李鄠縣丈人胡馬行 #1 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 284
鄠県の県令李某の外国産の馬のことをよんだうた。乾元元年冬洛陽へ赴くときの作


李鄠縣丈人胡馬行
丈人駿馬名胡騮,前年避胡過金牛。
丈人の駿馬は騎馬民族の名馬である。昨年の安禄山の乱をさけて金牛宮で過ごした。
回鞭卻走見天子,朝飲漢水暮靈州。
馬に鞭を打って、北に退却して天子はみえられた。朝早くに長安の水を飲ませていたが夕方には霊州の霊武に着かれていた。
自矜胡騮奇絕代,乘出千人萬人愛。
ご自分でも誇っておられる騎馬民族の名馬はどの時代の名馬よりも優れている。千人万人の民を愛して乗り出された。
一聞說盡急難才,轉益愁向駑駘輩。』
霊武に行在所を置かれ、此の急難の出来事を解決することを宣言された。そうして愁いにあふれたこの状況、凡庸の馬で支配している輩は驚くことであろう。

頭上銳耳批秋竹,腳下高蹄削寒玉。
始知神龍別有種,不比凡馬空多肉。
洛陽大道時再清,累日喜得俱東行。
鳳臆龍鬐未易識,側身注目長風生。』


(李鄠縣丈人が胡馬の行)
丈人の駿馬 胡騮【こりゅう】と名【なづ】く、前年胡を避けて金牛【きんぎゅう】を過【よぎ】る。
鞭を廻らし卻走して天子に見【まみ】ゆ、朝【あした】には漢水に飮【みづか】ひ暮には靈州。
自ら矜【ほこ】る胡驪【こりゅう】の絶代に奇なるに、乘出【じょうしゅつ】すれば千人萬人愛【め】づ。
一たび急難の材を説き盡すを聞き、轉た益愁ふ駑駘【どたい】の輩に向ふを。』
頭上の鋭耳【えいじ】 秋竹【しゅうちく】を批【そ】ぎ、脚下の高蹄【こうてい】 寒玉【かんぎょく】を削【けず】る。
始めて知る神龍の別に種有るを、俗馬【ぞくば】の空【むなし】く肉多きに比せず。
洛陽の大道 時に再び清く、累日【るいじつ】喜ぶらくは倶に東行するを得るを。
鳳臆【ほうおく】・龍鬐【りょうき】未だ識り易からず、身を側【そばだ】てて目を注【そそ】げば長風生ず。』



現代語訳と訳註
(本文)

丈人駿馬名胡騮,前年避胡過金牛。
回鞭卻走見天子,朝飲漢水暮靈州。
自矜胡騮奇絕代,乘出千人萬人愛。
一聞說盡急難才,轉益愁向駑駘輩。』

(下し文) (李鄠縣丈人が胡馬の行)
丈人の駿馬 胡騮【こりゅう】と名【なづ】く、前年胡を避けて金牛【きんぎゅう】を過【よぎ】る。
鞭を廻らし卻走して天子に見【まみ】ゆ、朝【あした】には漢水に飮【みづか】ひ暮には靈州。
自ら矜【ほこ】る胡驪【こりゅう】の絶代に奇なるに、乘出【じょうしゅつ】すれば千人萬人愛【め】づ。
一たび急難の材を説き盡すを聞き、轉た益愁ふ駑駘【どたい】の輩に向ふを。』


(現代語訳)
丈人の駿馬は騎馬民族の名馬である。昨年の安禄山の乱をさけて金牛宮で過ごした。
馬に鞭を打って、北に退却して天子はみえられた。朝早くに長安の水を飲ませていたが夕方には霊州の霊武に着かれていた。
ご自分でも誇っておられる騎馬民族の名馬はどの時代の名馬よりも優れている。千人万人の民を愛して乗り出された。
霊武に行在所を置かれ、此の急難の出来事を解決することを宣言された。そうして愁いにあふれたこの状況、凡庸の馬で支配している輩は驚くことであろう。


(訳注)
李鄠縣丈人胡馬行

李陝西の鄠県丈人の胡馬の歌
鄠県。陝西の西安府に属す。○丈人。老人の称、李丈人なり。知識者、徳行のある年寄。
 Ta唐 長安近郊圖  新02

人駿馬名胡騮,前年避胡過金牛。
丈人の駿馬 胡騮【こりゅう】と名【なづ】く、前年胡を避けて金牛【きんぎゅう】を過【よぎ】る。
丈人の駿馬は騎馬民族の名馬である。昨年の安禄山の乱をさけて金牛宮で過ごした。
胡騮。胡地の騨雛○金牛。春分を起点に十二にわけるうちの一つ。金午蛺なり陝西の漢中府に在り


回鞭卻走見天子,朝飲漢水暮靈州。
鞭を廻らし卻走して天子に見【まみ】ゆ、朝【あした】には漢水に飮【みづか】ひ暮には靈州。
馬に鞭を打って、北に退却して天子はみえられた。朝早くに長安の水を飲ませていたが夕方には霊州の霊武に着かれていた。
鞭を廻す。時に難を避けて漢中に在り、粛宗位に霊武に即く、故に鞭を廻して來りて天子に見ゆるなり○卻走 退却する。○霊州。霊武なり、寧夏衛に在り。


自矜胡騮奇絕代,乘出千人萬人愛。
自ら矜【ほこ】る胡驪【こりゅう】の絶代に奇なるに、乘出【じょうしゅつ】すれば千人萬人愛【め】づ。
ご自分でも誇っておられる騎馬民族の名馬はどの時代の名馬よりも優れている。千人万人の民を愛して乗り出された。


一聞說盡急難才,轉益愁向駑駘輩。』
一たび急難の材を説き盡すを聞き、轉た益愁ふ駑駘【どたい】の輩に向ふを。
霊武に行在所を置かれ、此の急難の出来事を解決することを宣言された。そうして愁いにあふれたこの状況、凡庸の馬で支配している輩は驚くことであろう。
急難の材。急を救ふの材あるをいふ、劉備の的驢檀渓を超えて其の主を救ふが如きなり。○駑駘。凡庸の馬

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