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“同谷” 乾元中寓居同谷県作歌七首 其四 杜甫1000<335> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1589 杜甫詩1500- 494 


詩 題:“同谷” 乾元中寓居同谷県作歌七首 其四 作759年11月の作
掲 載; 杜甫1000の335首目
杜甫ブログ1500-494回目




(4)妹をおもう作。
乾元中寓居同谷県作歌七首 其四
有妹有妹在鐘離,良人早歿諸孤癡。
わたしには妹がいる、鳳陽府鍾離に妹がいる。夫を早くなくして残された四人もいるまだ幼児たちは知恵がついていないのだ。
長淮浪高蛟龍怒,十年不見來何時?
淮水のあたりは風浪が高く安史軍の盗賊のように人を害する者が蚊竃のように怒りつつあるのだ。わたしは十年も彼女とかおをあわせていないがいつ彼女はこちらへ来ることができよう。
扁舟欲往箭滿眼,杳杳南國多旌旗。』
こちらから小舟に乗って往こうかとおもえば見わたすかぎり弓箭ばかりである、はるばるとおい南国の方も軍隊の旗ばかりたくさんある。』
嗚呼四歌兮歌四奏,林猿為我啼清晝。』

ああ、これは第四の歌だ。この歌は四度、奏ねるのである。この歌をきいては林の猿も私のために晴れあがった昼に啼きたててくれる。』



現代語訳と訳註
(本文)

有妹有妹在鐘離,良人早歿諸孤癡。
長淮浪高蛟龍怒,十年不見來何時?
扁舟欲往箭滿眼,杳杳南國多旌旗。』
嗚呼四歌兮歌四奏,林猿為我啼清晝。』


(下し文)

妹有り 妹有り 鍾離【しょうり】に在り、良人早く歿【ぼつ】して諸孤【しょこ】癡【ち】なり。
長准【ちょうわい】浪高うして蛟竜【こうりゅう】怒る、十年見ず 来たるは何の時ぞ。
扁舟【へんしゅう】柱かんと欲すれば箭【や】眼に満つ、杳杳【ようよう】南國旌旗【せいき】多し。』
鳴呼四歌す歌四たび奏す、林猿【りんえん】我が為めに清昼【せいちゅう】に啼く。』


(現代語訳)
わたしには妹がいる、鳳陽府鍾離に妹がいる。夫を早くなくして残された四人もいるまだ幼児たちは知恵がついていないのだ。
淮水のあたりは風浪が高く安史軍の盗賊のように人を害する者が蚊竃のように怒りつつあるのだ。わたしは十年も彼女とかおをあわせていないがいつ彼女はこちらへ来ることができよう。
こちらから小舟に乗って往こうかとおもえば見わたすかぎり弓箭ばかりである、はるばるとおい南国の方も軍隊の旗ばかりたくさんある。』
ああ、これは第四の歌だ。この歌は四度、奏ねるのである。この歌をきいては林の猿も私のために晴れあがった昼に啼きたててくれる。』


(訳注)
有妹有妹在鐘離,良人早歿諸孤癡。

わたしには妹がいる、鳳陽府鍾離に妹がいる。夫を早くなくして残された四人もいるまだ幼児たちは知恵がついていないのだ。
○妹 杜甫には韋氏に嫁した妹があった。
杜甫756年45歳春の作『元日寄韋氏妹』詩
近聞韋氏妹,迎在漢鐘離。
郎伯殊方鎮,京華舊國移。
秦城回北斗,郢樹發南枝。
不見朝正使,啼痕滿面垂。

近ごろ聞く韋氏妹、迎えられて漢鍾離に在り。
郎伯は殊方に鎮す、京華は旧国移る。
秦城回りて北の斗い,郢樹 南枝を發す。
朝に正に使するを見えず,啼痕 滿面垂るる。
とある妹である。
○鍾離 安徽省鳳陽府臨准県。叛乱軍の支配している地の向こう側である。
○良人 おっと、韋某をいう。
○諸孤癡 孤とは遺児をいう、癡は稚くして知のないことをいう。頑是ない子供たちであるという程度の意味である。


長淮浪高蛟龍怒,十年不見來何時?
淮水のあたりは風浪が高く安史軍の盗賊のように人を害する者が蚊竃のように怒りつつあるのだ。わたしは十年も彼女とかおをあわせていないがいつ彼女はこちらへ来ることができよう。
○長准 中國四大河川で「長」をつけている淮水をいう、鳳陽は淮水の南にある。
○蛟龍 安史軍の盗賊のような人を害する者に此する。
○来 妹がこちらへくること。(叛乱軍が平定されることと、杜甫が自分の生活を安定させることなどがある。)


扁舟欲往箭滿眼,杳杳南國多旌旗。』
こちらから小舟に乗って往こうかとおもえば見わたすかぎり弓箭ばかりである、はるばるとおい南国の方も軍隊の旗ばかりたくさんある。』
○往 こちらから妹の方へゆく。
箭満眼 眼中見る所は弓箭のみの意。
杳杳 はるか。
古詩十九首之第十三首
驅車上東門,遙望郭北墓。
白楊何蕭蕭,松柏夾廣路。
下有陳死人,杳杳即長暮。
潛寐黃泉下,千載永不寤。
○南国 淮水地方をいう。
○多旌旗 旌旗は軍隊の用いるもの、其の多いことはどこも軍隊ばかりであることをいう。旌旗は鳥の羽をばさばさにして頭に飾りにつけているはた、旌は竜を交叉して画いたはた。
奉和賈至舍人早朝大明宮
五夜漏聲催曉箭,九重春色醉仙桃。
旌旗日暖龍蛇動,宮殿風微燕雀高。
朝罷香煙攜滿袖,詩成珠玉在揮毫。
欲知世掌絲綸美。池上於今有鳳毛。


嗚呼四歌兮歌四奏,林猿為我啼清晝。』
ああ、これは第四の歌だ。この歌は四度、奏ねるのである。この歌をきいては林の猿も私のために晴れあがった昼に啼きたててくれる。』
〇四奏 四たびその歌曲を奏でる。
〇清晝 まひるなか。平穏な清々しい昼間。杜甫がは清昼という語を使うときは反対側に暗いものがある時に、その暗いものを意識して導き出すために平穏な昼ということを云うのである。妹の生活、境遇が決して安寧ではないであろう、安史軍の影響下にあるであろうという暗雲を連想させてくれる後の使い方である。したがって、猿が悲しそうに啼くといわなくても「清昼」ということで哀しさを出しているのである。ここでの表現は晴れあがったひる程度にとどめる。
杜甫『洗兵行(洗兵馬)』#1
中興諸將收山東,捷書夜報清晝同。
河廣傳聞一葦過,胡危命在破竹中。
秖殘鄴城不日得,獨任朔方無限功。
京師皆騎汗血馬,回紇喂肉蒲萄宮。
已喜皇威清海岱,常思仙仗過崆峒。
三年笛裡關山月,萬國兵前草木風。』

洗兵行 #1 杜甫詩kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ990 杜甫特集700- 295


乾元中寓居同谷県作歌七首 其四
有妹有妹在鐘離,良人早歿諸孤癡。
長淮浪高蛟龍怒,十年不見來何時?
扁舟欲往箭滿眼,杳杳南國多旌旗。』
嗚呼四歌兮歌四奏,林猿為我啼清晝。』

妹有り 妹有り 鍾離【しょうり】に在り、良人早く歿【ぼつ】して諸孤【しょこ】癡【ち】なり。
長准【ちょうわい】浪高うして蛟竜【こうりゅう】怒る、十年見ず 来たるは何の時ぞ。
扁舟【へんしゅう】柱かんと欲すれば箭【や】眼に満つ、杳杳【ようよう】南國旌旗【せいき】多し。』
鳴呼四歌す歌四たび奏す、林猿【りんえん】我が為めに清昼【せいちゅう】に啼く。』