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別贊上人 杜甫 <319-#3> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1499 杜甫詩 700- 464


別贊上人#1
百川日東流,客去亦不息。
数多ある川は毎日当たり前のように東に流れて行く。客人がここを去って行くことはまた休息をしないということだ。
我生苦漂蕩,何時有終極?
私が生きていくことは、漂泊をしているので苦しいことだけだ、いつになったらこの生活を終わりにすることが出来るのだろうか。
贊公釋門老,放逐來上國。
贊公上人は仏教界の中で長老になられる、房琯にくみしていたということで長安の大雲寺の宗主を追放されてこの地に来られた。
還為世塵嬰,頗帶憔悴色。
この度、又帰られて世俗の塵をかぶられ、初めからの出直しすることになるという、少しばかり、心配顔に染まったのを目にする。

#2
楊枝晨在手,豆子雨已熟。
別れのための柳の枝を朝方に手に取っているし、豆子茶にしても雨の中ですでに熟成している。
是身如浮雲,安可限南北。
我々のこの身は浮雲のように定まる所がない、心休まる所は、南でも北でもいいのである。
異縣逢舊友,初欣寫胸臆。
本来なら会えない異なった県において旧友にお会いできた、初めにあったころの嬉しさがこの胸に思い出されていることを又映し出している。
天長關塞寒,歲暮饑凍逼。
天はどこまでも悠久であるがここの関所塞は極寒になってきている。今年も押し迫ってきての問題は飢えと寒さが緊急の事であるということだ。

#3
野風吹徵衣,欲別向曛黑。
冬の厳しい風になりつつある野に吹く風は次の土地に向えと旅の衣に吹き込んでくる。日暮れになってきたので上人と別れをしなければいけないとおもっている。
馬嘶思故櫪,歸鳥盡斂翼。
愛馬はいつも使っているかいば桶を思い出しては嘶くのであり、鳥にしたって羽をはばたきつくして襲撃のためにいったん高い所に飛び上がっていてもやはり古巣へ帰るものである。
古來聚散地,宿昔長荊棘。
この秦州は古くから、生産地から集めた品物を消費地へ送り出す場所であり、従来より、自分の進むのはいばらの道が長いのである。
相看俱衰年,出處各努力!
こうして見ているとお互い同じように年を重ね衰えもしてきている。そうはいっても各々が努力をして行くということでここを出て行くことにしよう。


(贊上人に別る)#1
百川は 日び東流し、客の去りゆくことも 亦た息まず。
我が生は 飄(ただよ)い蕩(さまよ)うことに苦しむ、何れの時にか 終り極まること有らん。
贊公 釋門の老,放逐されて上國に來る。
還って世塵の嬰に為さん,頗る帶びるは 憔悴の色。
#2
楊枝 晨に手に在り,豆子 雨は已に熟し。
是身は浮雲の如く,安んぞ南北に限すべけん。
異縣 舊友に逢い,初欣 胸臆を寫す。
天長くして 関塞は寒からん,歳の暮れちかければ 饑えと凍えに逼(せま)られん。
#3
野の風は 征(たび)の衣を吹き,別れんと欲すれば 曛黒(ひぐれ)に向(なんなん)とす。
馬嘶いて故櫪を思い,歸鳥して斂翼を盡す。
古來 聚散の地なり,宿昔 荊棘を長す。
相看れば俱に衰年なり,出處して各努力するのみ!


現代語訳と訳註
(本文)
#3
野風吹徵衣,欲別向曛黑。馬嘶思故櫪,歸鳥盡斂翼。
古來聚散地,宿昔長荊棘。相看俱衰年,出處各努力!


(下し文) #3
野の風は 征(たび)の衣を吹き,別れんと欲すれば 曛黒(ひぐれ)に向(なんなん)とす。
馬嘶いて故櫪を思い,歸鳥して斂翼を盡す。
古來 聚散の地なり,宿昔 荊棘を長す。
相看れば俱に衰年なり,出處して各努力するのみ!


(現代語訳)
冬の厳しい風になりつつある野に吹く風は次の土地に向えと旅の衣に吹き込んでくる。日暮れになってきたので上人と別れをしなければいけないとおもっている。
愛馬はいつも使っているかいば桶を思い出しては嘶くのであり、鳥にしたって羽をはばたきつくして襲撃のためにいったん高い所に飛び上がっていてもやはり古巣へ帰るものである。
この秦州は古くから、生産地から集めた品物を消費地へ送り出す場所であり、従来より、自分の進むのはいばらの道が長いのである。
こうして見ているとお互い同じように年を重ね衰えもしてきている。そうはいっても各々が努力をして行くということでここを出て行くことにしよう。


(訳注) #3
野風吹徵衣,欲別向曛黑。

冬の厳しい風になりつつある野に吹く風は次の土地に向えと旅の衣に吹き込んでくる。日暮れになってきたので上人と別れをしなければいけないとおもっている。
・曛黑  日が暮れ天が黑になっていく。南朝宋謝靈運『擬魏太子鄴中集詩‧陳琳』「夜聽極星闌, 朝遊窮曛黑。」(夜聽いて星闌を極め, 朝に遊んで曛黑を窮む。)


馬嘶思故櫪,歸鳥盡斂翼。
愛馬はいつも使っているかいば桶を思い出しては嘶くのであり、鳥にしたって羽をはばたきつくして襲撃のためにいったん高い所に飛び上がっていてもやはり古巣へ帰るものである。
故櫪 いつも使っているかいばおけ。
斂翼 わしが襲撃のためにいったん高い所に飛び上がる様子をいう。


古來聚散地,宿昔長荊棘。
この秦州は古くから、生産地から集めた品物を消費地へ送り出す場所であり、従来より、自分の進むのはいばらの道が長いのである。
聚散 1 集まったり散ったりすること。「離合―」2 生産地から集めた品物を消費地へ送り出すこと。
宿昔 昔から今までの間。従来。また、むかし。以前。
荊棘 [1]イバラなどとげのある低木。また、イバラなどの生い茂る荒れた土地。[2]障害・妨げとなるもの。困難。いばらの道


相看俱衰年,出處各努力!
こうして見ているとお互い同じように年を重ね衰えもしてきている。そうはいっても各々が努力をして行くということでここを出て行くことにしよう。



■大雲寺贊公房四首
心在水精域,衣沾春雨時。
洞門盡徐步,深院果幽期。』
到扉開複閉,撞鐘齋及茲。
醍醐長發性,飲食過扶衰。-
把臂有多日,開懷無愧辭。』
黃鸝度結構,紫鴿下罘罳。
愚意會所適,花邊行自遲。
湯休起我病,微笑索題詩。』-
心は水精の域に在り 衣は需う春雨の時
洞門尽く徐歩 深院果して幽期』
到扉開いて復た閉ず 撞鐘斎蓋に及ぶ
醍醐長えに性を発せしむ 飲食裏を扶くるに過ぐ-
轡を把る多目有り 懐を開く塊辞無し』
黄鶴結構を度り 紫鵠宋恩より下る
愚意適する所に会う 花辺行くこと自ら遅し
揚休我が病めるを起たしむ 微笑して題詩を索む』

其二
細軟青絲履,光明白氎巾。
深藏供老宿,取用及吾身。
自顧轉無趣,交情何尚新。
道林才不世,惠遠得過人。
雨瀉暮簷竹,風吹春井芹。
天陰對圖畫,最覺潤龍鱗。
細軟 青絲を履き,光明 白氎の巾。
深藏 供に老いて宿し,取を用って 吾身に及び。
自ら顧みて 轉 趣き無し,交情 何んぞ尚お新し。
道林 才 不世,惠遠 過る人を得る。
雨瀉ぐ 簷竹に暮し,風吹き 春井芹。
天陰 圖畫に對し,最も覺して龍鱗に潤う。

其三
燈影照無睡,心清聞妙香。
夜深殿突兀,風動金瑯璫。
天黑閉春院,地清棲暗芳。
玉繩迥斷絕,鐵鳳森翱翔。
梵放時出寺,鐘殘仍殷床。
明朝在沃野,苦見塵沙黃。』
燈影照らして睡(ねむ)る無し、心清くして妙香を聞く。
夜深くして殿突(でんとつ)兀(ごつ)たり、風動かして金瑯璫たり。
天黒くして春院閉ず、地清くして暗芳棲む。
玉縄迥に断絶す、鉄鳳森として翱翔す。
梵放たれて時に寺を出づ、鐘残って仍牀に殷たり。
明朝沃野に在らん、塵沙の黄なるを見るに苦しむ。

其四
童兒汲井華,慣捷瓶手在。
沾灑不濡地,掃除似無帚。
明霞爛複閣,霽霧搴高牖。
側塞被徑花,飄搖委墀柳。
艱難世事迫,隱遁佳期後。
晤語契深心,那能總鉗口?
奉辭還杖策,暫別終回首。
泱泱泥汙人,狺狺國多狗。
既未免羈絆,時來憩奔走。
近公如白雪,執熱煩何有?
童兒 井華(せいか)に汲む,慣捷(かんせい) 瓶 手に在る。
沾灑(てんさい) 地に濡(うるお)わず,掃除(そうじょ) 帚(はく)こと 無しに似たり。
明霞(めいか) 爛(らん)複た閣,霽霧(せいむ) 高牖(こうりょ)を搴(ぬ)く。
側塞(そくさい) 徑花を被い,飄搖(ひょうよう) 墀柳(くつりゅう)に委ねる。
艱難(かんなん) 世事 迫る,隱遁 佳期の後。
晤語 深心に契り,那んぞ能く 鉗口に總(おさ)めんや?
奉辭(ほうじ) 還た杖策し,暫別 終に首を回らす。
泱泱(おうおう)たる 泥 人を汙(けが)す,狺狺(ぎんぎん)たる 國に 狗 多し。
既に 未だ 羈絆 免じず,時 來りて 奔走して 憩(いこ)わむ。
近公 白雪の如し,執熱 煩 何んぞ有りや?


■宿贊公房
宿贊公房
 〔原注〕 賛。京師大雲寺主。謫此安置。
杖錫何來此,秋風已颯然。
雨荒深院菊,霜倒半池蓮。
放逐寧違性?虛空不離禪。
相逢成夜宿,隴月向人圓。
(賛公が房に宿す)
(賛は、京師の大雲寺の主なり、此に謫して安置せらる。)
錫【しゃく】を杖【つ】きて何か此に来たれる、秋風己に颯然【さつせん】たり。
雨には荒る深院【しんいん】の菊、霜には倒る半池の蓮【れん】。
放逐【ほうちく】寧ぞ性に違【たが】わんや、虚空【こくう】禅を離【さ】らず。
相逢うて夜宿【やしゅく】を成せば、隴月【ろうげつ】人に向こうて円【まど】かなり。


■寄贊上人
一昨陪錫杖,卜鄰南山幽。年侵腰腳衰,未便陰崖秋。
重岡北面起,竟日陽光留。茅屋買兼土,斯焉心所求。
近聞西枝西,有穀杉漆稠。
亭午頗和暖,石田又足收。當期塞雨幹,宿昔齒疾瘳。
徘徊虎穴上,面勢龍泓頭。柴荊具茶茗,逕路通林丘。
與子成二老,來往亦風流。
(下し文)
一昨は あなたの錫杖【しゃくじょう】に陪し、隣を卜す 南山の幽なるに。
年の侵して われは腰や脚の衰うれば、陰の崖の秋には 未だ便ならず。
重なれる岡【やま】の 北面に起これば、竟日 陽光は留まらん。
茅屋は 買うに土を兼ぬれば、斯【すなわ】ち焉【ここ】ぞ 心の求むる所なり。
近ごろ聞く 西枝の西に、谷有りて 杉と漆の稠【おお】く。
亭午は 頗る和暖にして、石田は 又た収むるに足ると。
当【まさ】に期す この塞の雨の乾き、宿昔の 歯の疾【やまい】の瘳【い】ゆるときを。
虎穴の上【ほと】りを 徘徊し、竜泓【りゅうおう】の頭【ほと】りに 面勢せん。
柴荊【さいけい】に 茶茗を具え、逕路は あなたのすまう林丘に通ず。
子【し】とわれと 二老と成り、来往すれば 亦た風流ならん。