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“同谷” 乾元中寓居同谷県作歌七首 其五 杜甫1000<336># 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1592 杜甫詩1500- 495 



詩 題:“同谷” 乾元中寓居同谷県作歌七首 其五 作759年11月
掲 載; 杜甫1000の336首目
杜甫ブログ1500-495回目



この詩にシリーズはは「順番数値」をキーワードにして詠っている。

(1)自分。客居貧苦のさまをいう。
乾元中寓居同谷縣作歌 七首 其一
有客有客字子美,白頭亂發垂過耳。
歲拾橡栗隨狙公,天寒日暮山谷裡。
中原無書歸不得,手腳凍皴皮肉死。』
嗚呼一歌兮歌已哀,悲風為我從天來。』


(2)二人称の歌。
乾元中寓居同谷県作歌七首 其二
長鑱長鑱白木柄,我生托子以為命。
黃獨無苗山雪盛,短衣數挽不掩脛。
此時與子空歸來,男呻女吟四壁靜。』
嗚呼二歌兮歌始放,閭裡為我色惆悵。』


(3)三人称弟をおもってつくる。
乾元中寓居同谷県作歌七首 其三
有弟有弟在遠方,三人各瘦何人強?
生別展轉不相見,胡塵暗天道路長。
東飛駕鵝後鶖鶬,安得送我置汝旁?』
嗚呼三歌兮歌三發,汝歸何處收兄骨?』


(4)妹をおもう作。
乾元中寓居同谷県作歌七首 其四
有妹有妹在鐘離,良人早歿諸孤癡。
長淮浪高蛟龍怒,十年不見來何時?
扁舟欲往箭滿眼,杳杳南國多旌旗。』
嗚呼四歌兮歌四奏,林猿為我啼清晝。』

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(5)冬の窮谷の情景に浸り、隠棲の思いと帰郷の思いをのべることでどうもこの地は違うようだという。。
乾元中寓居同谷県作歌七首 其五
四山多風溪水急,寒雨颯颯枯樹濕。
四方の山には冬の風が吹きまくり、谷川の水の流れは急である。極寒の雨はつめたく、風はびゅうぴゅう吹き、枯れた樹木がぬれている。
黃蒿古城雲不開,白狐跳樑黃狐立。
黄色いよもぎがはびこっており、古城に雲が門をとざすようにかかっている、白狐ははねまわり、黄狐はつっ立っている。
我生何為在窮穀?中夜起坐萬感集。』
わたしは生涯を決める意味で隠棲の谷を極めるつもりであったが、どうしてここが窮極の谷といえるのだろうか。夜なかに起きてみても坐ってみてもただ万感せまり、集まり来るのである。』
嗚呼五歌兮歌正長,魂招不來歸故鄉。』

ああ、これは第五の歌である、五回も詠うとその歌もながいものだ。屈原は「招魂」したというがわたしはここが隠遁先でなく魂がこられないだろうし、それなら故郷にかえることしかないのか。』
四山風多くして渓水急なり、寒雨 颯颯【さつさつ】として枯樹【こじゅ】湿う。
黄蒿【こうこう】の古城 雲開けず、白狐は跳梁【ちょうりょう】し 黄狐【こうこ】は立つ。
我が生 何為れぞ窮谷【きゅうこく】に在る、中夜起坐して万感集まる。』
鳴呼 五歌す 歌正に長し、魂招けども来たらす 故郷に帰らん。』


現代語訳と訳註
(本文)

四山多風溪水急,寒雨颯颯枯樹濕。
黃蒿古城雲不開,白狐跳樑黃狐立。
我生何為在窮穀?中夜起坐萬感集。』
嗚呼五歌兮歌正長,魂招不來歸故鄉。』


(下し文)
四山風多くして渓水急なり、寒雨 颯颯【さつさつ】として枯樹【こじゅ】湿う。
黄蒿【こうこう】の古城 雲開けず、白狐は跳梁【ちょうりょう】し 黄狐【こうこ】は立つ。
我が生 何為れぞ窮谷【きゅうこく】に在る、中夜起坐して万感集まる。』
鳴呼 五歌す 歌正に長し、魂招けども来たらす 故郷に帰らん。』


(現代語訳)
四方の山には冬の風が吹きまくり、谷川の水の流れは急である。極寒の雨はつめたく、風はびゅうぴゅう吹き、枯れた樹木がぬれている。
黄色いよもぎがはびこっており、古城に雲が門をとざすようにかかっている、白狐ははねまわり、黄狐はつっ立っている。
わたしは生涯を決める意味で隠棲の谷を極めるつもりであったが、どうしてここが窮極の谷といえるのだろうか。夜なかに起きてみても坐ってみてもただ万感せまり、集まり来るのである。』
ああ、これは第五の歌である、五回も詠うとその歌もながいものだ。屈原は「招魂」したというがわたしはここが隠遁先でなく魂がこられないだろうし、それなら故郷にかえることしかないのか。』


(訳注) 乾元中寓居同谷県作歌七首 其五
四山多風溪水急,寒雨颯颯枯樹濕。
四方の山には冬の風が吹きまくり、谷川の水の流れは急である。極寒の雨はつめたく、風はびゅうぴゅう吹き、枯れた樹木がぬれている。
〇四山 四山は自分の立ち位置を考慮すると五になる五行思想の数値の考えである。
○颯颯 はたはた風のあおるさま。


黃蒿古城雲不開,白狐跳樑黃狐立。
黄色いよもぎがはびこっており、古城に雲が門をとざすようにかかっている、白狐ははねまわり、黄狐はつっ立っている
 よもぎ。
古城 成(同谷)県城。
跳梁 はねくりまわる。


我生何為在窮穀?中夜起坐萬感集。』
わたしは生涯を決める意味で隠棲の谷を極めるつもりであったが、どうしてここが窮極の谷といえるのだろうか。夜なかに起きてみても坐ってみてもただ万感せまり、集まり来るのである。』
窮谷 ゆきつまったたに、同谷の地をいう。窮は窮極、つまり、杜甫は、官を辞しして家族と共に隠棲をしたいのである。その隠棲のちは谷であり、果たしてこの地が求めている隠棲の地であるのかといえばそうではないということが言いたいのである。
起坐 一起一坐。これも隠棲を前提の言葉である。


嗚呼五歌兮歌正長,魂招不來歸故鄉。』
ああ、これは第五の歌である、五回も詠うとその歌もながいものだ。屈原は「招魂」したというがわたしはここが隠遁先でなく魂がこられないだろうし、それなら故郷にかえることしかないのか。』
魂招不來歸故鄉  『楚辞』の大意に基づいた句である。一般に故郷に帰りたいと解釈する説が多いようだが違う。杜甫は隠棲する土地を求めているのであり、この地がどうもいい土地ではなさそうだということをのべているのである。秦州に来て東柯谷のことを述べた詩、あの「ワクワク感」を持った詩と比較してみると面白いし、よくわかるはずである。
杜甫は、土地購入資金を集めをするために詩を送って協力を求めているがどうもここではなさそうだということを云っているのである。




乾元中寓居同谷県作歌七首 其五
四山多風溪水急,寒雨颯颯枯樹濕。
黃蒿古城雲不開,白狐跳樑黃狐立。
我生何為在窮穀?中夜起坐萬感集。』
嗚呼五歌兮歌正長,魂招不來歸故鄉。』

四山風多くして渓水急なり、寒雨 颯颯【さつさつ】として枯樹【こじゅ】湿う。
黄蒿【こうこう】の古城 雲開けず、白狐は跳梁【ちょうりょう】し 黄狐【こうこ】は立つ。
我が生 何為れぞ窮谷【きゅうこく】に在る、中夜起坐して万感集まる。』
鳴呼 五歌す 歌正に長し、魂招けども来たらす 故郷に帰らん。』