秦州抒情詩(18)   日暮 杜甫 <303> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1376 杜甫詩 700- 423

     
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《秦州抒情詩(18) 『日暮』 杜甫700の303首目、杜甫ブログ423回目》



日暮
日落風亦起,城頭烏尾訛。
黃雲高未動,白水已興波。
羌婦語還笑,胡兒行且歌。
將軍別換馬,夜出擁雕戈。
日が落ちて黄昏時に秋風がまた吹いてきた、秦州城の周りで風に乗って聞こえてくる異国の語調と訛である。
黄金(こがね)色の雲が高い空に動かないでいる、辺りがうす暗くなり、暮れやらぬ空を水面は白く映し、そこに風が波を起こす。
チベット系の遊牧民族の婦人たちは談笑を繰り返し、西域民族のこどもたちは遊びながら民族の歌を唄っている。
西方の沙州へ向かう将軍が塞に立ちより変え馬をあとにして出て行く、夜の出発というものは彫刻の飾りのついたほこを従えていくのである。

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現代語訳と訳註
(本文)

日落風亦起,城頭烏尾訛。
黃雲高未動,白水已興波。
羌婦語還笑,胡兒行且歌。
將軍別換馬,夜出擁雕戈。


(下し文)
日 落ち風 亦 起る,城の頭り 烏尾の訛【なまり】。
黃雲【こうふ】高く未だ動かず,白水 已に波を興す。
羌婦【きょうふ】語して還た笑し,胡兒【こじ】行い且つ歌う。
將軍 別れて馬を換え,夜出でて雕戈を擁す。


(現代語訳)
日が落ちて黄昏時に秋風がまた吹いてきた、秦州城の周りで風に乗って聞こえてくる異国の語調と訛である。
黄金(こがね)色の雲が高い空に動かないでいる、辺りがうす暗くなり、暮れやらぬ空を水面は白く映し、そこに風が波を起こす。
チベット系の遊牧民族の婦人たちは談笑を繰り返し、西域民族のこどもたちは遊びながら民族の歌を唄っている。
西方の沙州へ向かう将軍が塞に立ちより変え馬をあとにして出て行く、夜の出発というものは彫刻の飾りのついたほこを従えていくのである。


(訳注)
日落風亦起,城頭烏尾訛。
日が落ちて黄昏時に秋風がまた吹いてきた、秦州城の周りで風に乗って聞こえてくる異国の語調と訛である。
烏尾訛 風に乗って聞こえてくる異国の語調と訛のこと。


黃雲高未動,白水已興波。
黄金(こがね)色の雲が高い空に動かないでいる、辺りがうす暗くなり、暮れやらぬ空を水面は白く映し、そこに風が波を起こす。
・黃雲 1 黄色の雲。黄金(こがね)色の雲。 2 稲が実り、水田一面に黄色く見えるのを雲にたとえた語。 3酒のこと。
・白水 秋のまだ氷ってはいない冷たい水。辺りがうす暗くなり、水面は暮れやらぬ空を映すさま。

黃雲 : 白水  : 未動 : 興波

*同じ品詞を同じ位置に配置する修辞により、一層の強調がなされる。


羌婦語還笑,胡兒行且歌。
チベット系の遊牧民族の婦人たちは談笑を繰り返し、西域民族のこどもたちは遊びながら民族の歌を唄っている。
羌婦 チベット系の遊牧民族の婦人たち。羌:中国古代、青海地方に住んでいたチベット系の遊牧民族。後漢時代に陝西(せんせい)・甘粛に移り、五胡十六国時代に後秦(こうしん)を建国。隋・唐代には一族のタングート(党項)族が有力となり、その一部は11世紀に西夏を建国。
 語り合っている。
・胡兒 西域民族のこどもたち。ウイグル人の子供。胡:中国で、漢以前には北方の匈奴(きようど)の称。のちには西域民族の総称。えびす。

羌婦 : 胡兒 : 還笑 : 且歌

*同じ品詞を同じ位置に配置する修辞により、一層の強調がなされる。


將軍別換馬,夜出擁雕戈。
西方の沙州へ向かう将軍が塞に立ちより昼間の従者変え馬をあとにして出て行く、夜の出発というものは彫刻の飾りのついたほこを従えていくのである。
雕戈 彫刻の飾りのついたほこ。
【よう】1 だきかかえる。いだく。2 所有する。3 ひきいる。従える。