憶 弟 二首 其二(弟を憶う 二首其二) 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 291


済州にあった弟を思って作る。作者は乾元元年の冬、華州より洛陽に赴いた。 
その年の冬から翌年の二月ごろまで、杜甫は洛陽の東、肇県にある旧居に、どのような事情があったのか分からないが、帰っている。時に郭子儀ら九節度使の軍は二十万の兵を率いて、安慶緒を鄭城に包囲していたが、乾元二年759年)の二月、北の范陽に帰っていた史思明は南下して鄴城を救援し、三月に九節度使の軍は大敗した。郭子儀は敗軍をまとめ、洛陽を守るために河陽に陣を布いた。所用をすませて京肇県から洛陽を経て華州へ帰る途中、杜甫は都城で大敗した官軍が、潼関で、あるいは河陽で、洛陽防衛のための準備を急遽行なっているのに、出会い失望したのだ。

杜甫は帰途の見聞を「新安の吏」「潼関の吏」「石蒙の吏」および「新婚の別れ」「垂老の別れ」「無家の別れ」の、いわゆる三吏三別の詩に詠んだ。何年か前、長安で仕途を求めていたころに作った「兵車行」と同じ系列に属する、いわゆるリベラル社会派の詩であるが、「兵車行」がひたすら人民の立場に立って当時の辺境政策を批判したものであったのに比べ、このたびは、国難に際して、安史軍の撃退を切に願う思いと、戦乱の中で苦しんでいる人民への同情とがからみあった、矛盾の表現となっている。三吏三別の内「垂老別」は少し後、秦州に行っての作である。


憶弟二首 其一
喪亂聞吾弟,饑寒傍濟州。人稀書不到,兵在見何由。
憶昨狂催走,無時病去憂。即今千種恨,惟共水東流。

憶弟 二首其二(弟を憶う 二首)
其二
且喜河南定,不問鄴城圍。
自分は故郷へたちかえってまずまずこの河南地方が平定されたのをよろこんで、鄴城の囲みのことなんぞは強いて質問する気にはなれない。
百戰今誰在?三年望汝歸。
叛乱軍により百戦が続いており、今、十数人いた家族のだれが生きのこっているのだろうか。わたしは三年のあいだおまえがもどってくるのを心待ちに望んでいる。
故園花自發,春日鳥還飛。
しかし、このふるさとには花もひとりでにひらき、春の日に鳥もまた飛んでいる。、
斷絕人煙久,東西消息稀。
己に久しく人家の炊煙はとだえ、東西ともにたよりがめったにない。


(弟を憶う 二首其の二)
且【まさ】に河南の定まれるを喜ばんとす、鄴城の囲みたるを問わず。
百戦 今誰か在らんや、三年 汝が帰るを望む。
故園 花 自ら発し、春日 鳥 還た飛ぶ。
断絶して 人煙【じんえん】 久し、東西して消息稀なり。

現代語訳と訳註
(本文) 其二

且喜河南定,不問鄴城圍。
百戰今誰在?三年望汝歸。
故園花自發,春日鳥還飛。
斷絕人煙久,東西消息稀。

(下し文)(弟を憶う 二首其の二)
且【まさ】に河南の定まれるを喜ばんとす、鄴城の囲みたるを問わず。
百戦 今誰か在らんや、三年 汝が帰るを望む。
故園 花 自ら発し、春日 鳥 還た飛ぶ。
断絶して 人煙【じんえん】 久し、東西して消息稀なり。

(現代語訳)
自分は故郷へたちかえってまずまずこの河南地方が平定されたのをよろこんで、鄴城の囲みのことなんぞは強いて質問する気にはなれない。
叛乱軍により百戦が続いており、今、十数人いた家族のだれが生きのこっているのだろうか。わたしは三年のあいだおまえがもどってくるのを心待ちに望んでいる。
しかし、このふるさとには花もひとりでにひらき、春の日に鳥もまた飛んでいる。、
己に久しく人家の炊煙はとだえ、東西ともにたよりがめったにない。

(訳注)
且喜河南定,不問鄴城圍。

且【まさ】に河南の定まれるを喜ばんとす、鄴城の囲みたるを問わず。
自分は故郷へたちかえってまずまずこの河南地方が平定されたのをよろこんで、鄴城の囲みのことなんぞは強いて質問する気にはなれない。
河南定 汴州で反旗を翻すが、すぐに鎮圧した。 ○鄴城圍 郭子儀ら九節度使の軍は二十万の兵を率いて、安慶緒を鄭城に包囲していたが、759年乾元二年の二月、北の范陽に帰っていた史思明は南下して鄴城を救援し、三月に九節度使の軍は大敗した。
杜甫『観兵』詩にみえる。觀兵 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 286

百戰今誰在?三年望汝歸。
百戦 今誰か在らんや、三年 汝が帰るを望む。
叛乱軍により百戦が続いており、今、十数人いた家族のだれが生きのこっているのだろうか。わたしは三年のあいだおまえがもどってくるのを心待ちに望んでいる。
三年 至徳二載以後をいう。


故園花自發,春日鳥還飛。
故園 花 自ら発し、春日 鳥 還た飛ぶ。
しかし、このふるさとには花もひとりでにひらき、春の日に鳥もまた飛んでいる。、
故園 ふるさと、洛陽をさす。『春望』と重なる。もう二年もたつ


斷絕人煙久,東西消息稀。
断絶して 人煙【じんえん】 久し、東西して消息稀なり。
己に久しく人家の炊煙はとだえ、東西ともにたよりがめったにない。
人煙 民家炊事のけむり。○東西 東は弟、西は自己。○消息 たより。この聯の杜甫の表現が希望を捨てた感じがただよっている。




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憶弟二首其二

且喜河南定,不問城圍。

百戰今誰在?三年望汝歸。

故園花自發,春日鳥還飛。

人煙久,東西消息稀。


且喜ぶ河南の定まれるを 問わず
城の囲み

百戦今誰か在る 三年汝が帰るを望む

故国花自ら発く 春日鳥還た飛ぶ

断絶人煙久し 東西消息稀なり