秦州抒情詩(27) 送人從軍 杜甫 <312> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1403 杜甫詩 700- 432

     
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《『送人從軍』 杜甫700の313首目、杜甫ブログ432回目》


送人從軍
人が戦地に從軍していくのを送る時に思ったことを述べる。
弱水應無地,陽關已近天。
東北の地の果ての弱水は行くべき土地ではないし、西域の沙州陽関は既に天に近いところである。
今君度沙磧,累月斷人煙。
今君は沙州の河原や、砂漠を渡るのである、そこで月日を重ねていくことは人のかまどの火と遮断した生活が続くのである。
好武寧論命,封侯不計年。
立派な武功というものはむしろ天子の命について論じたことからいうべきではなかろうか、そうすれば侯公として領地を封じられることは年をかぞえなくてできるだろう。
馬寒防失道,雪沒錦鞍韉。
此れから行く先では馬が寒さの中、国を守る戦いをし、行く道を迷ってしまうことであろう、そしてそれは、雪に埋もれてしまうことは美しくかがや「くしたぐら」のように縁の下の力持ちということであろうとおもう。


現代語訳と訳註
(本文)
送人從軍
弱水應無地,陽關已近天。
今君度沙磧,累月斷人煙。
好武寧論命,封侯不計年。
馬寒防失道,雪沒錦鞍韉。


(下し文) (人 從軍するを送る)
弱水【じゃくすい】應に地に無く,陽關 已に天に近し。
今 君 沙磧【しゃせき】を度る,累月【るいげつ】人煙【じんえん】斷ゆ。
好武 寧ろ命を論じん,封侯 年を計【かぞ】えず。
馬寒くして防ぎて道を失い,雪沒 錦【きん】の鞍韉【あんせん】なり。


(現代語訳)
人が戦地に從軍していくのを送る時に思ったことを述べる。
東北の地の果ての弱水は行くべき土地ではないし、西域の沙州陽関は既に天に近いところである。
今君は沙州の河原や、砂漠を渡るのである、そこで月日を重ねていくことは人のかまどの火と遮断した生活が続くのである。
立派な武功というものはむしろ天子の命について論じたことからいうべきではなかろうか、そうすれば侯公として領地を封じられることは年をかぞえなくてできるだろう。
此れから行く先では馬が寒さの中、国を守る戦いをし、行く道を迷ってしまうことであろう、そしてそれは、雪に埋もれてしまうことは美しくかがや「くしたぐら」のように縁の下の力持ちということであろうとおもう。


(訳注)
送人從軍
(人 從軍するを送る)
人が戦地に從軍していくのを送る時に思ったことを述べる。
〇軍について行く人を見てこの詩を作る。この頃の詩「蕃剣」「送遠」「所思」「從人覓小胡孫許寄」の全体から意味を見ていく必要がある。
この詩は、特定の人について述べるのではなく、安禄山の叛乱以来の天子の勅命に問題があること、杜甫が朝廷の中で左拾遺という天子を諌める立場の発言に対し一切聞き入れられるどころか賢臣をことごとく貶めた天子および側近に問題があることを述べている。


弱水應無地,陽關已近天。
東北の地の果ての弱水は行くべき土地ではないし、西域の沙州陽関は既に天に近いところである。
弱水 松花江のこと。ユーラシア大陸・中国東北部を流れる川の一つ。(現:黒竜江)
陽關 沙州、甘粛省敦煌市の南西約70kmにある、かつて建設されたシルクロードの重要な堅固な関所の1つ。併せて設置された玉門関より南に位置し、その為「陽関」と称された。玉門関と併せて「二関」と呼ばれる。漢代に武帝が河西回廊を防衛する目的で建設した、西域交通南ルートのでの要所であった。陽関は、中国で古代より孤独な生活を思い詠嘆する地で、王維『送元ニ使安西』 「謂城朝雨浥輕塵、客舍青青柳色新。勸君更盡一杯酒 、西出陽關無故人。」 「安西都護府」に使いする。「西出陽關無故人(西のかた 陽関を出づれば故人無からん)」の句は三度繰り返し吟じられることが多く、「陽関三畳」と呼ばれる。「陽關(関)」の遺構は、燉煌郊外に現存する。


今君度沙磧,累月斷人煙。
今君は沙州の河原や、砂漠を渡るのである、そこで月日を重ねていくことは人のかまどの火と遮断した生活が続くのである。
・沙磧【しゃせき・砂磧】 砂の河原。砂原。・累月 多くの月日をかさねる。幾月にもわたる。


好武寧論命,封侯不計年
立派な武功というものはむしろ天子の命について論じたことからいうべきではなかろうか、そうすれば侯公として領地を封じられることは年をかぞえなくてできるだろう。
○側近のものが天子を諌めることが出来ないことをいう。その結果が次の二句である。


馬寒防失道,雪沒錦鞍韉。
此れから行く先では馬が寒さの中、国を守る戦いをし、行く道を迷ってしまうことであろう、そしてそれは、雪に埋もれてしまうことは美しくかがや「くしたぐら」のように縁の下の力持ちということであろうとおもう。
錦鞍韉 美しくかがやくしたぐら。縁の下の力持ちというほどの意。・鞍韉 したぐら【下鞍・韉】. 馬具の一。和式の鞍で,鞍橋(くらぼね)の下に敷いて,馬の背を保護するもの。






蕃剣
致此自僻遠,又非珠玉裝。
如何有奇怪,每夜吐光芒。
虎氣必騰上,龍身寧久藏。
風塵苦未息,持汝奉明王。
此を致すは僻遠【へきえん】よりす、又た珠玉【しゅぎょく】の装に非ず。
如何【いかん】ぞ奇怪【きかい】有りて、毎夜光芒【こうぼう】を吐く。
虎気【こき】必ず騰上【とうじょう】せん、竜身【りょうしん】寧ぞ久しく蔵せんや。
風塵未だ息【や】まざるに苦しむ、汝を持して明王に奉ぜん。


送遠
帶甲滿天地,胡為君遠行?
親朋盡一哭,鞍馬去孤城。
草木歲月晚,關河霜雪清。
別離已昨日,因見古人情。
帯甲【たいこう】天地に満つ、胡【なん】為れぞ君遠く行く。
親朋【しんぽう】尽く一笑す、鞍馬【あんば】孤城より去る。
草木【そうもく】歳月晩れ 関河【かんか】霜雪清し。
別離【べつり】己に昨日、因って見る古人の情。


所思
鄭老身仍竄、台州信始傳。
爲農山澗曲、臥病海雲邊。
世己疎儒素、人猶乞酒錢。
徒勞望牛斗、無計屬龍泉。
鄭老【ていろう】身仍【な】お竄【ざん】せらる、台州【だいしゅう】信始めて伝う。
農と為る山澗【さんかん】の曲【くま】、病に臥す海雲【かいうん】の辺。
世己に儒素【じゅそ】を疎んず、人猶お酒銭【しゅせん】を乞う。
徒に牛斗を望むに労す、竜泉【りゅうせん】を屬【しょ】くするに計無し。


從人覓小胡孫許寄
人說南州路,山猿樹樹懸。
舉家聞若駭,為寄小如拳。
預哂愁胡面,初調見馬鞭。
許求聰慧者,童稚捧應癲。
人に從ひて 小胡の孫許 寄せるを覓むる
人說きて南州の路,山猿 樹樹に懸る。
家を舉げて若駭を聞く,寄すことを為して小さく拳るが如し。
哂を預け胡の面を愁う,調を初して馬に鞭を見る。
許求して慧者を聰き,童 稚くして 應癲を捧ぐ。