秦州抒情詩(9)   歸燕 杜甫 <294> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1349 杜甫詩 700- 414 


     
  同じ日のブログ 
     1347順東門行 謝霊運(康楽) 詩<79>Ⅱ李白に影響を与えた詩507 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1338 
     1348城南聯句 韓退之(韓愈)詩<64-#27>Ⅱ中唐詩423 紀頌之の漢詩ブログ1348 
     1349歸燕 杜甫 <294> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1349 杜甫詩 700- 414 
   
 李商隠詩李商隠/韓愈韓退之(韓愈)・柳宗元・李煜・王安石・蘇東坡 
   2011/7/11李商隠 1 錦瑟 
      2011/7/11 ~ 2012/1/11 まで毎日掲載 全130首(187回) 
   2012/1/11 唐宋 Ⅰ李商隠187 行次西郊作一百韻  白文/現代語訳 (全文) 
     





杜甫の鳥獸蟲魚類について整理してみると次のようにある。
五言律詩  
『鸚鵡』、『子規』、『百舌』、『歸鴈二首』、『歸鴈』、『孤鴈』、『鸂鶒』、『花鴨』、『房兵曹胡馬』、『病馬』、『麂』、    『促識』、『螢火』、『白小』

歸鴈二首
其一:. 東來萬里客,亂定幾年歸。 腸斷江城雁,高高正北飛。
其二:. 聞道今春雁,南歸自廣州。見花辭漲海,避雪到羅浮。 是物關兵氣,何時免客愁。年年霜露隔,不過五湖秋。

七言律詩
『見王監兵馬使嚇説近山有白黒二鷹羅者久取竟未能得王以爲毛骨有畢他墜恐臘後春生騫飛遜煖勁翩思秋之甚眇』、『不可見請予賦詩』、『燕子來舟中作』、『見螢火』  

五言古詩 
『杜鵑』、『痩馬行』、『義鶻行』、『畫鶻行』、『驄馬行』、『天育驃騎歌』、『畫鷹』、『沙苑行』



《『歸燕』 杜甫700の294首目、杜甫ブログ414回目》

歸燕
不獨避霜雪,其如儔侶稀。
燕は単独で居残りはしないことは霜雪を避けているからだ。それは伴侶や仲間がいないことなどありえないことなのだ。
四時無失序,八月自知歸。
一日の四時、一年の季節についてよくわかっていて忘れることなどないのだ。仲秋八月になれば自ずから帰る時を知るのだ。
春色豈相訪?眾雛還識機。
そして、春の気配と萌木色の景色になると心配なく互いに決めていたところに訪れるのだ。そして、巣には多くの幼少なこどもを育て又その時期が来るのを認識するのである。
故巢倘為毀,會傍主人飛。
その何時もの巣がたとえ壊れてうしなってしまったとしても、仲間は必ず会い傍らに詩人と一緒に飛んでいくものなのだ。



現代語訳と訳註
(本文)
 『歸燕』
不獨避霜雪,其如儔侶稀。四時無失序,八月自知歸。
春色豈相訪?眾雛還識機。故巢倘為毀,會傍主人飛。


(下し文)
獨ならずは霜雪を避けるなり,其れ儔侶【ちゅうりょ】稀れなるが如し。
四時【しじ】序を失うこと無し,八月 自ら歸えるを知る。
春色して豈に相訪んや?眾雛して還た機を識る。
故巢 倘【もし】毀【き】と為さば,會いて傍に主人飛ぶ。


(現代語訳)
燕は単独で居残りはしないことは霜雪を避けているからだ。それは伴侶や仲間がいないことなどありえないことなのだ。
一日の四時、一年の季節についてよくわかっていて忘れることなどないのだ。仲秋八月になれば自ずから帰る時を知るのだ。
そして、春の気配と萌木色の景色になると心配なく互いに決めていたところに訪れるのだ。そして、巣には多くの幼少なこどもを育て又その時期が来るのを認識するのである。
その何時もの巣がたとえ壊れてうしなってしまったとしても、仲間は必ず会い傍らに詩人と一緒に飛んでいくものなのだ。


(訳注)
歸燕
天河 初月 などと同時期の作品。7月初め、秦州に来て隠棲の各候補地を見て回り「秦州雑詩二十首」「遣興五首」「遣興三首」など親戚、知人に贈り、応援を要請したのだろう。8月になると何もすることがなかったのだろうと思う。律詩ばかり作っている。この「歸燕」詩は、杜甫の本気度からいうと少し欠けている作品で、注釈、解説に取り上げられたことのない作品である。この詩には孤独感は感じられない。むしろ、期待感を感じる。


同時期の作品は下記の通りである。
東樓 杜甫 <286> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1325 杜甫詩 700- 406
雨晴 杜甫 <287> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1328 杜甫詩 700- 407
寓目 杜甫 <288> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1331 杜甫詩 700- 408
山寺 杜甫 <289> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1334 杜甫詩 700- 409
即事 杜甫 <290> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1337 杜甫詩 700- 410
遺懷 杜甫 <291> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1340 杜甫詩 700- 411
天河 杜甫 <292> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1343 杜甫詩 700- 412
初月 杜甫 <293> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1346 杜甫詩 700- 413
歸燕 杜甫 <294> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1349 杜甫詩 700- 414
搗衣(擣衣) 杜甫 <295> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1352 杜甫詩 700- 415
促織 杜甫 <296> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1355 杜甫詩 700- 416
蛍火 杜甫 <297> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1358 杜甫詩 700- 417
兼葭 杜甫 <298> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1361 杜甫詩 700- 418
苦竹 杜甫 <299> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1364 杜甫詩 700- 419
除架 杜甫 <300> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1367 杜甫詩 700- 420
廃畦 杜甫 <301> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1370 杜甫詩 700- 421
夕烽 杜甫 <302> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1373 杜甫詩 700- 422
日暮 杜甫 <303> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1376 杜甫詩 700- 423
秋笛 杜甫 <304> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1379 杜甫詩 700- 424
野望 杜甫 <305> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1382 杜甫詩 700- 425
空囊 杜甫 <306> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1385 杜甫詩 700- 426
秋日阮隠者致薤三十束 杜甫 <307> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1388 杜甫詩 700- 427
病馬 杜甫 <308> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1391 杜甫詩 700- 428
蕃剣 杜甫 <309> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1394 杜甫詩 700- 429
銅瓶 杜甫 <310> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1397 杜甫詩 700- 430


不獨避霜雪,其如儔侶稀。
獨ならずは霜雪を避けるなり,其れ儔侶【ちゅうりょ】稀れなるが如し。
燕は単独で居残りはしないことは霜雪を避けているからだ。それは伴侶や仲間がいないことなどありえないことなのだ。
儔侶【ちゅうりょ】なかま。ともがら。儔侶(朋友,伴侶);儔匹(伴侶);儔伴(伴侶,同伴).  同類,輩。


四時無失序,八月自知歸。
四時【しじ】序を失うこと無し,八月 自ら歸えるを知る。
一日の四時、一年の季節についてよくわかっていて忘れることなどないのだ。仲秋八月になれば自ずから帰る時を知るのだ。
四時【しじ】 ・1年の四つの季節、春夏秋冬の総称。四季。・1か月中の四つの時。晦(かい)・朔(さく)・弦・望。・一日中の4回の読経の時。早晨(そうしん)(朝午前4時)・晡時(ほじ)(昼午前10時)・黄昏(こうこん)(夕方午後8時)・後夜(ごや)(夜午後8時)の座禅。ここでは一日中の4回の読経のとき。
孟浩然『夏日辮玉法師茅齋』
夏日茅齋裏,無風坐亦涼。竹林深筍穊,籐架引梢長。
燕覓巢窠處,蜂來造蜜房。物華皆可玩,花蕊四時芳。
 宮殿の東西の仕切り。順序。書物のはしがき、初めの文。別れの時に贈る文。 季節のことで、別に「四序」ともいう。


春色豈相訪?眾雛還識機。
春色して豈に相訪んや?眾雛して還た機を識る。
そして、春の気配と萌木色の景色になると心配なく互いに決めていたところに訪れるのだ。そして、巣には多くの幼少なこどもを育て又その時期が来るのを認識するのである。
衆雛 多くの幼少なこども。いつもは鳥のように騒いでいることをいうため雛と使う。
杜甫『彭衙行』「眾雛爛熳睡,喚起沾盤飧。」(衆雛(しゅうすう) 爛漫(らんまん)として睡(ねむ)る、喚び 起して 盤飧(ばんそん)に 沾(うるお)わしむ。)


故巢倘為毀,會傍主人飛。
故巢 倘【もし】毀【き】と為さば,會いて傍に主人飛ぶ。
その何時もの巣がたとえ壊れてうしなってしまったとしても、仲間は必ず会い傍らに詩人と一緒に飛んでいくものなのだ。
 もしも,仮に倘有困难なにか困難があれば
倘或不能来,请先通知来られなければ,あらかじめ知らせて下さい.倘来之物:思い掛けなく得た利益,棚ぼた.
【キ】こわす こぼつ そしる1 破りこわす。「毀棄・毀傷・毀損/破毀」 2 悪口を言う。そしる。



参考 758年杜甫は謝拾遺で朝廷に務めていた時、役目から疎外されていた時に作った作品。
孤雁
孤雁不飲啄、飛鳴声念羣。
誰憐一片影、相失万重雲。
望尽似猶見、哀多如更聞。
野鵶無意緒、鳴噪自粉粉。

孤雁【こがん】は啄【ついば】みて飲【いん】せず、飛鳴【ひめい】するは 群を念【おも】う声なり。
誰か一片の影に憐れむや、相いに万重【ばんちょう】の雲に失する。
望み尽す 猶【な】お見るに似たりを、哀しみ多し 更に聞くが如し。
野鵶【やあ】  意緒【いしょ】無く、鳴噪【めいそう】  自【おのずか】ら粉粉【ふんぷん】たり。

孤雁(孤雁不飲啄) 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 283