孤雁(孤雁不飲啄) 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 283

孤雁
孤雁不飲啄、飛鳴声念羣。
群れから離れた孤雁は餌をつつきあって食べることはない、飛び上がって鳴くのは仲間をさがしている声なのだ。
誰憐一片影、相失万重雲。
誰かただ一羽の鳥の影を見て憐れむだろうか、幾重にも重なってつづく雲間にみちびかれて消え去っていくだけだ。
望尽似猶見、哀多如更聞。
群れに戻りたいと思い尽くしたことは左遷されてはいるが、望みを持ちたいと思うことであるが諦める状況なのに姿はいつまでも 見つづけているようだろう、悲しみはたくさんあるでもさらに悲しみの声が聞えてくる。
野鵶無意緒、鳴噪自粉粉。
そうかといって野カラスたちに近づくための糸口というもの、そうしようとする気持ちも全くない、カラスの騒がしく啼いているさまは自ずから粉まみれになって騒ぐだけのことである。(孤雁でいて寂しいと、カラスの群れの中に入っても仕方がない。粛宗の近臣、宦官が文人を遠ざけたことを揶揄している。朝廷に未練がなくなってきたのであろう。)


孤雁【こがん】は啄【ついば】みて飲【いん】せず、飛鳴【ひめい】するは 群を念【おも】う声なり。
誰か一片の影に憐れむや、相いに万重【ばんちょう】の雲に失する。
望み尽す 猶【な】お見るに似たりを、哀しみ多し 更に聞くが如し。
野鵶【やあ】  意緒【いしょ】無く、鳴噪【めいそう】  自【おのずか】ら粉粉【ふんぷん】たり。


現代語訳と訳註
(本文)

孤雁
孤雁不飲啄、飛鳴声念羣。
誰憐一片影、相失万重雲。
望尽似猶見、哀多如更聞。
野鵶無意緒、鳴噪自粉粉。


(下し文)
孤雁【こがん】 飲啄せず、飛鳴【ひめい】するは 群を念【おも】う声なり。
誰か一片の影に憐れむや、相い万重【ばんちょう】の雲に失する。
尽して猶【な】お見るに似たりを望み、多くして更に聞くが如しを哀しむ。
野鵶【やあ】  意緒【いしょ】無く、鳴噪【めいそう】  自【おのずか】ら粉粉【ふんぷん】たり。


(現代語訳)
群れから離れた孤雁は餌をつつきあって食べることはない、飛び上がって鳴くのは仲間をさがしている声なのだ。
誰かただ一羽の鳥の影を見て憐れむだろうか、幾重にも重なってつづく雲間にみちびかれて消え去っていくだけだ。
群れに戻りたいと思い尽くしたことは左遷されてはいるが、望みを持ちたいと思うことであるが諦める状況なのに姿はいつまでも 見つづけているようだろう、悲しみはたくさんあるでもさらに悲しみの声が聞えてくる。
そうかといって野カラスたちに近づくための糸口というもの、そうしようとする気持ちも全くない、カラスの騒がしく啼いているさまは自ずから粉まみれになって騒ぐだけのことである。(孤雁でいて寂しいと、カラスの群れの中に入っても仕方がない。粛宗の近臣、宦官が文人を遠ざけたことを揶揄している。朝廷に未練がなくなってきたのであろう。)


(訳注)
孤雁不飲啄、飛鳴声念羣。
孤雁【こがん】 飲啄せず、飛鳴【ひめい】するは 群を念【おも】う 声なり。
群れから離れた孤雁は餌をつつきあって食べることはない、飛び上がって鳴くのは仲間をさがしている声なのだ。
不飲啄 ついばむ、つつきあって餌を食べることをしない。子雁に噛み砕いてやることはない。南朝宋・何承天、『雉仔遊原澤篇』「飲啄雖勤苦、不願棲園林。」(飲啄 勤苦すと雖も、園林に棲むを願わず。)


誰憐一片影、相失万重雲。
誰か一片の影に憐れむや、相い万重【ばんちょう】の雲に失する。
誰かただ一羽の鳥の影を見て憐れむだろうか、幾重にも重なってつづく雲間にみちびかれて消え去っていくだけだ。
 たがいに。よくみる。みちびく。後ろに来る動詞を助ける。


望尽似猶見、哀多如更聞。
望み尽す 猶【な】お見るに似たりを、哀しみ多し 更に聞くが如し。
群れに戻りたいと思い尽くしたことは左遷されてはいるが、望みを持ちたいと思うことであるが諦める状況なのに姿はいつまでも 見つづけているようだろう、悲しみはたくさんあるでもさらに悲しみの声が聞えてくる。
○もう朝廷に復帰する望みは絶たれたのだ。仲間の文人たちも中央朝廷にはいない。みんな左遷されてしまった。


野鵶無意緒、鳴噪自粉粉。
野鵶【やあ】  意緒【いしょ】無く、鳴き噪【さわ】 ぎて 自【おのずか】ら粉粉【ふんぷん】たり。
そうかといって野カラスたちに近づくための糸口というもの、そうしようとする気持ちも全くない、カラスの騒がしく啼いているさまは自ずから粉まみれになって騒ぐだけのことである。(孤雁でいて寂しいと、カラスの群れの中に入っても仕方がない。粛宗の近臣、宦官が文人を遠ざけたことを揶揄している。朝廷に未練がなくなってきたのであろう。)
野鵶  のからす。鵶、鴉、雅は烏の別名。○意緒 こころうごくいとぐち。思いの端々。思いが糸のように細く多いこと。思緒。心緒。南斉、王融、『琵琶詩』「絲中傳意緒、花裏寄春情。」(絲中 意緒を伝え、花裏 春情を寄す。)○鳴噪 とりがさわがしくなく。ののしりある。○粉粉 こなまみれ。収拾がつかない状態をいう。


 安史の乱によって音信の途絶えていたすぐ下の異母弟、杜頴(とえい)弟から便りがあり、斉州(山東省済南市)の臨邑県で主簿をしていた。鄲州(山東省平陰県)に移って露命をつないでいるという。
 この便りで安心をしたが、洛陽の陸渾荘にやった継母の盧氏と幼い弟妹たちからの連絡はない。洛陽が奪回されて半年以上もたつのに何の連絡もないのだ。

他の詩人・文人・儒学者たちとは完全に接触はなくなり、家族とも離れ離れ、まさしく「孤雁」状態であった。
 杜甫には司功参軍としての仕事が山積していることは、『早秋苦熱堆案相仍』の中で述べている。

早秋苦熱堆安相仍 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 276

早秋苦熱堆案相仍
七月六日苦炎蒸,對食暫餐還不能。
每愁夜中自足蠍,況乃秋後轉多蠅。
束帶發狂欲大叫,簿書何急來相仍。
南望青松架短壑,安得赤腳蹋層冰?

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