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“同谷紀行(4)” 鹽井 杜甫 <324>#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1535 杜甫詩 700- 476 
詩 題:“同谷紀行(4)” 鹽井(塩 井)
掲 載; 杜甫700の324首目-#1
杜甫ブログ;476回目

同谷紀行の第四首。塩井をすぎて塩商の暴利をむさぼるのを批評した詩である。



鹽井
鹵中草木白,青者官鹽煙。
塩分を含んたこの地方は草木、葉まで白くなっている。そこに青青とたちのぼっていのは官製の塩を焼く煙だけである。
官作既有程,煮鹽煙在川。
官の作業には一日の製塩責任生産量のきまりがある、それでひたすら塩を煮るので煙が川の上に充満するのである。
汲井年搰搰,出車日連連。
年中骨を折って井から塩を汲みだし、毎日ひききりなしにできた塩を車に積んでは積み出す。
自公鬥三百,轉致斛六千。
官から払いさげる価は一斗三百銭だが、民に転送される時には四倍の一斗一千二百銭になる。
君子慎止足,小人苦喧闐。
君子は老子の「止足の戒め」を知って暴利を貪らぬようにすることである。そうでないと小民は喧嘩騒ぎ暴動に発展することもある。
我何良嘆嗟,物理固自然。

私がそんなことをいったとしても、無駄ごとだのになんでそれを嘆いてしまうのか。利を争うことは物ごとの道理においてもとよりあたりまえのことであるのだ。

 秦州同谷0002k52

現代語訳と訳註
(本文)
鹽井
鹵中草木白,青者官鹽煙。官作既有程,煮鹽煙在川。
汲井年搰搰,出車日連連。自公鬥三百,轉致斛六千。
君子慎止足,小人苦喧闐。我何良嘆嗟,物理固自然。


(下し文)
鹵中【ろちゅう】草木白し、青き者は官塩の煙なり。
官作 既に程有り、塩を煮れば煙川に在り。
井を汲むこと歳に搰搰【こつこつ】たり、車を出だすこと日に連連たり。
公自りす 斗に三百、転致【てんち】す、斛【こく】に六千。
君子止足を慎む、小人 喧闐【けんてん】なるに苦しむ。
我何ぞ良【まことに】歎嗟【たんさ】せん、物理固【もと】より自ずから然り。


(現代語訳)
塩分を含んたこの地方は草木、葉まで白くなっている。そこに青青とたちのぼっていのは官製の塩を焼く煙だけである。
官の作業には一日の製塩責任生産量のきまりがある、それでひたすら塩を煮るので煙が川の上に充満するのである。
年中骨を折って井から塩を汲みだし、毎日ひききりなしにできた塩を車に積んでは積み出す。
官から払いさげる価は一斗三百銭だが、民に転送される時には四倍の一斗一千二百銭になる。
君子は老子の「止足の戒め」を知って暴利を貪らぬようにすることである。そうでないと小民は喧嘩騒ぎ暴動に発展することもある。
私がそんなことをいったとしても、無駄ごとだのになんでそれを嘆いてしまうのか。利を争うことは物ごとの道理においてもとよりあたりまえのことであるのだ。


(訳注)
鹽井

塩井 しおをくみ取る井戸のこと、「元和郡国志」にはいう、「塩井は成州長道県の東三十里に在り、水、岸と斉し、塩極めて甘美、之を食すれば気を破る、塩官の故城は県の東三十里二在り、幡家(山名)ノ西四十里に在り、相い承けて蓑るこトを営む、味、海塩ぼく同じ。」と。長道県は中国歴史地図「唐」によると塩官城とある所である。同谷紀行(3)鐵堂峽は籍水(峰水)の渓谷で渭水の流域であったが、塩井は嘉陵江ッ上流の西漢水の最上流部にあたる。また、今の筆昌府西和県にあり、成州よりは東北にあたっている。


鹵中草木白,青者官鹽煙。
塩分を含んたこの地方は草木、葉まで白くなっている。そこに青青とたちのぼっていのは官製の塩を焼く煙だけである
【ろ】 塩分を含んた地をいう。
官塩煙 官製のしおをやくけむり。


官作既有程,煮鹽煙在川。
官の作業には一日の製塩責任生産量のきまりがある、それでひたすら塩を煮るので煙が川の上に充満するのである。
官作 官の作業。
有程 定めの課程、製塩額の進度。一日の責任生産量。


汲井年搰搰,出車日連連。
年中骨を折って井から塩を汲みだし、毎日ひききりなしにできた塩を車に積んでは積み出す。
 一歳のうち。
滑掃 力を用いるさま。
出車 できたしおを積んだ車を出すこと。
 日日。
連連 ひきつづくさま。


自公鬥三百,轉致斛六千。
官から払いさげる価は一斗三百銭だが、民に転送される時には四倍の一斗一千二百銭になる。
自公 官から払いさげること。
斗三百一斗につき三百銭。一斛は五斗なので民には四倍の一千二百銭となる。流通を考えれば常識的なものであるが杜甫には。暴利と感じられたのであろう
転致 払いさげをうけた商人が需用者へうつし売ること。


君子慎止足,小人苦喧闐。
君子は老子の「止足の戒め」を知って暴利を貪らぬようにすることである。そうでないと小民は喧嘩騒ぎ暴動に発展することもある。
○慎止足 謹慎して止どまり足ることをつとめる。『老子、聖徳第三十二』に「夫亦將知止、知止所以不殆也」(夫れ亦將に止まるを知らんとす、止どまるを知るは殆からざる所以也)とあり、止足の戒め:易経第四十四章第四十四章) 余分な財産を持っていると、志を損なったり、過ちを犯しやすくなる。
喧聞 やかましくさわぎ立て暴動を起こす。塩価のたかいことについて不平の声の多いことをいい、暴動に転ずることがある。


我何良嘆嗟,物理固自然。
私がそんなことをいったとしても、無駄ごとだのになんでそれを嘆いてしまうのか。利を争うことは物ごとの道理においてもとよりあたりまえのことであるのだ。
我何良嘆嗟 我何ぞ良【まことに】歎嗟【たんさ】せん。役人と一部の業者に卸売業者にほとんどの利益が集積された時代である。
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