寓目 杜甫 <288> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1331 杜甫詩 700- 408
秦州にあってふと見たことをよんだ。759年乾元二年の作。


     
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《『寓目』 杜甫700の288首目、杜甫ブログ408回目》

寓 目
一縣蒲萄熟,秋山苜蓿多。
県一体に「ぶどう」が熟している、秋の山にも「うまごやし」がたくさん生えている。
關雲常帶雨,塞水不成河。
関所の雲はいつも雨をおびている、塞の川は流れても河にはならない。
羌女輕烽燧,胡兒掣駱駝。
羌種族の異民族女はのろしをみても平気でいるし、胡の異民族の子供はラクダをひっぱってゆくのは、眼に見るものが異様のものばかりだ。
自傷遲暮眼,喪亂飽經過。

わたしはもう晩年になってこの目でもって、あくまで今の世の戦乱を経過すること辟易していることなのである。


現代語訳と訳註
(本文)
寓 目
一縣蒲萄熟,秋山苜蓿多。
關雲常帶雨,塞水不成河。
羌女輕烽燧,胡兒掣駱駝。
自傷遲暮眼,喪亂飽經過。


(下し文)
 (寓 目)
一県葡萄【ぶどう】熟す、秋山【しゅうざん】苜蓿【もくしゅく】多し。
關雲【かんうん】常に雨を帯ぶ、塞水【さいすい】河を成さず。
羌女【きょうじょ】烽燧【ほうすい】を軽んじ、胡児【こじ】駱駝【らくだ】を掣【せい】す。
自ら傷む遅碁【ちぼ】の眼  喪乱【そうらん】飽くまで経過するを。


(現代語訳)
県一体に「ぶどう」が熟している、秋の山にも「うまごやし」がたくさん生えている。
関所の雲はいつも雨をおびている、塞の川は流れても河にはならない。
羌種族の異民族女はのろしをみても平気でいるし、胡の異民族の子供はラクダをひっぱってゆくのは、眼に見るものが異様のものばかりだ。
わたしはもう晩年になってこの目でもって、あくまで今の世の戦乱を経過すること辟易していることなのである。


(訳注)
寓 目

秦州東柯谷に寓居して、ある日偶然に目にした光景を抒情詩にした。


一縣蒲萄熟,秋山苜蓿多。
県一体に「ぶどう」が熟している、秋の山にも「うまごやし」がたくさん生えている。
苜蓿 うまごやし。マメ科の越年草。ヨーロッパ原産。各地に自生。茎は地をはって30センチメートルほどになり、葉は有柄で互生し、倒卵形の三小葉をもつ。春、葉腋(ようえき)に黄色の小花を開く。緑肥・牧草ともする。[季]春。

苜蓿001うまごやし

關雲常帶雨,塞水不成河。
関所の雲はいつも雨をおびている、塞の川は流れても河にはならない。
關雲・塞水 関も蓋も秦州のそれをさしていう。○不成河 このあたりの地勢は高くて四方に向かってくだる故に河を生じないという。


羌女輕烽燧,胡兒掣駱駝。
羌種族の異民族女はのろしをみても平気でいるし、胡の異民族の子供はラクダをひっぱってゆくのは、眼に見るものが異様のものばかりだ。
○羌女 羌種族の異民族女。○烽燧 烽は火をあげる、燧は煙をあげる、危急をしらす夜昼のあいずのこと。○ ひく、御することをいう。


自傷遲暮眼,喪亂飽經過。
わたしはもう晩年になってこの目でもって、あくまで今の世の戦乱を経過すること辟易していることなのである。
遅暮 晩暮、晩年をいう。○喪乱 戰による入の死ぬこと、世のみだれること。755年安史の乱が763年まで続く、759年秋史忠明の洛陽奪回、759年沙州で吐蕃の乱などで、この時期きわめて不安定な騒乱状態にあった。

 
うまごやし