秦州抒情詩(25) 送遠 杜甫 <310>漢文委員会 紀頌之の漢詩ブログ1397 杜甫詩 700- 430

     
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遠方にゆくべき人を送る詩である。ただしこの詩は古人の詩にもとずきつくられている。
この詩を「他人を送るのではなく、作者が自己を他人祝して我と自己を送るために作ったものである。また詩意より推すならば秦州出発の翌日、昨日の別れを回顧してつくったものである。」と解釈されるものもあるが、基づいている詩などからみて違うと思う。
759年、乾元二年秋の作。


送遠
帶甲滿天地,胡為君遠行?
度重なる叛乱で世が乱れて武装したものが天地に充満している、こんなとき君はどうして遠方へゆくのであるか。
親朋盡一哭,鞍馬去孤城。
親戚や朋友が別れを惜しんでみな一度慟哭する、その中に遠くへ旅行く人の鞍馬はひとつの離れ城から立ち去ってしまった。
草木歲月晚,關河霜雪清。
季節は今や草も木も枯れ、歳の暮れに向かうときになった、関所の前の河には霜や雪が置かれ清遺風が吹いた。
別離已昨日,因見古人情。

そうして別れたのは昨日のこととなったのである。それにつけて昔の人が「別離は昨日のごとし」と惜しんでくれた人々の厚い情け心が偲ばれるのである。




現代語訳と訳註
(本文)
送遠
帶甲滿天地,胡為君遠行?
親朋盡一哭,鞍馬去孤城。
草木歲月晚,關河霜雪清。
別離已昨日,因見古人情。


(下し文)
(送 遠)
帯甲【たいこう】天地に満つ、胡【なん】為れぞ君遠く行く。
親朋【しんぽう】尽く一笑す、鞍馬【あんば】孤城より去る。
草木【そうもく】歳月晩れ 関河【かんか】霜雪清し。
別離【べつり】己に昨日、因って見る古人の情。


(現代語訳)
度重なる叛乱で世が乱れて武装したものが天地に充満している、こんなとき君はどうして遠方へゆくのであるか。
親戚や朋友が別れを惜しんでみな一度慟哭する、その中に遠くへ旅行く人の鞍馬はひとつの離れ城から立ち去ってしまった。
季節は今や草も木も枯れ、歳の暮れに向かうときになった、関所の前の河には霜や雪が置かれ清遺風が吹いた。
そうして別れたのは昨日のこととなったのである。それにつけて昔の人が「別離は昨日のごとし」と惜しんでくれた人々の厚い情け心が偲ばれるのである。


(訳注) 送 遠
帶甲滿天地,胡為君遠行?:帯甲 天地に満つ 胡為れぞ 君遠く行く
度重なる叛乱で世が乱れて武装したものが天地に充満している、こんなとき君はどうして遠方へゆくのであるか。
 遠 遠くにゆくものを送る。
帯甲 よろいを身につけたもの、武装者。
胡為 なんすれぞ 何為に同じ、どうして。
 行く者をさす。
・この二句については古詩十九首の雰囲気に基づいている。
行行重行行、與君生別離。
相去萬餘里、各在天一涯。
道路阻且長、會面安可知。
胡馬依北風、越鳥巣南枝。
相去日已遠、衣帯日已緩。
浮雲蔽白日、遊子不顧返。
思君令人老、歳月忽已晩。
棄捐勿復道、努力加餐飯。
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親朋盡一哭,鞍馬去孤城。:親朋 尽ことごとく一哭す 鞍馬孤城より去る
親戚や朋友が別れを惜しんでみな一度慟哭する、その中に遠くへ旅行く人の鞍馬はひとつの離れ城から立ち去ってしまった。
親朋 親戚朋友。
鞍馬 行く者のくら、うま。
孤城 秦州の城をさす。


草木歲月晚,關河霜雪清。:草木 歳月晩れ 関河 霜雪精
季節は今や草も木も枯れ、歳の暮れに向かうときになった、関所の前の河には霜や雪が置かれ清遺風が吹いた。
歳月晩 秋も終わりしだいに年末に近くなることをいう、秋以後はみな歳晩という、必ずしも十二月ではない。


別離已昨日,因見古人情。:別離 己すでに昨日 因よって見る古人の情
そうして別れたのは昨日のこととなったのである。それにつけて昔の人が「別離は昨日のごとし」と惜しんでくれた人々の厚い情け心が偲ばれるのである。
古人情 むかしの人のような厚い人情。梁の江文通(淹)の『古別離』「遠與君別者,乃至雁門關; 黃雲蔽千里,遊子何時還; 送君如昨日,簷前露已團; 不惜蕙草晚,所悲道里寒; 君子在天涯,妾心久別離; 願一見顏色,不異瓊樹枝; 兔絲及水萍,所寄終不移。」
「黃雲蔽千里,遊子何時還; 送君如昨日,簷前露已團; 不惜蕙草晚,所悲道里寒」(黃雲千里を蔽い,遊子何の時にか還らん;君を送りしは昨日の如きも,簷前露已に團なり;蕙草の晚きを惜まず,悲しむ所は道里の寒ぃを。)をふまえている。