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太平寺泉眼 杜甫
招提憑高岡,疏散連草莽。
太平寺に来て高い丘に寄り添ってある修行場にひかれていった、筋に別れ散らばって草むらが連なっている。
出泉枯柳根,汲引歲月古。
こんこんとわき出る泉が枯れた柳の根っこの方にある、この泉で水をくみ上げるのは歳月も古くからされているという。
石間見海眼,天畔縈水府。
岩場の間から垣間見えるそれは「海眼」というべきものである。天海のほとりになるのか水神の住むところとして栄えている。
廣深丈尺間,宴息敢輕侮。
ひろくてふかく身の丈以上あるだろう、これだと、落ち着いて安らかになることができるだろうし、おそれながら相手を軽くみてあなどらさせてもらうこともできるだろう。

招提【しょうだい】は 高き岡に憑【よ】り、疏散として 草莽【そうもう】に連なる。
泉の出ずるは 枯れし柳の根もと、汲み引かれて 歳月古し。
石間に 海眼を見,天畔は 縈水の府。
廣く深くして尺間を丈し,宴息して敢えて輕侮す。
青白二小蛇,幽姿可時睹。如絲氣或上,爛漫為雲雨。
山頭到山下,鑿井不盡土。取供十方僧,香美勝牛乳。

北風起寒文,弱藻舒翠縷。明涵客衣淨,細蕩林影趣。
何當宅下流,餘潤通藥圃。三春濕黃精,一食生毛羽。


現代語訳と訳註
(本文)
太平寺泉眼 杜甫
招提憑高岡,疏散連草莽。出泉枯柳根,汲引歲月古。
石間見海眼,天畔縈水府。廣深丈尺間,宴息敢輕侮。


(下し文)
招提【しょうだい】は 高き岡に憑【よ】り、疏散として 草莽【そうもう】に連なる。
泉の出ずるは 枯れし柳の根もと、汲み引かれて 歳月古し。
石間に 海眼を見,天畔は 縈水の府。
廣く深くして尺間を丈し,宴息して敢えて輕侮す。


(現代語訳)
太平寺に来て高い丘に寄り添ってある修行場にひかれていった、筋に別れ散らばって草むらが連なっている。
こんこんとわき出る泉が枯れた柳の根っこの方にある、この泉で水をくみ上げるのは歳月も古くからされているという。
岩場の間から垣間見えるそれは「海眼」というべきものである。天海のほとりになるのか水神の住むところとして栄えている。
ひろくてふかく身の丈以上あるだろう、これだと、落ち着いて安らかになることができるだろうし、おそれながら相手を軽くみてあなどらさせてもらうこともできるだろう。


(訳注)
太平寺泉眼

杜甫は秦州滞在期に病気にかかったりもしたが、健康なときには精力的に名所旧跡をたずね回っている。秋も押し迫ったある日、杜甫は秦州郊外の山中にある太平寺を訪れた。その寺には小さな泉があって、枯れた柳の根本から湧き水がこんこんと湧き出ている。杜甫はその噴泉に感激して詩を作った。


招提憑高岡,疏散連草莽。
太平寺に来て高い丘に寄り添ってある修行場にひかれていった、筋に別れ散らばって草むらが連なっている。
招提 修行場、書斎のような建物。○ 1 水路を分けて通す。「疏水・疏通」 2 関係が分け離れる。うとくなる。「疏遠」 3 粗末な。「疏食(そし)」 4 事柄の筋を分けていちいち説明する。「疏明/弁疏」○草莽 草むら。やぶ。『宋武帝教』「或疏散山林,不関進達。」『景帝纪』「広荐草莽。」草稠曰荐,深曰莽。転じて民間。在野。『後漢書、朱祐等傳論』「其懐道無聞、委身草莽者、亦何可勝言。」


出泉枯柳根,汲引歲月古。
こんこんとわき出る泉が枯れた柳の根っこの方にある、この泉で水をくみ上げるのは歳月も古くからされているという。
汲引 水をくみ上げる。水を引き入れる。ひとを引き上げる。


石間見海眼,天畔縈水府。
岩場の間から垣間見えるそれは「海眼」というべきものである。天海のほとりになるのか水神の住むところとして栄えている。
海眼 海水が陸地の底を通って湧き出す泉。潮の干満によって出没する泉。宝玉の名。〇天畔,言其高。〇水府 星の名。水神の住むところ。水中の区域。『楚辞』「凿山楹以为室,下披衣于水府。」《南征赋》:“曾潭水府。”


廣深丈尺間,宴息敢輕侮。
ひろくてふかく身の丈以上あるだろう、これだと、落ち着いて安らかになることができるだろうし、おそれながら相手を軽くみてあなどらさせてもらうこともできるだろう。
丈尺間 1尺=(10/33)メートルと規定されたので、1丈は約3.03メートルとなる。中国では1尺(市尺)=(1/3) ... 丈は古代中国に由来する。「丈」は長い棒を手に持った形をかたどったものであり、そこから身長、身の丈(みのたけ)を表すようになった。〇宴息 落ち着いて安らかになることをいう。〇敢輕侮 おそれながら相手を軽くみてあなどらさせてもらうこと。


招提【しょうだい】は 高き岡に憑【よ】り、疏散として 草莽【そうもう】に連なる。
泉の出ずるは 枯れし柳の根もと、汲み引かれて 歳月古し。
石間に 海眼を見,天畔は 縈水の府。
廣く深くして尺間を丈し,宴息して敢えて輕侮す。