西枝村尋置草堂地,夜宿贊公土室二首 其二 の1 杜甫 <283-#1> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1304 杜甫詩 700- 399


(西枝村に草堂を置く地を尋ね、夜賛公が土室に宿す 二首)
秦州の近郊にある西枝村というところで、自分の草屋を設けるための地面をたずねて夜になり、賛公の穴居の室にとまったことをのべた詩である。759年乾元二年の秋冬の交の作。杜佐のいる東桐谷に居を定めた以後のことである。

乾元2年 759年 48歳
西枝村尋置草堂地,夜宿贊公土室二首 其一
出郭眄細岑,披榛得微路。溪行一流水,曲折方屢渡。
贊公湯休徒,好靜心跡素。昨枉霞上作,盛論岩中趣。』
怡然共攜手,恣意同遠步。捫蘿澀先登,陟巘眩反顧。
要求陽岡暖,苦涉陰嶺冱。惆悵老大藤,沈吟屈蟠樹。』
卜居意未展,杖策回旦暮。層巔餘落日,早蔓已多露。』


西枝村尋置草堂地夜宿賛公土室二首 其二
秦州の近郊の西枝村に草堂にふさわしい場所を尋ねる、夜になって賛公先生の窰洞居室に泊まる。(その2)
天寒鳥已帰、月出山更静。
空が抜ける寒さになって、もはや鳥はねぐらに帰ってしまったし、月があがってきたのであるが山はいままでよりもっと静かになったのである。
土室延白光、松門耿疎影。
土室の奥まで白いひかりがはいりこむ、入り口の門のように立っている松の木に雲に見え隠れする半月のかげを映している。
躋攀倦日短、語楽寄夜永。
晩秋の日の短くなったおりの山のぼりには疲れはてたが、おもしろく語りあうにはもってこいの秋の夜長である。
明然林中薪、暗汲石底井。』
月明りでたりないのは林の中からもってきた薪をもやすので明然とし明るいし、暗い石のそこから湧き出す澄み切った井の水を汲めるのでお茶をのむことができる。』
(西枝村に草堂を置く地を尋ね、夜 賛公が土室に宿す 二首 其の二)#1
天寒くして鳥は已【すで】に帰り、月出でて山は更に静かなり。
土室【どしつ】白光【はっこう】を延【ひ】き、松門【しょうもん】 疎影【そえい】耿【こう】たり。
躋攀【せいはん】 日の短きに倦【う】み、語楽【ごらく】夜の永きに寄す。
明【めい】 林中の薪を然やし、暗【あん】 石底【せきてい】の井【せい】を 汲む。

大師京国旧、徳業天機秉。従来支許遊、興趣江湖迥。
数奇謫関塞、道広存箕潁。何知戎馬間、復接塵事屏。』
幽尋豈一路、遠色有諸嶺。晨光稍朦朧、更越西南頂。』



現代語訳と訳註
(本文)
西枝村尋置草堂地夜宿賛公土室二首 其二
天寒鳥已帰、月出山更静。
土室延白光、松門耿疎影。
躋攀倦日短、語楽寄夜永。
明然林中薪、暗汲石底井。』


(下し文)
(西枝村に草堂を置く地を尋ね、夜 賛公が土室に宿す 二首 其の二)#1
天寒くして鳥は已【すで】に帰り、月出でて山は更に静かなり。
土室【どしつ】白光【はっこう】を延【ひ】き、松門【しょうもん】 疎影【そえい】耿【こう】たり。
躋攀【せいはん】 日の短きに倦【う】み、語楽【ごらく】夜の永きに寄す。
明【めい】 林中の薪を然やし、暗【あん】 石底【せきてい】の井【せい】を 汲む。


(現代語訳)
秦州の近郊の西枝村に草堂にふさわしい場所を尋ねる、夜になって賛公先生の窰洞居室に泊まる。(その2)
空が抜ける寒さになって、もはや鳥はねぐらに帰ってしまったし、月があがってきたのであるが山はいままでよりもっと静かになったのである。
土室の奥まで白いひかりがはいりこむ、入り口の門のように立っている松の木に雲に見え隠れする半月のかげを映している。
晩秋の日の短くなったおりの山のぼりには疲れはてたが、おもしろく語りあうにはもってこいの秋の夜長である。
月明りでたりないのは林の中からもってきた薪をもやすので明然とし明るいし、暗い石のそこから湧き出す澄み切った井の水を汲めるのでお茶をのむことができる。』


(訳注)
西枝村尋置草堂地夜宿賛公土室二首 其二

秦州の近郊の西枝村に草堂にふさわしい場所を尋ねる、夜になって賛公先生の窰洞居室に泊まる。(その2)
西枝村 秦州の近郊にある地と思われる。○草堂 くさや。作者の住家である。○土室 穴居の室、この地方は土地が乾燥しているために、崖壁をくりぬき区割を設けて居宅(窰洞ヤオトン)とする。『寄贊上人』で杜甫は、「近聞西枝西,有穀杉漆稠。」と西枝村に住みたい旨をのべた。


天寒鳥已帰、月出山更静。
空が抜ける寒さになって、もはや鳥はねぐらに帰ってしまったし、月があがってきたのであるが山はいままでよりもっと静かになったのである。


土室延白光、松門耿疎影。
土室の奥まで白いひかりがはいりこむ、入り口の門のように立っている松の木に雲に見え隠れする半月のかげを映している。
延白光 延は内部へひきいれること、白光は月のしろいひかり。○松門 対立した松の木。○ ひかるかたち。○疎影 松の枝をとおしてさしてくる半の月影。


躋攀倦日短、語楽寄夜永。
晩秋の日の短くなったおりの山のぼりには疲れはてたが、おもしろく語りあうにはもってこいの秋の夜長である。
 疲れていやになる。長く続けてぐったりし、うんざりする。○語楽 かたってたのしむ。


明然林中薪、暗汲石底井。』
月明りでたりないのは林の中からもってきた薪をもやすので明然とし明るいし、暗い石のそこから湧き出す澄み切った井の水を汲めるのでお茶をのむことができる。』
 明りを取ることをいう。月が上に昇ると土室に明かりがなくなる。○ 月が昇に対して、石の底、暗処をいう。語句の対語と状況の対句をあらわしている。
客をもてなすことの一番は「お茶」であることをあらわす。