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“同谷紀行(8)” 龍門鎮 杜甫 1000<327> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1553 杜甫詩 1500- 482 


詩 題:“同谷紀行(8)” 龍門鎮 759年11月
掲 載; 杜甫1000の327首目-#1杜
甫ブログ;1500-482回目 同谷紀行の第八首。竜門鋲を過ぎてその戍卒をみて、朝廷の無策振りを批評した作。


龍門鎮
細泉兼輕冰,沮洳棧道濕。
細い湧き泉と薄氷を帯びている、低いところでじくじく流れだし桟道がぬれている。
不辭辛苦行,迫此短景急。
そこを 辛苦をものともせず歩いてゆく、そこに十一月の日日がはやく落ちくれるのが迫っている。
石門雲雪隘,古鎮峰巒集。
石壁の門形をなしているところは雲や雪にふさがれており、この古い鎮所はぐるり峰々と山々が取り囲んでいるのである。
旌竿暮慘澹,風水白刃澀。
鎮所の様子は旗竿の色も夕暮にあたって憂いの色をふくんでいる、風に鳴る水の流れに戍卒が砥ごうとしている白刃にも光がないのだ。
胡馬屯成皋,防虞此何及!
いまや安史軍の兵馬は遠く鄭州の成皋のあたりで勢力を伸ばしているという、それをふせぐにはこんな場所に軍隊を集積しておいて何になるのか。
嗟爾遠戍人,山寒夜中泣!

ああ 汝ら この遠くの鎮をまもる人々よ、山の中は凍える寒さで夜中に泣いていることだろう。
細泉と軽水と、沮洳【しょじょ】棧道【さんどう】湿【うるお】う。
辞せず辛苦【しんく】して行くを、此の短景【たんけい】の急なるに迫る。
石門【せきもん】雲雪【うんせつ】隘【ふさ】ぐ、古鎮【こちん】に峰巒【ほうらん】集まる。
旌竿【せいかん】暮に惨澹【さんたん】たり、風水に白刃渋る。
胡馬【こば】成皋【せいこう】に屯す、防虞【ぼうぐ】此【これ】何ぞ及ばん。
嗟 爾 遠戍【えんじゅ】の人、山寒くして夜中に泣かん。


現代語訳と訳註
(本文)
龍門鎮
細泉兼輕冰,沮洳棧道濕。不辭辛苦行,迫此短景急。
石門雲雪隘,古鎮峰巒集。旌竿暮慘澹,風水白刃澀。
胡馬屯成皋,防虞此何及!嗟爾遠戍人,山寒夜中泣!


(下し文)
細泉と軽水と、沮洳【しょじょ】棧道【さんどう】湿【うるお】う。
辞せず辛苦【しんく】して行くを、此の短景【たんけい】の急なるに迫る。
石門【せきもん】雲雪【うんせつ】隘【ふさ】ぐ、古鎮【こちん】に峰巒【ほうらん】集まる。
旌竿【せいかん】暮に惨澹【さんたん】たり、風水に白刃渋る。
胡馬【こば】成皋【せいこう】に屯す、防虞【ぼうぐ】此【これ】何ぞ及ばん。
嗟 爾 遠戍【えんじゅ】の人、山寒くして夜中に泣かん。


(現代語訳)
細い湧き泉と薄氷を帯びている、低いところでじくじく流れだし桟道がぬれている。
そこを 辛苦をものともせず歩いてゆく、そこに十一月の日日がはやく落ちくれるのが迫っている。
石壁の門形をなしているところは雲や雪にふさがれており、この古い鎮所はぐるり峰々と山々が取り囲んでいるのである。
鎮所の様子は旗竿の色も夕暮にあたって憂いの色をふくんでいる、風に鳴る水の流れに戍卒が砥ごうとしている白刃にも光がないのだ。
いまや安史軍の兵馬は遠く鄭州の成皋のあたりで勢力を伸ばしているという、それをふせぐにはこんな場所に軍隊を集積しておいて何になるのか。
ああ 汝ら この遠くの鎮をまもる人々よ、山の中は凍える寒さで夜中に泣いていることだろう。


(訳注)
龍門鎮

○竜門鎮 甘粛鞏昌府 成県の東にあるという、鎮は戍兵の屯する所。


細泉兼輕冰,沮洳棧道濕。
細い湧き泉と薄氷を帯びている、低いところでじくじく流れだし桟道がぬれている。
○細泉 はそく流れるわきみず。
○兼 …と…。
○軽水 うすくて浮かんでいるこおり。
○狙伽 低くてしめりけの多い地。『詩経、魏風、汾沮洳』「彼汾沮洳、言采其莫」(彼の. 汾(汾水という川)の沮洳、言に其の莫. (野菜の一種)を采る)とある。「集伝」で. は、この「沮洳」を「水浸処、下湿之地」. という。
○桟道 道路の上に水が流れ、氷が張って居る、氷っていないところは泥濘で進めないので、架け橋を渡した道路を桟道としてその上を行くもの。


不辭辛苦行,迫此短景急。
そこを 辛苦をものともせず歩いてゆく、そこに十一月の日日がはやく落ちくれるのが迫っている。
○短景 日のみじかいこと、冬至の月(11月)であるから日がはやく落ちる。


石門雲雪隘,古鎮峰巒集。
石壁の門形をなしているところは雲や雪にふさがれており、この古い鎮所はぐるり峰々と山々が取り囲んでいるのである。
○石門 竜門の地形は石壁が立って門のようになっているのである。
○隘 雲や雪に塞がれることで其処をせまくするという意味。
○古鎮 この古い鎮所をさす。


旌竿暮慘澹,風水白刃澀。
鎮所の様子は旗竿の色も夕暮にあたって憂いの色をふくんでいる、風に鳴る水の流れに戍卒が砥ごうとしている白刃にも光がないのだ。
○旗竿 はたぎお、鎮所にある軍旗。
○惨澹 あたりの気象がものがなしい。
○白刃 成卒の帯びる刀のしらは。
○渋 さびて光らぬこと。


胡馬屯成皋,防虞此何及!
いまや安史軍の兵馬は遠く鄭州の成皋のあたりで勢力を伸ばしているという、それをふせぐにはこんな場所に軍隊を集積しておいて何になるのか。
○胡馬 異民族の兵士が入り混じっている安史軍をさす。
○屯成皋 屯はたむろする、あつまること、成皋は漢時の県名、今の河南省開封府汜水県の西北にあたり、洛陽の東方にある、乾元二年九月に史思明は洛陽)を再度陥落、斉・汝・鄭・滑の四州に及んだ、成皋は鄭州のあたりである。
○防虞 虞は安史軍を示す。唐王朝に対する不満分子、はみ出しものというほどの意味。安史軍をふせぎ、安史軍に備える準備、整備をしめすもの。
○此 竜門鎮の軍隊をさす。
○何及 おいつかぬ。洛陽付近で安史軍が勢力を伸ばしているのに、ここに軍隊を集積しておいて何になるのかという意味。


嗟爾遠戍人,山寒夜中泣!
ああ 汝ら この遠くの鎮をまもる人々よ、山の中は凍える寒さで夜中に泣いていることだろう。
○遠戍成人 この鎮の戍卒らをさす、遠とは成皋方面とかけはなれたことをいう。





龍門鎮
細泉兼輕冰,沮洳棧道濕。
不辭辛苦行,迫此短景急。
石門雲雪隘,古鎮峰巒集。
旌竿暮慘澹,風水白刃澀。
胡馬屯成皋,防虞此何及!
嗟爾遠戍人,山寒夜中泣!

(竜門鎮)
細泉と軽水と、沮洳【しょじょ】棧道【さんどう】湿【うるお】う。
辞せず辛苦【しんく】して行くを、此の短景【たんけい】の急なるに迫る。
石門【せきもん】雲雪【うんせつ】隘【ふさ】ぐ、古鎮【こちん】に峰巒【ほうらん】集まる。
旌竿【せいかん】暮に惨澹【さんたん】たり、風水に白刃渋る。
胡馬【こば】成皋【せいこう】に屯す、防虞【ぼうぐ】此【これ】何ぞ及ばん。
嗟 爾 遠戍【えんじゅ】の人、山寒くして夜中に泣かん。


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