東樓 杜甫 <286> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1325 杜甫詩 700- 406

     
  同じ日のブログ 
     1323悲哉行 謝霊運(康楽) 詩<76-#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩502 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1323 
     1324城南聯句 韓退之(韓愈)詩<64-#19>Ⅱ中唐詩415 紀頌之の漢詩ブログ1324 
     1325東樓 杜甫 <286> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1325 杜甫詩 700- 406 
   
 李商隠詩李商隠/韓愈韓退之(韓愈)・柳宗元・李煜・王安石・蘇東坡 
   2011/7/11李商隠 1 錦瑟 
      2011/7/11 ~ 2012/1/11 まで毎日掲載 全130首(187回) 
   2012/1/11 唐宋 Ⅰ李商隠187 行次西郊作一百韻  白文/現代語訳 (全文) 
     
《『東樓』 杜甫700の286首目、杜甫ブログ406回目》



秦州城の東の楼門(東楼門【とうろうもん】)のところで、沙州へゆく使者(吐蕃との局地戦)をみて作る。(759年晩秋)

秦州の秋、この年は雨降りが多かったようで、雨が降ると詩を作ったようで、この詩でも「城陰帶水昏」とあり、雨に絡んだ詩が多い。



東樓
萬裡流沙道,西行過此門。
ここの道路は万里の遠き流沙へ通ずる道である、唐の国から西へ向かう者はだれもみなこの門を通るのである。
但添新戰骨,不返舊徵魂。
使者がゆくけれど、ただ、こんども新しい戦骨がふえるばかりだろうし、これまでに西域征伐にでた人のたましいはもどってはいないのだ。
樓角淩風迥,城陰帶水昏。
楼の一角は風をしのいではるかに高くそびえ、城の南の方は水を帯びてくらくみえる。(雨降りの様子)
傳聲看驛使,送節向河源。
こだまのように人払いの声がきこえてくる、駅の役人がさきぶれのこえをさせているのがみえるのだ、そうして使節が黄河の水源の沙州の方へ向かうのを見送るのである。


現代語訳と訳註
(本文)

東樓
萬裡流沙道,西行過此門。
但添新戰骨,不返舊徵魂。
樓角淩風迥,城陰帶水昏。
傳聲看驛使,送節向河源。


(下し文)
(東 楼)
万里 流抄の道、西行 此の門を過ぎる。
但だ添う「新戦骨」、返らず「旧征魂」。
楼角 風を凌ぎて迥かに、城陰 水を帯びて昏し。
伝声 看る駅使が、節の河源に向こうを送る。


(現代語訳)
ここの道路は万里の遠き流沙へ通ずる道である、唐の国から西へ向かう者はだれもみなこの門を通るのである。
使者がゆくけれど、ただ、こんども新しい戦骨がふえるばかりだろうし、これまでに西域征伐にでた人のたましいはもどってはいないのだ。
楼の一角は風をしのいではるかに高くそびえ、城の南の方は水を帯びてくらくみえる。(雨降りの様子)
こだまのように人払いの声がきこえてくる、駅の役人がさきぶれのこえをさせているのがみえるのだ、そうして使節が黄河の水源の沙州の方へ向かうのを見送るのである。


(訳注)
東樓
秦州城郭東門
おなじような雰囲気を持った詩集

前出塞九首 其一 杜甫 <40> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ137 杜甫詩 700- 137

後出塞五首 其一 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 95

 

萬裡流沙道,西行過此門。
ここの道路は万里の遠き流沙へ通ずる道である、唐の国から西へ向かう者はだれもみなこの門を通るのである。
流沙 流抄は玉門関の135里(78km)西、唐の沙州【中国歴史地図76-77①7】で、敦煌遺跡のある所。今の甘粛省安西州焼塩県以北の地方、新彊省に通ずる道路をさす。

秦州雜詩二十首 其三 杜甫 第1部 <256> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1217 杜甫詩 700- 370


但添新戰骨,不返舊徵魂。
使者がゆくけれど、ただ、こんども新しい戦骨がふえるばかりだろうし、これまでに西域征伐にでた人のたましいはもどってはいないのだ。


樓角淩風迥,城陰帶水昏。
楼の一角は風をしのいではるかに高くそびえ、城の南の方は水を帯びてくらくみえる。(雨降りの様子)
楼角 城楼の一角。○凌風迥 高い東門があるので北から吹く風がと高楼門にさえぎられるようすのことをいう。○城陰 南を向くと建物の影が見えるのでこういう表現をする。日本人は対象物の方から見るが中国人は自分を中心にものを見るので陰のある方、つまり南向きのことを謂う。


傳聲看驛使,送節向河源。
こだまのように人払いの声がきこえてくる、駅の役人がさきぶれのこえをさせているのがみえるのだ、そうして使節が黄河の水源の沙州の方へ向かうのを見送るのである。
伝声 駅使にかかる語。人払いなどをするための前触れで、駅使がおおごえで先ぶれをして、次の駅使がまた声を張り上げ人払いをする様子。○看 作者または一般人がみること。○駅使 駅の役人。○送節 節は唐より吐蕃への使者が持つしるしのはた。○河源 吐蕃の地をさす、唐の鄭州鄯城(今の甘粛省西寧州碾伯県治)に河源 軍を置いた、ここは吐蕃と黄河の水源である地方、ここでは沙州(この詩の初句にある)のことで局地戦をしているところへ兵士を送り込むことを示している。戦争には、四段階あってテロ、ゲリラ戦、局地戦、全面戦争とある。

秦州雜詩二十首 其十 杜甫 第3部 <263> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1238 杜甫詩 700- 377