秦州抒情詩(6)  遣懷 杜甫 <291> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1340 杜甫詩 700- 411
秋の暮れのさまをのべている。乾元二年秦州での作。


     
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遣懷
愁眼看霜露,寒城菊自花。
(隠棲する場所を求めてここに来たが、)どうしても秋の夕べは愁いを帯びた眼でみてしまう、すでに霜露が降りている、寒々とした城塞に菊花がひと知れずさいている。
天風隨斷柳,客淚墮清笳。
そして、空吹く風はちぎれてとぶ柳の葉と共に追いかけているし、城塞で吹く胡笳の澄んだ音が聞こえてくると旅人の目には涙がおちる。
水靜樓陰直,山昏塞日斜。
河水は静かにたたえていて城楼のかげがまっすぐにうつる、そして山は薄暮くなって塞の向こうの太陽が山陰にかかり沈もうとしている。
夜來歸鳥盡,啼殺後棲鴉。
やがて夜が来るとほかの鳥はみんな林に帰り、いなくなる、帰り遅れた鴉は悲しく啼きさけぶのである。(帰る所のない私も秋の夕暮は泣き叫びたいくらいだ。)


現代語訳と訳註
(本文)

遣懷
愁眼看霜露,寒城菊自花。
天風隨斷柳,客淚墮清笳。
水靜樓陰直,山昏塞日斜。
夜來歸鳥盡,啼殺後棲鴉。


(下し文)
(懐いを遣る)
愁眼【しゅうがん】霜露【そうろ】を看る、寒城【かんじょう】菊自ずから花さく。
天風【てんふう】断柳【だんりゅう】に随い、客涙【かくるい】清笳【せいか】に堕つ。
水静かにして楼陰【ろういん】直く、山昏くして塞日【さいじつ】斜めなり。
夜来【やらい】帰鳥【きちょう】尽き、啼殺【ていさつ】す後棲【こうせい】の鴉【からす】。


(現代語訳)
(隠棲する場所を求めてここに来たが、)どうしても秋の夕べは愁いを帯びた眼でみてしまう、すでに霜露が降りている、寒々とした城塞に菊花がひと知れずさいている。
そして、空吹く風はちぎれてとぶ柳の葉と共に追いかけているし、城塞で吹く胡笳の澄んだ音が聞こえてくると旅人の目には涙がおちる。
河水は静かにたたえていて城楼のかげがまっすぐにうつる、そして山は薄暮くなって塞の向こうの太陽が山陰にかかり沈もうとしている。
やがて夜が来るとほかの鳥はみんな林に帰り、いなくなる、帰り遅れた鴉は悲しく啼きさけぶのである。(帰る所のない私も秋の夕暮は泣き叫びたいくらいだ。)


(訳注)
遣懷

秋碁のさまをのべている。759年乾元二年秦州での作。詩人として生きていくことを思って、山水抒情に徹したものになっている。いく当てのない不安も感じさせる秦州抒情律詩シリーズである。


愁眼看霜露,寒城菊自花。
(隠棲する場所を求めてここに来たが、)どうしても秋の夕べは愁いを帯びた眼でみてしまう、すでに霜露が降りている、寒々とした城塞に菊花がひと知れずさいている。
愁眼-看 この語は霜露のみにかかっているのではなく、この詩全体かかるものとみるべきである。


天風隨斷柳,客淚墮清笳。
そして、空吹く風はちぎれてとぶ柳の葉と共に追いかけているし、城塞で吹く胡笳の澄んだ音が聞こえてくると旅人の目には涙がおちる。
随断柳 柳葉が風に随うというべきところを逆にいったもの、断柳はちぎれた柳の葉、その葉の飛びちるままに風の吹く痕が知られることをいう。○ 蘆の葉を巻いた笛。後には木で作る。晋以後は天予の行列にも用いた。もと胡人が吹いたので、胡笳という。謝靈運『従遊京口北固應詔』「鳴笳發春渚、税鑾登山椒。」李白『春夜洛城聞笛』 

謝霊運<6> 従遊京口北固應詔 #1 詩集 362

従遊京口北固應詔 
玉璽誡誠信、黄屋示崇高。事為名教用、道以神理超。
昔聞汾水遊、今見塵外鑣。鳴發春渚、税鑾登山椒。
張組眺倒景、列筵矚歸潮。

遠巌映蘭薄、白日麗江皐。原濕荑縁柳、墟囿散紅桃。
皇心美陽澤、萬象咸光昭。顧己枉維縶、撫志慙場苗。
工拙各所宜、終以返林巣。曾是縈舊想、覽物奏長謡。

李白『塞下曲』李白26 塞下曲
五月天山雪,無花祗有寒。
笛中聞折柳,春色未曾看。
曉戰隨金鼓,宵眠抱玉鞍。
願將腰下劍,直爲斬樓蘭。


水靜樓陰直,山昏塞日斜。
河水は静かにたたえていて城楼のかげがまっすぐにうつる、そして山は薄暮くなって塞の向こうの太陽が山陰にかかり沈もうとしている。
塞日 秦州の城塞の向こうに沈みかける太陽を見る。


夜來歸鳥盡,啼殺後棲鴉。
やがて夜が来るとほかの鳥はみんな林に帰り、いなくなる、帰り遅れた鴉は悲しく啼きさけぶのである。(帰る所のない私も秋の夕暮は泣き叫びたいくらいだ。)
啼殺 悲しく啼きさけぶ。○後棲鴉 他の鳥は既に帰ったのに、おくれてねぐらにやどる鴉。つまり、杜甫自身のことを謂うのである。初句の「愁眼」は終句の「鴉」まで見ていたのである。

李白『三五七言』
秋風清、    秋月明。
落葉衆還散、  寒鴉棲復驚。
相思相見知何日、此時此夜難怠惰。
秋風 清く、  秋月 明らかなり。
落莫 衆まって還た散じ、寒鴉 棲んで復た驚く。
相思い相見る 知る何れの日ぞ、此の時此の夜 情を為し難し。

三五七言 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白171 玄宗(4



李白『聽胡人吹笛』 
胡人吹玉笛。 一半是秦聲。
十月吳山曉。 梅花落敬亭。
愁聞出塞曲。 淚滿逐臣纓。
卻望長安道。 空懷戀主情。
胡人(こじん)  玉笛(ぎょくてき)を吹く、一半は是(こ)れ秦声(しんせい)。
十月  呉山(ござん)の暁(あかつき)、梅花  敬亭(けいてい)に落つ。
愁えて出塞(しゅっさい)の曲を聞けば、涙は逐臣(ちくしん)の纓(えい)に満つ。
却(かえ)って長安の道を望み、空しく主(しゅ)を恋うるの情を懐(いだ)く。

聽胡人吹笛 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350- 209