秦州雜詩二十首 其十七 杜甫 第5部 <270> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1259 杜甫詩 700- 384



秦州雜詩二十首
秦州雜詩二十首 第一部(其の一から其四)
●秦州の概要について述べる。

秦州雜詩二十首 第二部(其の五から其八)
●秦州と戰について述べる。

秦州雜詩二十首 第三部(其の九から其の十二)
●秦州城内のようすや住居のことを詠っている。

秦州雜詩二十首 第四部(其の十三から其の十六)
●隠棲の場所として東柯谷、仇池山、西枝村の西谷を候補にする。いよいよ杜甫は、隠棲するのにいい場所を見つけたようだ。東柯谷である。

秦州雜詩二十首 第五部(其の十七から其の二十)


17秦州雜詩二十首 其十七
(東柯谷の雨中山居のさまをのぺる。)
邊秋陰易久,不複辨晨光。
辺地の秋に雨雲で昼でも暗く、夕がたになるとはやく暮れてしまいやすいし、秋の夜長がさらにながい朝の区別が谷あいのためわからないに加えて雲りのために夜が明けたからといっても日光が知り分けられるわけではない。
簷雨亂淋幔,山雲低度牆。
のきばにそそぐ雨はみだれて幔幕にしただり、山よりおこる雲はひくく土塀をこえつつある。
鸕鶿窺淺井,蚯蚓上深堂。
鵜の鳥は浅い井に餌があるかとのぞきこんでくる、みみずは奥のざしきまであがってくる。
車馬何蕭索,門前百草長。
訪いくる車馬はなくてひっそりさびしいものであり、門前にはたださまざまの草がせたかくのびている。
邊秋【へんしゅう】陰【くも】りて久しくなり易し、複た晨光【しんこう】をも辨【べん】ぜず。
簷雨【えんう】亂れて幔に淋り、山雲【さんうん】低【た】れて牆【しょう】を度【わた】る。
鸕鶿【ろじ】浅井【せんせい】を窺【うかが】い、蚯蚓【きゅういん】深堂【しんどう】に上る。
車馬何ぞ蕭索【しょうさく】たる、門前【もんぜん】百草【ひゃくそう】長し。

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18秦州雜詩二十首 其十八
地僻秋將盡,山高客未歸。塞雲多斷績,邊日少光輝。
警急烽常報,傳聞檄屢飛。西戎外甥國,何得迕天威。
 
19秦州雜詩二十首 其十九
鳳林戈未息,魚海路常難。候火雲峰峻,懸軍幕井幹。
風連西極動,月過北庭寒。故老思飛將,何時議築壇?
 
20秦州雜詩二十首 其二十
唐堯真自聖,野老複何知。曬藥能無婦?應門亦有兒。
藏書聞禹穴,讀記憶仇池。為報鴛行舊,鷦鷯寄一枝。
  


現代語訳と訳註
(本文) 秦州雜詩二十首 其十七
邊秋陰易久,不複辨晨光。
簷雨亂淋幔,山雲低度牆。
鸕鶿窺淺井,蚯蚓上深堂。
車馬何蕭索,門前百草長。


(下し文)
邊秋【へんしゅう】陰【くも】りて久しくなり易し、複た晨光【しんこう】をも辨【べん】ぜず。
簷雨【えんう】亂れて幔に淋り、山雲【さんうん】低【た】れて牆【しょう】を度【わた】る。
鸕鶿【ろじ】浅井【せんせい】を窺【うかが】い、蚯蚓【きゅういん】深堂【しんどう】に上る。
車馬何ぞ蕭索【しょうさく】たる、門前【もんぜん】百草【ひゃくそう】長し。
 

(現代語訳)
(東柯谷の雨中山居のさまをのぺる。)
辺地の秋に雨雲で昼でも暗く、夕がたになるとはやく暮れてしまいやすいし、秋の夜長がさらにながい朝の区別が谷あいのためわからないに加えて雲りのために夜が明けたからといっても日光が知り分けられるわけではない。
のきばにそそぐ雨はみだれて幔幕にしただり、山よりおこる雲はひくく土塀をこえつつある。
鵜の鳥は浅い井に餌があるかとのぞきこんでくる、みみずは奥のざしきまであがってくる。
訪いくる車馬はなくてひっそりさびしいものであり、門前にはたださまざまの草がせたかくのびている。


(訳注)
秦州雜詩二十首 其十七

(東柯谷の雨中山居のさまをのぺる。)


邊秋陰易久,不複辨晨光。
辺地の秋に雨雲で昼でも暗く、夕がたになるとはやく暮れてしまいやすいし、秋の夜長がさらにながい朝の区別が谷あいのためわからないに加えて雲りのために夜が明けたからといっても日光が知り分けられるわけではない。
辺秋 辺地の秋。異民族の国と接している国境の町である。○陰易久 秋の日は次第に短くなっていく曇っているとはやく暗くなりやすく夜が久しくなりやすい、黄昏が長いことをいう。○辨晨光 あさの日光を知り分ける、朝まだき、日昇、昇天、などの日光の違いが谷あいのためわからないに加えて雲りのために朝の区別がつかないことをいう。。


簷雨亂淋幔,山雲低度牆。
のきばにそそぐ雨はみだれて幔幕にしただり、山よりおこる雲はひくく土塀をこえつつある。
膏雨 のきのあめ。○幔幌 まくにしただる。

簷雨 : 山雲  、亂淋 : 低度 、幔 :

*同じ品詞を同じ位置に配置する修辞により、一層の強調がなされる。


鸕鶿窺淺井,蚯蚓上深堂。
鵜の鳥は浅い井に餌があるかとのぞきこんでくる、みみずは奥のざしきまであがってくる。
鸕鶿 うのとり。○虹矧 みみず。○深堂 奥ふかくひろいざしき。

鸕鶿 : 蚯蚓  、窺淺 : 上深 、井 :

*同じ品詞を同じ位置に配置する修辞により、一層の強調がなされる。

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車馬何蕭索,門前百草長。
訪いくる車馬はなくてひっそりさびしいものであり、門前にはたださまざまの草がせたかくのびている。
粛索 さびしいさま。