秦州抒情詩(24) 銅瓶 杜甫 <309> 漢文委員会紀頌之の漢詩ブログ1394 杜甫詩 700- 429 


     
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《秦州抒情詩(24)『銅瓶』 杜甫700の309首目、杜甫ブログ429回目》
故宮の井戸に用いられた銅のつるべをみてよんだ。
宮中の人間たちは国のため、朝廷のために、また、外敵と一生懸命戦っていないことを述べている。


銅瓶
亂後碧井廢,時清瑤殿深。
安史の乱が起こってからこのかた、みどりの水をたたえた宮中の井戸が見向きもされず廃棄されている。乱の少し前まで、太平でその井は後宮の御殿の奥深いところに神妙にしてあった。
銅瓶未失水,百丈有哀音。
銅のつるべは水をくむ働きを未だ失ってはいないし、つるべ縄を巻き上げると気哀れな音を立てている。
側想美人意,應悲寒甃沈。
自分が想像するに少し前までこの時期になると、ここで美しい宮女がつるべを使ってこの井戸端できぬたをうっていた。しかし悲しいことに美人たちが寒くなった秋のこの砧をうつ石畳には静まり返って誰もいないのだ。
蛟龍半缺落,猶得折黃金。
つるべの表面に黄金でこしらえた蛟竜の彫刻があるがそれは今は半分ほど落ち欠けている、しかしその飾りはのこった折れた破片だけでもなおじゅうぶんなものが得られるほどのものなのだ。



現代語訳と訳註
(本文)
銅瓶
亂後碧井廢,時清瑤殿深。
銅瓶未失水,百丈有哀音。
側想美人意,應悲寒甃沈。
蛟龍半缺落,猶得折黃金。


(下し文)
(銅 瓶【どうへい】)
乱後碧井【へきすい】廃す、時清かりしとき瑤殿【ようでん】深かりき。
銅瓶未だ水を失わず、百丈【ひゃくじょう】哀音ありき。
側【ほの】かに想う美人の意、応に寒甃【かんしゅう】の沈まるを悲しむべし。
蛟竜【こうりゅう】半ば欠落【けつらく】す、猶お得折【うせつ】黄金【おうごん】。


(現代語訳)
安史の乱が起こってからこのかた、みどりの水をたたえた宮中の井戸が見向きもされず廃棄されている。乱の少し前まで、太平でその井は後宮の御殿の奥深いところに神妙にしてあった。
銅のつるべは水をくむ働きを未だ失ってはいないし、つるべ縄を巻き上げると気哀れな音を立てている。
自分が想像するに少し前までこの時期になると、ここで美しい宮女がつるべを使ってこの井戸端できぬたをうっていた。しかし悲しいことに美人たちが寒くなった秋のこの砧をうつ石畳には静まり返って誰もいないのだ。
つるべの表面に黄金でこしらえた蛟竜の彫刻があるがそれは今は半分ほど落ち欠けている、しかしその飾りはのこった折れた破片だけでもなおじゅうぶんなものが得られるほどのものなのだ。


(訳注)
銅瓶

故宮の井戸に使われている銅の釣瓶について述べる。水を扱う道具として本来重要なものとされ、神秘的なものとされていたものである。
銅瓶 あかがねで作ったつるべ。


亂後碧井廢,時清瑤殿深。
安史の乱が起こってからこのかた、みどりの水をたたえた宮中の井戸が見向きもされず廃棄されている。乱の少し前まで、太平でその井は後宮の御殿の奥深いところに神妙にしてあった。
碧井 みどりの水をたたえた井戸。
 つぶれたこと。
時清 世の治まったとき。
瑤殿 後宮の美しい御殿。
 人がめったに近寄れない奥まった感じの所。


銅瓶未失水,百丈有哀音。
銅のつるべは水をくむ働きを未だ失ってはいないし、つるべ縄を巻き上げると気哀れな音を立てている。
失水 水と別れること。水をくむ働きを未だ失ってはいない。水を汲めないわけではない。
百丈 つるべの長いなわ。
哀音 ろくろ仕掛けのなわで水をつりあげるおと。


側想美人意,應悲寒甃沈。
自分が想像するに少し前までこの時期になると、ここで美しい宮女がつるべを使ってこの井戸端できぬたをうっていた。しかし悲しいことに美人たちが寒くなった秋のこの砧をうつ石畳には静まり返って誰もいないのだ。
側想 側のものがここを使っていたころのことを想像してみる。
美人 通常、芸妓や宮妓をいうが、ここでは美しい侍女をいう。
寒甃沈 砧をうつ井戸端の台がこわれたことをいうのではなく、甃は砧をうつ井戸端の石畳の瓦をいう。井戸で水が汲めなくなったということを云うのではなく、本来この秋の寒い時期、美人たちがここで黄色い声を上げて砧をうっていたことがなく静まり返っている様子を述べている。


蛟龍半缺落,猶得折黃金。
つるべの表面に黄金でこしらえた蛟竜の彫刻があるがそれは今は半分ほど落ち欠けている、しかしその飾りはのこった折れた破片だけでもなおじゅうぶんなものが得られるほどのものなのだ。
蛟竜 つるぺの彫刻物。
折黄金折はおれる、黄金は較竃の材料として用いたもの。師民胎の注に折を準折(わりびきして売る)の意とし、楊供の注に「折」は「当」(質におくこと)の意とするが今は従わぬ。


銅瓶
亂後碧井廢,時清瑤殿深。
銅瓶未失水,百丈有哀音。
側想美人意,應悲寒甃沈。
蛟龍半缺落,猶得折黃金。
(銅 瓶【どうへい】)
乱後碧井【へきすい】廃す、時清かりしとき瑤殿【ようでん】深かりき。
銅瓶未だ水を失わず、百丈【ひゃくじょう】哀音ありき。
側【ほの】かに想う美人の意、応に寒甃【かんしゅう】の沈まるを悲しむべし。
蛟竜【こうりゅう】半ば欠落【けつらく】す、猶お得折【うせつ】黄金【おうごん】。