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“同谷” 乾元中寓居同谷県作歌七首 其二 杜甫1000<333> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1583 杜甫詩1500- 492 



詩 題:“同谷” 乾元中寓居同谷県作歌七首 其二 作759年11月
掲 載; 杜甫1000の333首目
杜甫ブログ1500-492回目

乾元中寓居同谷縣作歌 七首 其一
有客有客字子美,白頭亂發垂過耳。
ここに『詩経』でいう旅人がいるその名前は子美という、男の頭は白く乱れた髪が垂れて耳よりもさがっている。
歲拾橡栗隨狙公,天寒日暮山谷裡。
今年も年の暮になろうとするのに、山谷のうちで天候は凍えるように寒くもう日暮れにさしかかる、『荘子』にいう猿回しのあとにくっついて橡の実や栗をひらって歩くのだ。
中原無書歸不得,手腳凍皴皮肉死。』
中原の故郷たる方からは手紙もなく様子が知れないから帰ることもならず、手や脚は凍えしわだって皮膚も肉もひからびている。』
嗚呼一歌兮歌已哀,悲風為我從天來。』
ああここに第一歌をうたう、この歌声は初からすでにあわれであり、悲しそうな風が吹いてきて自分のために天もそれに感ずるように天から吹き下ろして來る。』


(2)この時の子供らの様子をいう。この詩は「二」というキーワードで詠っている。二人称の歌。
乾元中寓居同谷県作歌七首 其二
長鑱長鑱白木柄,我生托子以為命。
長い鉄の頭のついた犂、長い柄の鉄の犂、きみには白木の柄がついている。われわれの生活はきみによって生命の親としているのだ。
黃獨無苗山雪盛,短衣數挽不掩脛。
土イモは山中の雪が盛んにつもっていてその苗もかれてみつからない、(その雪の中私と云えば)短い裾の衣を着ていくらひっぱっても脛をかくすことはできないのだ。
此時與子空歸來,男呻女吟四壁靜。』
この時きみと収穫なしのから手でうちへもどってくる、家族の男の子呻き、女の子は吟じているようにおなかがすいているというががらんどうの部屋の四方の壁はひっそり立っている。』
嗚呼二歌兮歌始放,閭裡為我色惆悵。』
ああ、これは二の歌だ、だからはじめて大声出してきままに歌うのだ、これをきいては近所の人たちも集まって収穫なしの自分のために恨み嘆く顔つきをしてくれる。』

長鑱【ちょうさん】長鑱【ちょうさん】白木の柄【へい】、我が生子に託して以て命と為す。
黄独【こうどく】苗【びょう】無く山雪盛んなり、短衣数【しばしば】挽けども脛を掩【おお】わず。
此の時子と空しく帰り来たる、男坤【だんしん】女吟【じょぎん】四壁静かなり。』
鳴呼二の歌をして歌始めて放つ、閭里【りょり】我が為めに色 惆悵【ちゅうちょう】す。』



現代語訳と訳註
(本文)

乾元中寓居同谷県作歌七首 其二
長鑱長鑱白木柄,我生托子以為命。
黃獨無苗山雪盛,短衣數挽不掩脛。
此時與子空歸來,男呻女吟四壁靜。』
嗚呼二歌兮歌始放,閭裡為我色惆悵。』

(下し文)

長鑱【ちょうさん】長鑱【ちょうさん】白木の柄【へい】、我が生子に託して以て命と為す。
黄独【こうどく】苗【びょう】無く山雪盛んなり、短衣数【しばしば】挽けども脛を掩【おお】わず。
此の時子と空しく帰り来たる、男坤【だんしん】女吟【じょぎん】四壁静かなり。』
鳴呼二の歌をして歌始めて放つ、閭里【りょり】我が為めに色 惆悵【ちゅうちょう】す。』

(現代語訳)
長い鉄の頭のついた犂、長い柄の鉄の犂、きみには白木の柄がついている。われわれの生活はきみによって生命の親としているのだ。
土イモは山中の雪が盛んにつもっていてその苗もかれてみつからない、(その雪の中私と云えば)短い裾の衣を着ていくらひっぱっても脛をかくすことはできないのだ。
この時きみと収穫なしのから手でうちへもどってくる、家族の男の子呻き、女の子は吟じているようにおなかがすいているというががらんどうの部屋の四方の壁はひっそり立っている。』
ああ、これは二の歌だ、だからはじめて大声出してきままに歌うのだ、これをきいては近所の人たちも集まって収穫なしの自分のために恨み嘆く顔つきをしてくれる。』


(訳注)
乾元中寓居同谷県作歌七首 其二

同谷について腹をすかしている子供におやつとして土イモを取ってきてやると言って出掛けたが、あいにく雪が降り積もっていて雪用の服を着ていないので奥まで入ることが出来ず、無収獲で帰って来た時の詩である。暗いイメージの詩ではない。この詩は「二」というキーワードで詠っている。二人称の歌。

長鑱長鑱白木柄,我生托子以為命
長い鉄の頭のついた犂、長い柄の鉄の犂、きみには白木の柄がついている。われわれの生活はきみによって生命の親としているのだ。
○長鑱 ながいすき鉄。
 すきのえ。
 キミ、すきをさす。
 生命。


黃獨無苗山雪盛,短衣數挽不掩脛。
土イモは山中の雪が盛んにつもっていてその苗もかれてみつからない、(その雪の中私と云えば)短い裾の衣を着ていくらひっぱっても脛をかくすことはできないのだ。
黄独 一に「黄精」に作る、土イモの名。肉は白く、河は黄色で、蒸して食べるという。黄精はその根の部分を薬草とする。
数挽 たびたびひっぱる。
掩脛 イモは雪の吹き溜まりの中にあるのだろう。掩は雪の中をの意、おさえてかぶせること、脛ははぎ。


此時與子空歸來,男呻女吟四壁靜。』
この時きみと収穫なしのから手でうちへもどってくる、家族の男の子呻き、女の子は吟じているようにおなかがすいているというががらんどうの部屋の四方の壁はひっそり立っている。』
○此時 帰り来るときをいう。
空帰 黄独を掘りとることができずむだにかえる。
○男呻女吟 男女は家族中のそれをいう、坤吟はうめきうなること。
四壁静 静は静立のことで、さびしく立っておることをいう、四壁は四方のかべ、貧しいゆえ室中は空虚でかべのみ立っていることをいう。秦州から同谷に着いたばかりでこの部屋においての生活の実感がまだない様子を示している。貧しくて飢餓状態というのではない


嗚呼二歌兮歌始放,閭裡為我色惆悵。』
ああ、これは二の歌だ、だからはじめて大声出してきままに歌うのだ、これをきいては近所の人たちも集まって収穫なしの自分のために恨み嘆く顔つきをしてくれる。』
○放 ほしいままにうたうこと。
閭裡 閭は里の門、閭裡で近隣の人人をいう。
 顔色。
惆悵 うらめしいさま。恨み嘆くこと。