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詩 題:“同谷” 乾元中寓居同谷県作歌七首 其三 作759年11月
掲 載; 杜甫1000の334首目
杜甫ブログ1500-493回目
(3)弟をおもってつくる。第「三」の歌(「三」がキーワード)
乾元中寓居同谷県作歌七首 其三
有弟有弟在遠方,三人各瘦何人強?
あそこの二男弟、あちらの三男弟、遠方に居る四男。彼ら三人どれもやせているが、だれが強健でいるやつがいるであろうか。
生別展轉不相見,胡塵暗天道路長。
彼らとはいきわかれをして、各地をうつりあるいて面会せずにいるのである、安史叛乱軍の兵馬が天下をくらくして、天下を分断しているので、そうでなくてもながいみちのりが、弟達とのあいだの道路はさらに長くなってしまった。
東飛駕鵝後鶖鶬,安得送我置汝旁?』
東にむかって駕鵝が飛び、そのあとを追っかけて鶖鶬が飛んでいるが、どうしたらその鳥に送られておまえ達の傍へ私を置いてもらうことができるのだろうか。』
嗚呼三歌兮歌三發,汝歸何處收兄骨?』
ああ、これが第三の歌であるから三回歌うことにしよう。おまえ達がは帰ってこられるところ、この兄の骨をおさめてくれるところ、それがどこであるのか。(この戦乱で分断されていても平穏でいられるところ。)』
弟有り 弟有り 遠方に在り、三人各痩せたり 何の人強【まさ】れるや。
生別 展転して相見ざらず、胡塵【こじん】天を暗くして 道路長ず。
東に飛ぶは駕鵝【かが】後は鶖鶬【しゅうそう】なり、安【いずく】んぞ我を送って汝が傍【かたわら】に置くことを得ん。』
鳴呼 三の歌をして歌うは三発、汝帰るも何処【いずこ】にか兄が骨を収めん。』
現代語訳と訳註
(本文) 乾元中寓居同谷県作歌七首 其三
有弟有弟在遠方,三人各瘦何人強?
生別展轉不相見,胡塵暗天道路長。
東飛駕鵝後鶖鶬,安得送我置汝旁?』
嗚呼三歌兮歌三發,汝歸何處收兄骨?』
(下し文)
弟有り 弟有り 遠方に在り、三人各痩せたり 何の人強【まさ】れるや。
生別 展転して相見ざらず、胡塵【こじん】天を暗くして 道路長ず。
東に飛ぶは駕鵝【かが】後は鶖鶬【しゅうそう】なり、安【いずく】んぞ我を送って汝が傍【かたわら】に置くことを得ん。』
鳴呼 三の歌をして歌うは三発、汝帰るも何処【いずこ】にか兄が骨を収めん。』
(現代語訳)
あそこの二男弟、あちらの三男弟、遠方に居る四男。彼ら三人どれもやせているが、だれが強健でいるやつがいるであろうか。
彼らとはいきわかれをして、各地をうつりあるいて面会せずにいるのである、安史叛乱軍の兵馬が天下をくらくして、天下を分断しているので、そうでなくてもながいみちのりが、弟達とのあいだの道路はさらに長くなってしまった。
東にむかって駕鵝が飛び、そのあとを追っかけて鶖鶬が飛んでいるが、どうしたらその鳥に送られておまえ達の傍へ私を置いてもらうことができるのだろうか。』
ああ、これが第三の歌であるから三回歌うことにしよう。おまえ達がは帰ってこられるところ、この兄の骨をおさめてくれるところ、それがどこであるのか。(この戦乱で分断されていても平穏でいられるところ。)』
(訳注)
乾元中寓居同谷県作歌七首 其三
お金の無心の詩である。先祖からの土地は、安史軍の占領下にあり、弟4人のうちの3人の誰も先祖からの土地に倚ることが出来ない。骨を埋める地をきっと探すから応援を頼むということを含んだ詩で、苦しい、悲しい現状を詠うものではない。
この詩は「三」というキーワードで詠っている。
有弟有弟在遠方,三人各瘦何人強?
あそこの二男弟、あちらの三男弟、遠方に居る四男。彼ら三人どれもやせているが、だれが強健でいるやつがいるであろうか。
○弟 作者の弟は四人あり、穎・観・豊・占という、うち占は作者に従って旅をしている。
〇三人 占を除いた他の三人。
生別展轉不相見,胡塵暗天道路長。
彼らとはいきわかれをして、各地をうつりあるいて面会せずにいるのである、安史叛乱軍の兵馬が天下をくらくして、天下を分断しているので、そうでなくてもながいみちのりが、弟達とのあいだの道路はさらに長くなってしまった。
○展転 各地をうつりあるく、洛陽より長安、長安より秦州・同谷とかわってゆく。
○胡塵 安史叛乱軍の兵馬のちり。漢民族の反乱分子、北方の不満分子、西方の異民族の参軍。
東飛駕鵝後鶖鶬,安得送我置汝旁?』
東にむかって駕鵝が飛び、そのあとを追っかけて鶖鶬が飛んでいるが、どうしたらその鳥に送られておまえ達の傍へ私を置いてもらうことができるのだろうか。』
○駕鵝 雁のたぐい、野鶴のこと。
○鶖鶬 禿鶬(おおとり)のことという。
○安得 希望の辞。
○送我 鳥によって送られるのである。
○汝 三弟をさす。
嗚呼三歌兮歌三發,汝歸何處收兄骨?』
ああ、これが第三の歌であるから三回歌うことにしよう。おまえ達がは帰ってこられるところ、この兄の骨をおさめてくれるところ、それがどこであるのか。(この戦乱で分断されていても平穏でいられるところ。)』
○収兄骨 兄とは自己をさす、収骨とは自己の死後の事にいい及んだものである。