秦州抒情詩(23) 蕃剣 杜甫 <308> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1391 杜甫詩 700- 428

     
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《秦州抒情詩(23)『蕃剣』 杜甫700の308首目、杜甫ブログ428回目》
吐蕃よりつたわった剣をみてよんだ。


蕃劍
致此自僻遠,又非珠玉裝。
この剱を手に入れたのは、遠い異国からである、また真珠や玉のかざりなどが施してあるものではない。
如何有奇怪,每夜吐光芒。
けれどもどうしてなのかふしぎなことがあるのだ、毎晩剣の切っ先からキラッとした光を吐きだすのである。
虎氣必騰上,龍身寧久藏。
必ずや剣気である虎気はうえの方へとたちのぼりあらわれるものだ。剣身で竜に化身する竜身はどうしていつまでもかくされたままでいることができるというのか。
風塵苦未息,持汝奉明王。
わたしは安禄山の叛乱以来の兵乱の風塵のいまだ収まらないことに苦々しく思っている。この剣である汝を明王にささげ、乱れきった風塵をしずめていただきたいとおもうのである。


現代語訳と訳註
(本文)
蕃劍
致此自僻遠,又非珠玉裝。
如何有奇怪,每夜吐光芒。
虎氣必騰上,龍身寧久藏。
風塵苦未息,持汝奉明王。


(下し文)
(蕃 剣)
此を致すは僻遠【へきえん】よりす、又た珠玉【しゅぎょく】の装に非ず。
如何【いかん】ぞ奇怪【きかい】有りて、毎夜光芒【こうぼう】を吐く。
虎気【こき】必ず騰上【とうじょう】せん、竜身【りょうしん】寧ぞ久しく蔵せんや。
風塵未だ息【や】まざるに苦しむ、汝を持して明王に奉ぜん。


(現代語訳)
この剱を手に入れたのは、遠い異国からである、また真珠や玉のかざりなどが施してあるものではない。
けれどもどうしてなのかふしぎなことがあるのだ、毎晩剣の切っ先からキラッとした光を吐きだすのである。
必ずや剣気である虎気はうえの方へとたちのぼりあらわれるものだ。剣身で竜に化身する竜身はどうしていつまでもかくされたままでいることができるというのか。
わたしは安禄山の叛乱以来の兵乱の風塵のいまだ収まらないことに苦々しく思っている。この剣である汝を明王にささげ、乱れきった風塵をしずめていただきたいとおもうのである。


(訳注)
蕃劍

吐蕃の劔
匈奴、大月、吐蕃等各異民族の武器,剣幅六寸,總長三尺一寸で柄の部分には籠状になっている。彫刻された飾りがある。神秘的なものであったのだろう。


致此自僻遠,又非珠玉裝。
この剱を手に入れたのは、遠い異国からである、また真珠や玉のかざりなどが施してあるものではない。
致此 此は剣をさす、致すとはこちらへもってきたしたことをいう。とりよせる。
僻遠 遠いいなか。中華思想的な用語。


如何有奇怪,每夜吐光芒。
けれどもどうしてなのかふしぎなことがあるのだ、毎晩剣の切っ先からキラッとした光を吐きだすのである。
奇怪 あやしいこと。
光芒 剣の切っ先からキラッとした光。芒は剣の切っ先。


虎氣必騰上,龍身寧久藏。
必ずや剣気である虎気はうえの方へとたちのぼりあらわれるものだ。剣身で竜に化身する竜身はどうしていつまでもかくされたままでいることができるというのか
虎気 剣気をいう、「呉越春秋」に呉王闔閭が死んだ時、愛用の剣を棺に入れて葬った時、三日目に白虎がそのうえにうずくまっていたのにより、その地を虎邱というとの話。剣を愛した父・闔閭のために息子の夫差(フサ)は3000本の剣を埋めたと言われる「剣池」は、秦の始皇帝や孫権がその剣を探し求めて掘られたと伝えられている。
竜身 「予章記」に張公両竜剣 竜泉、太阿という二つの宝剣が、豫章と豐城とで出土し、晋の張華と雷煥の二人が、おのおのその一刀を待った。雷煥の子が瀬を渡ろうとした時、腰の剣が踊りだし、水に入り竜に化したという。


風塵苦未息,持汝奉明王。
わたしは安禄山の叛乱以来の兵乱の風塵のいまだ収まらないことに苦々しく思っている。この剣である汝を明王にささげ、乱れきった風塵をしずめていただきたいとおもうのである。
 作者がこまることをいう。
 剣をさす。
 献ずる。
明王 明徳ある君王。杜甫はこの時の粛宗は明君ではないと思っていたので、玄宗なのか、他の玄宗の子に対していっているのであろうか。