秦州抒情詩(15)   除架 杜甫 <300> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1367 杜甫詩 700- 420 

     
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《秦州抒情詩(15)   『除架』 杜甫700の300首目、杜甫ブログ420回目》
759年晩秋、秦州の作。
詩経の小雅、大雅に基づき人生を詠い新たな決意をする。

除架
束薪已零落,瓠葉轉蕭疏。
ひさご棚をつくっている薪の束はもはや草木の枯れ落ちて淋しいものなっているし、ひさごの葉もいよいよまばら状態になっている。
幸結白花了,寧辭青蔓除。
幸いにも白い花が終わり結んでしまったので、どうして青い蔓だけ残って用のないものは除かれてもかまわないというものだろう。
秋蟲聲不去,暮雀意何如?
しかし、秋の虫はこのあたりから去らず鳴いているし、夕ぐれの雀もここへ集まってくるがそのこころもちはどうだろう。
寒事今牢落,人生亦有初。
虫や自然界が教えてくれる冬仕度は今やさびしいものである、人生もまたこれと似たところがある。さかえた初めの時節も有ったのである、またはその始まりが来るものである。

(架を除く)
束薪【そくしん】己に零落【れいらく】す、瓠葉【こよう】転【うた】た蕭疏【しょうそ】たり。
幸いに白花を結び了【おわ】る、寧【なん】ぞ辞せん青蔓【せいまん】の除かるるを。
秋虫声去らず、暮雀【ぼじゃく】意 何如【いかん】。
寒事 今 牢落【ろうらく】たり、人生も亦た初め有り。
 瓢箪003


現代語訳と訳註
(本文)
除架
束薪已零落,瓠葉轉蕭疏。
幸結白花了,寧辭青蔓除。
秋蟲聲不去,暮雀意何如?
寒事今牢落,人生亦有初。


(下し文)
(架を除く)
束薪【そくしん】己に零落【れいらく】す、瓠葉【こよう】転【うた】た蕭疏【しょうそ】たり。
幸いに白花を結び了【おわ】る、寧【なん】ぞ辞せん青蔓【せいまん】の除かるるを。
秋虫声去らず、暮雀【ぼじゃく】意 何如【いかん】。
寒事 今 牢落【ろうらく】たり、人生も亦た初め有り。


(現代語訳)
ひさご棚をつくっている薪の束はもはや草木の枯れ落ちて淋しいものなっているし、ひさごの葉もいよいよまばら状態になっている。
ひさごの棚をつくっている薪の束はもはや草木の枯れ落ちて淋しいもの成っている、ひさごの葉もいよいよまばら状態になっている。
幸いにも白い花が終わり結んでしまったので、どうして青い蔓だけ残って用のないものは除かれてもかまわないというものだろう。
しかし、秋の虫はこのあたりから去らず鳴いているし、夕ぐれの雀もここへ集まってくるがそのこころもちはどうだろう。
虫や自然界が教えてくれる冬仕度は今やさびしいものである、人生もまたこれと似たところがある。さかえた初めの時節も有ったのである、またはその始まりが来るものである。


(訳注)
除架
 たな。ふくべの葉っぱ(瓠葉)は煮て漬しとして酒の肴にする。晩秋にはその棚を取り払うもの。


束薪已零落,瓠葉轉蕭疏。
ひさごの棚をつくっている薪の束はもはや草木の枯れ落ちて淋しいもの成っている、ひさごの葉もいよいよまばら状態になっている。
束新 たはねたたきざ、たなをつくるために材料として用いたもの。
零落 1 落ちぶれること。2 草木の枯れ落ちること。
瓠葉 ひさご、ふくべ。『詩経「小雅」魚藻之什「瓠葉」』その序に「古気を思うて今を傷むの意」とし、今の幽王を謗る詩としている。
瓠葉
幡幡瓠葉.采之亨之.君子有酒.酌言嘗之
有兔斯首.炮之燔之.君子有酒.酌言獻之
有兔斯首.燔之炙之.君子有酒.酌言酢之
有兔斯首.燔之炮之.君子有酒.酌言酬之
蕭疏 まばら。


幸結白花了,寧辭青蔓除。
幸いにも白い花が終わり結んでしまったので、どうして青い蔓だけ残って用のないものは除かれてもかまわないというものだろう。
青草 あおいつる、ここでは覇を取って食べた残りの蔓に葉が出てこないものをいう。杜甫自身長安朝廷から華州に左遷されたことを示しているのであろう。


秋蟲聲不去,暮雀意何如?
しかし、秋の虫はこのあたりから去らず鳴いているし、夕ぐれの雀もここへ集まってくるがそのこころもちはどうだろう。
意何如 どんな心もちなのだろうか、これもやはり官についての未練を云うのであろうか。


寒事今牢落,人生亦有初。
虫や自然界が教えてくれる冬仕度は今やさびしいものである、人生もまたこれと似たところがある。さかえた初めの時節も有ったのである、またはその始まりが来るものである。
寒事 虫や自然界が教えてくれる冬仕度全般をいうが、ここでは棚をとり去る等の事をさす。
牢落 さびしい。
有初 瓢の棚も始め母が繁り栄えたこと。 『詩経、大雅・蕩之什「蕩」』「靡不有初、鮮克有終。」(初め有らざる靡し克く終わり有るは鮮なし。)開国の始めには天の命を受け、下民によくあたるが終わりには騒乱を招くものが多く、君子はこれを慎み畏れなければいけない。