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“同谷紀行(7)” 青陽峽 杜甫 <326>#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1547 杜甫詩 700- 480 


詩 題:“同谷紀行(7)” 青陽峽 759年10月
掲 載; 杜甫700の326首目-#1
杜甫ブログ;480回目
同谷紀行の第七首。静陽暁の状を写し、兼ねて往月隴坂をこえたときのさまと対照してのべて
いる。


青陽峽
塞外苦厭山,南行道彌惡。
国境の塞の外といわれる秦州地方から既に山を越えに越えて飽き飽きするほどであるが、南行すると同谷に向かって道路はいよいよ悪くなる。
岡巒相經亙,雲水氣參錯。
岡や小山が縦にはえ、横に渉っていりまじり、雲水の気が互いに相まじわる。
林回峽角來,天窄壁面削。
はるか遠くにつづく峡角の林がみえるとやがてそれが次第に近づいてくる。断崖の壁面が削られたようにそそり立ち空もせまくなってくる。
溪西五裡石,奮怒向我落。
溪の西側およそ五里の間岩場が続く、その巌石は怒っていて我々に向かって落ちようとしている。
仰看日車側,俯恐坤軸弱。

崖璧が高く仰ぎみれば太陽は早くかたむくかのようである、目を俯してみると谷の地軸もこの険阻を載せるには力が足らないのではないかと心配になる。#2
魑魅嘯有風,霜霰浩漠漠。憶昨逾隴阪,高秋視吳嶽。
東笑蓮華卑,北知崆峒薄。超然侔壯觀,始謂殷寥廓。
突兀猶趁人,及茲嘆冥寞。

(青陽峽)#1
塞外【さいがい】苦【はなは】だ山に厭【いと】う、南行すれば道弥【いよいよ】悪し。
岡巒【こうらん】相い經亙【けいこう】し、雲水 気は参錯【さんさく】す。
林 回【はる】かに峽角【こうかく】来たり、天 窄【せま】くして壁面削る。
溪西【けいせい】五里の石、奮怒【ふんど】我に向かいて落つ。
仰いで日車【にっしゃ】の側【かたむ】くを看、俯して坤軸【こんじゅく】の弱からんことを恐る。

#2
魑魅【ちみ】嘯【うそぶ】いて風有り、霜霰【そうせん】浩【こう】として漠漠【ばくばく】たり。
咋【さく】憶う 隴阪【ろうばん】を逾【こ】えしとき、高秋【こうしゅう】呉岳【ごがく】を視き、東に蓮華【れんげ】の卑【ひく】きを笑い、北に崆峒【くうどう】の薄【せま】るを知る。
超然【ちょうぜん】として壮観を倖【ひと】しくす、己に謂【おも】えらく寥廓【りょうかく】に殷【あた】ると。
突冗【とつこつ】として猶お人を趁【お】う、茲【ここ】に及びて冥漠【めいばく】なるを嘆【たん】ず。


現代語訳と訳註
(本文)

塞外苦厭山,南行道彌惡。岡巒相經亙,雲水氣參錯。
林回峽角來,天窄壁面削。溪西五裡石,奮怒向我落。
仰看日車側,俯恐坤軸弱。


(下し文)
(青陽峡)

塞外【さいがい】苦【はなは】だ山に厭【いと】う、南行すれば道弥【いよいよ】悪し。
岡巒【こうらん】相い經亙【けいこう】し、雲水 気は参錯【さんさく】す。
林 回【はる】かに峽角【こうかく】来たり、天 窄【せま】くして壁面削る。
溪西【けいせい】五里の石、奮怒【ふんど】我に向かいて落つ。
仰いで日車【にっしゃ】の側【かたむ】くを看、俯して坤軸【こんじゅく】の弱からんことを恐る。


(現代語訳)
国境の塞の外といわれる秦州地方から既に山を越えに越えて飽き飽きするほどであるが、南行すると同谷に向かって道路はいよいよ悪くなる。
岡や小山が縦にはえ、横に渉っていりまじり、雲水の気が互いに相まじわる。
はるか遠くにつづく峡角の林がみえるとやがてそれが次第に近づいてくる。断崖の壁面が削られたようにそそり立ち空もせまくなってくる。
溪の西側およそ五里の間岩場が続く、その巌石は怒っていて我々に向かって落ちようとしている。
崖璧が高く仰ぎみれば太陽は早くかたむくかのようである、目を俯してみると谷の地軸もこの険阻を載せるには力が足らないのではないかと心配になる。


(訳注)
青陽峽

青陽峡 秦州からの南路にあたっている塩井城までの峡の名か、そこを越えて同谷の間かもしれないが所在不明。

華州から秦州同谷成都00



塞外苦厭山,南行道彌惡。
国境の塞の外といわれる秦州地方から既に山を越えに越えて飽き飽きするほどであるが、南行すると同谷に向かって道路はいよいよ悪くなる。
○塞外 秦州地方をさす。
○南行 岡谷をさして南にゆく。


岡巒相經亙,雲水氣參錯。
岡や小山が縦にはえ、横に渉っていりまじり、雲水の気が互いに相まじわる。
岡巒 岡や小山。
経亙 縦にはえ、横に渉る。
○気 雲水の気。
参錯 いりまじる。


林回峽角來,天窄壁面削。
はるか遠くにつづく峡角の林がみえるとやがてそれが次第に近づいてくる。断崖の壁面が削られたようにそそり立ち空もせまくなってくる。
 峡角の林。
峡角 峡の一隅をいう。
 こちらが進むことであるが峡角を主にしていう。
天窄 絶壁のひまよりながめる故に天はせまい。


溪西五裡石,奮怒向我落。
溪の西側およそ五里の間岩場が続く、その巌石は怒っていて我々に向かって落ちようとしている。


仰看日車側,俯恐坤軸弱。
崖璧が高く仰ぎみれば太陽は早くかたむくかのようである、目を俯してみると谷の地軸もこの険阻を載せるには力が足らないのではないかと心配になる。
日車側 日車は太陽をいう、古伝説では太陽は車にのってはしると考えられた。
坤軸弱 坤軸は地軸、現今いう所の地軸とはちがい大地をささえる柱軸である、弱とはこの厚地を載せるのに力のたらぬこと。


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