるので時として、きょうもそうだが、大急ぎにあわてて衣と裳とをあべこべに著けてでかけたりするが、もはやゆったりとして諸君にしたがってともに笑語するという方途はない。

(至日【しじつ】興を遣り,北省の舊閣老、兩院故人に寄せ奉る 二首)
去歳【きょさい】茲の晨 禦牀【ごしょう】を捧ず、五更三点 鵷行【えんこう】に入る。
知らんことを欲す傷心の地に趨走【すうそう】し、正に氤氳【いんうん】たる満眼の香を想うことを。
従容【しょうよう】として語笑【ごしょう】に陪するに路無し、時有ってか顛倒【てんとう】して衣裳を著く。
何人か却って憶わん窮愁の日、日日愁は一線に随って長きことを。

現代語訳と訳註
(本文)
至日遣興,奉寄北省舊閣老、兩院故人二首
其一
去歲茲晨捧禦牀,五更三點入鵷行。
欲知趨走傷心地,正想氤氳滿眼香。
無路從容陪語笑,有時顛倒著衣裳。
何人卻憶窮愁日,日日愁隨一線長。


(下し文) (至日【しじつ】興を遣り,北省の舊閣老、兩院故人に寄せ奉る 二首)其の二
去歳【きょさい】茲の晨 禦牀【ごしょう】を捧ず、五更三点 鵷行【えんこう】に入る。
知らんことを欲す傷心の地に趨走【すうそう】し、正に氤氳【いんうん】たる満眼の香を想うことを。
従容【しょうよう】として語笑【ごしょう】に陪するに路無し、時有ってか顛倒【てんとう】して衣裳を著く。
何人か却って憶わん窮愁の日、日日愁は一線に随って長きことを。


(現代語訳)
冬至の日にむねのおもいをやるため門下・中書両省の旧官や両省の院にいる知りあいの人々に寄せた詩。
自分は去年の冬至の早朝には朝廷へまかりでて禦牀をあおぎたてまつり、五更三点の朝はやく諸官員の行列のなかへはいりこんだ。
諸君に知ってもらいたくおもうのはわたしがことしは華州にいて、こんな田舎の悲しいところで上官の前で奔走して心を痛めていることを。そして、ちょうどいまは長安の宮殿で諸員の眼中、香煙がもやもや立ちのぼっているのだなと想像している。
自分は上官からよばれるので時として、きょうもそうだが、大急ぎにあわてて衣と裳とをあべこべに著けてでかけたりするが、もはやゆったりとして諸君にしたがってともに笑語するという方途はない。


(訳注)
至日遣興,奉寄北省舊閣老、兩院故人其一
冬至の日にむねのおもいをやるため門下・中書両省の旧官や両省の院にいる知りあいの人々に寄せた詩。
至日 冬至の日。○遣興 憂興を排遣すること。○北省 唐のとき門下省・中書省をさして北省という。○閣老 両省の官、たがいに敬称するとき閣老という。○両院 両省の院をさす。院はつめしょをいう、拾遺・補閲の官のつめし上をさす。○故人 旧知の人々、即ち作者の同僚。


去歲茲晨捧禦牀,五更三點入鵷行。
自分は去年の冬至の早朝には朝廷へまかりでて禦牀をあおぎたてまつり、五更三点の朝はやく諸官員の行列のなかへはいりこんだ。
去歳 至徳二載。○茲晨去年の冬至のあした。○ ささぐ、ここは心にて尊敬することをいう。○禦牀 天子の御椅子。〇五更 漏刻にて夜を五分し一更より五更までとする、五更はよあけのとき。〇三点 銅板の類を三つうつ、刻をしらせること。○鵷行 鵷はおおとり、行は行列、官員の列をたとえていう。


欲知趨走傷心地,正想氤氳滿眼香
諸君に知ってもらいたくおもうのはわたしがことしは華州にいて、こんな田舎の悲しいところで上官の前で奔走して心を痛めていることを。そして、ちょうどいまは長安の宮殿で諸員の眼中、香煙がもやもや立ちのぼっているのだなと想像している。
欲知 諸君が知ることをのぞむ。○趨走 作者が葦州の上官の前へでて奔走すること。○傷心地 華州に居るのは作者の好まぬ所である、因って心を傷ましめる地という。○正想 ちょうどそのとき想像する、作者が想像するのである。○氤氳 香煙のもやもやたつさま。〇滿眼香 眼中いっぱいの香煙、これは長安の宮中にあってのさま。


無路從容陪語笑,有時顛倒著衣裳。
自分は上官からよばれるので時として、きょうもそうだが、大急ぎにあわてて衣と裳とをあべこべに著けてでかけたりするが、もはやゆったりとして諸君にしたがってともに笑語するという方途はない。
無路 路とは方途、方法ということ。○従容 ゆったり。○ あとにしたがう。○語笑 在京の閣老故人の語笑。○有時 これは冬至についていうものだが冬至以外のときをもこめていうのによってかくいったものか。有時とは時としての義。○願倒著衣裳 「詩経」に「東方未ダ明ケズ、衣裳ヲ顛倒ス。」とみえる、あけがた公より召されるのによりいそいで衣裳をつけるため裳を衣に、衣を裳とたがえてきることをいう、此の句は作者が暁を侵して華州の役所へ出かけることをいう。


何人卻憶窮愁日,日日愁隨一線長。
わたしはいま毎日、窮愁の境遇に在って、その愁たるや冬至以後の太陽の時間が婦女の一線ぶんの仕事の長さだけながくなってゆくとおなじ様に長くなってゆくということをだれがおもうてくれるであろうか。
却憶 先方よりこちらをおもいだす。○窮愁日 日とは時に同じ、窮愁は困窮し且つ愁えること、「趙王は虞卿の助言を受け入れず、秦にだけ使者を送り講和を乞うたのです。」そのため、趙は大敗を喫した。戦国趙の虞卿の故事、ここは作者のさま。○随一線長 一線には二義があり、一には魂晋間の習俗で宮中において紅い線を以て日影を量るのに冬至以後は日影が一線の長さだけながくなるという、一線の長さ(尺寸)については記載を見ぬ。二は唐の宮中では女工を以て日の長短をはかるのに、冬至からはいつもにくらべて一線分だけ多くしごとができるという。同じ一線であるが前者は空間的、後者は時間的のはかりかたである。都から遠ざかる、影が長くなると、どちらにしても前向きでない朝廷を批判している。






至日遣興,奉寄北省舊閣老、兩院故人二首

其一

茲晨捧禦牀,五更三點入行。

欲知趨走傷心地,正想氤滿眼香。

無路從容陪語笑,有時顛倒著衣裳。

何人卻憶窮愁日,日日愁隨一線長。









(至日【しじつ】興を遣り,北省の舊閣老、兩院故人に寄せ奉る 二首)

去歳【きょさい】茲の晨 禦牀【ごしょう】を捧ず、五更三点 行【えんこう】に入る。

知らんことを欲す傷心の地に趨走【すうそう】し、正に氤【いんうん】たる満眼の香を想うことを。

従容【しょうよう】として語笑【ごしょう】に陪するに路無し、時有ってか顛倒【てんとう】して衣裳を著く。

何人か却って憶わん窮愁の日、日日愁は一線に随って長きことを。


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